
校正技能検定とは?実際に受講してみた話
校正を仕事にするにあたり必要な国家資格はありませんが、校正に関する民間資格は以下の2つがメジャーなようです。
校正技能検定
校正士
私は校正技能検定の通信で「校正コース」を受講しました。校正技能検定には通学コースもあり、全日制や夜間講座などから選べるので、くわしくは公式サイトからどうぞ。
通信の校正コースは特に入学時期は決まっておらず、申し込んだ日にちによって翌月にテキスト配送、翌々月にテキスト配送、など振り分けられます。私は何となく4月スタートにしたかったので、年末調整の還付金を元手に2月初めに受講を申し込み、所定の日までに受講料を入金、3月中旬頃にテキストを受け取りました。
テキストや練習帳などのほか、提出課題は1か月分ごとに封筒にまとめられ、ドドンと我が家に到着。

なかなかのボリューム!このほかに文字のサイズを測るスケールも付属していました。同封されていた学習の進め方の冊子に、「1月目は△△について学ぶ。○ページから●ページまで読み、練習帳の○ページまで終えたら学習課題に進む。その後は校正実習の自習課題、その後提出用の課題に取り組み、まとめて郵送せよ」というような指示が書かれています。
ちなみに赤ボールペンや消しゴムなど、校正にあたり必要なアイテムがあります。一応テキストに「これ持っているといいよ!」というアイテムが書かれていましたが、私は以下のものだけ用意しました。
・赤ボールペン(細字が◎)
・鉛筆(シャーペンでもいいけど消しやすいので)
・消しゴム
・青鉛筆(子どもの色鉛筆を拝借)
・定規(子どもの竹尺を拝借)
・ルーペ(老眼につき、100円ショップで購入)
準備が整ったら、学習スタートです。指示の通りテキストを読み、理解できたなと思ったら学習課題に取り掛かるのですが、テキストをちゃんと理解していないと答えられない設問が多く、「あれ、この設問に出てくるポイントって、どこかに書いてあったっけ」などとテキストに戻り、時折チートしながら進めてしまったのは懺悔します。高1の夏休みに洋書を丸々一冊翻訳する、という宿題が出て、途中で訳すのがだるくなり文章を創作して提出、しっかりバレて怒られたあの日から20数年。全く進歩していない自分が情けない。名前は忘れましたが英語の先生、お元気ですか。
その後、校正実習の自習課題に取り掛かります。小説やコラムなどが印刷されていて、覚えたてほやほやの校正記号を使いながら朱入れ。校正が終わったら解答と見比べて、あーここに誤字があった、ここの文字が所定のポイントまで下がっていなかったな、など、間違っていたポイントを見返し、理解ができたら校正実習の提出課題に進みます。
課題を終えたら付属の封筒に入れて郵送するのですが、切手代は自腹です。進むにつれて提出する課題がボリューミーになるので、切手代もややかさみました。しかも切手代が値上がりするタイミングに受講期間が被ったので、何とか切手が安いうちに出したいと思い途中めっちゃ巻くという、怠け者のくせにケチ、という自分には謎の追い風に。
数週間で添削・採点されて戻ってくるので、ここが間違っていたんだなあと振り返りつつ、次のテキストに進みます。(戻ってくる前に翌月の学習を進めてもOK)
基本的には校正記号、常用漢字や表外漢字、歴史的仮名遣い、よくある誤字脱字の例、役物とは、などなど、校正の実務に必要な内容を学びますが、出版の流れや組版の種類など、書籍に携わらない限りは見ることがないかも?という内容も出てきます。私はWeb編集しか経験がなく、老眼も相まって、特に字の大きさを確認する作業が地獄のようでした。
校正技能検定の通信コースでは基本的に
・月ごとの決められた範囲のテキストを読む
・決められた範囲の練習問題を解く
・学習課題と校正実習の提出課題に取り組み、提出
の繰り返しです。ちなみに提出課題で一定の点数が取れていないと再提出する必要があるようですが、私のような記憶力も視力もギリギリな人間でも何とかクリアできたので、おそらくそこまで難しい基準点に設定されてはいないのかなと思います。
受講期間は8か月ですが、10か月まで延長OKです。
基本的には校正技能検定の中級以上が履歴書の資格として活かせるようで、当初は中級もとるつもりでしたが、私は印刷物の校正に携わることはなさそうなので中級試験は受けていません。アピールのお守りとして活用できればいいかなと考えています。
専門的な勉強をしないままWeb編集の仕事を始めたこともあり、役物のルールや数詞表記など、知らなかったことを学べて、受講してよかったと思います。