梅林公園(岐阜市)【エッセイ】
一昨日の夕方、少し時間があったので、梅林公園へ行ってみた。
ほぼ満開である。
昨年も行ったはずなんだけれど、かなり整備されて、昔は「青軸」や「鹿児島紅」くらいしか書いていなかったのに、全ての根本に名札がつけられていた。‥こんなにたくさんの品種があったのか‥。
うちから車で10分ほどの山の麓にあるのだけど、山の中腹というか小高いところに灯りが点っていた。
どうやら食事処らしい。子供の頃菜めしや田楽を食べたのだけど、そこで食べたのか、この時間はすでに閉店している麓の店なのか思い出せない。
田楽だねぇ、菜めしだねぇ、そんな季節だと思った。それらが大好きで、岐阜の大仏によく連れて行ってもらい、年中食べさせてもらったのだが、どうにも春のイメージがある。
ちなみに山の麓というとイメージとしては里山であろうけれど、およそそれとは似つかない。むしろ街だ。
少し歩けば、柳ヶ瀬という美川憲一の歌に聞いたことのある方もあろうが、今は寂れた繁華街がある。
最後の砦として、高島屋というデパートがある。これはもうずっと前から自治体がお願いして撤退しないよう残ってもらっている状態だ。他の百貨店やパルコは撤退した。
岐阜は街のすぐ横に山がある。というか、山の麓に街があるのだ。おそらく岐阜城(山の上)や、加納城址(信長に焼かれた)などがあった位置関係もあるのだろう(そのほか、千年くらい前から人が住んでいたであろうところもあるが)。
話が逸れたが、梅林公園は、そんな繁華街からほんの少し行ったところにあり、おそらく古くは賑わったであろう商店街の一本奥へ入ったところにある。
18時ころ閉店するのであろう、年老いたお花屋さんが店先の花を片付けていた。仏花が置いてあった。そういえば一つまあまあ大きなお寺があったので、そこへお供えするのか、近隣住民の仏壇へ供えられるのだろうか。
小さな荒物屋がほんの少しずつ仕入れたのであろう洗剤などをいくつも取り揃えているのを見て、本当に愛おしい気持ちになった。年老いた店主が、少しずつ選んで仕入れては店先に並べ片付ける。そんな様子を思い浮かべたら、本当に愛おしくなったのだ。
さて、本題の梅である。
撮っているうちに日暮れてきた。日暮れの町並みも撮ってみた。
また、写真にはないが、汽車の先頭車両が飾ってある。由来は書いてあったはずだが忘れた。私の子供の頃からある。
とまあこんな公園だが、岐阜を訪れる際には覗いてみてほしい。