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kiyofico
探してしまう【詩】
またあの季節がやってくる
季節は匂いを連れてくる
匂いは記憶を呼び覚ます
まちなかを歩く
懐かしい香水混じりのタバコの匂い
はっとして振り返るけれど残り香だけ
マルボロメンソールにポールスミス
そんなのよくある香り
未だに懐かしくて胸が締め付けられる香り
別れの言葉とともに香りの記憶も持ち去ってほしかった
なあんてむりだから、上書きしてくしかないのね
忘れられなくて香水を持っておくのはもうやめよう
マルボロメンソールもやめよう
あなたの香りを切り離そう
これだけであなたとの最後のつながりを持っていたけど
香水は洗面台に流した
タバコはカフェのテーブルに忘れたふりをしておいてきた
これでいい、断ち切れる
じぶんのにおいにもどした
ゴーストのエタニティ
タバコはアイコスに変えた
時にはそんなこともあるって
おなじ匂いじゃいられないとき
私は私の匂いをまとって、一人で歩いてく