静けさへ還る
オギャアと泣いて大きくなって、何某かになるんだと、勉強したり仕事に励んだりして頑張る。
ふと道程と得てきたものを振り返り、それらは持っていけないんだなと気づく。
結局自分は何者だったのだろう。何か成し得たつもりが何も持っていないことに気づく。
気づいたら肩の力が抜ける。持ってないし持つ必要も無いし、失うものもないのだと。
そのとき本当の自由が訪れる。
お金がなくちゃ、結婚しなきゃ、名をあげなきゃ、あれを買わなきゃ、あれも食べなきゃ、これって本音だろうか。
子供の頃から作られてきた概念。それにがんじがらめにされてる。
それから解かれた時、自由になれる。
大抵の人は還ってからきづくのだろうけれど、がむしゃらに何かに取り組んできて、還る時が近づいた人には、ふと見えることもあるんじゃないかなと思った。
結局、私たちはその名前のその人を演じてるだけで、誰しも何者でもなく、還ればひとつなんだと。