若きウェルテルの悩みDie Leiden des jungen Werthers/ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
若きウェルテルの悩みDie Leiden des jungen Werthers/ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
こんばんは!カズサです。
まず感想に入る前に、最近更新が滞っていて申し訳ないです…m(__)m
最近読書以外に映画見たり、英語の勉強をしてたりと、あんまり読書に時間を割けられてないんですよ…許してください…笑
最近皆さんにシェアしたい映画がかなりあるので、今度から映画レビューもちょこちょこ増やしていこうと思います!
という事で今回は、影響力の武器で登場した若きウェルテルの悩みを読了したので、感想をだらだら書いていこうかなと思います!若い時にウェルテルの気持ちになれなかった人間は、人生を損しているとゲーテ本人が言うのも頷けるほど考えさせられる内容でした。出版当時ヨーロッパ中でベストセラーとなり、主人公ウェルテルを真似た服を着て自殺する者が急増するなどの社会現象を巻き起こしたほどですから…。そのため「精神的インフルエンザの病原体」と刊行時に呼ばれたらしいです。
では、そんな本の感想に早速行ってみましょう!
【感想】
この本を読んで一番痛烈に伝わってくるのはウェルテルの情熱的で痛々しいほどの”愛”でしょう。
ウェルテルの友人であるウィルヘイムに対して
『愛のない世界なんて、僕らの心にとって何の値打ちがあるだろう。明かりのない幻燈なんて何の意味があるのだろうか。』と言い切ってしまうほど先のない恋に溺れてゆきます。
個人的に見ててつらくなったのは、第二部でロッテに冷たくされて孤独に苛まれているときの彼の文章です。
『ああ、この空虚よ!ここに、わが胸の底に、感ずる恐ろしい空虚よ!幾度となく思わずにはいられぬ、ただ一度、せめてただ一度なりとも、この胸にあの人を抱きしめることができたら、この空虚は余すことなく満たされるものを。』
『あの姿がどこに行っても付きまとう。夢にも現にも、魂の隅々まで満たしている!目を閉じると、ここの額の中に、内なる視力が集まるあたりに、あの人の黒い瞳が現れる。(中略)この双の瞳は私の前にやすらい、私の中にとどまって、この額のあらゆる感覚を満たす。』
どうでしょうか。みなさんはここまで激しい気持ちを抱いたことがあるでしょうか。彼はこの非常に盲目的で未来のない恋によって、破滅の道を歩みました。
僕も人を好きになるともう、その人のことしか考えられなくて、一挙手一投足が気になってしまいます。
ラインの返信遅いなあ…とかうわーなんか味気ない返信が来た…もう脈なしだとか。笑
最終的に自分に気がないと分かってしまって離れることになったらもう最後。もうあんなにいい女性はいないんだ。町でふと見かけても話しかけられない遠い存在になってしまったんだ。もう何を手がつかない…
なんてめっちゃ落ち込むときもありました。今思えば全部痛いやつだよなあと笑い話にしてますが笑
前を向かないといけないことは誰でもわかるだし、もっと視野を広げれば他の異性が見つかるはずなのに、どうしても過去の恋ばかりを見つめてしまいますよね。
なので、こんな苦しい日々を過ごすくらいならいっそ死んでやる!というウェルテルの気持ちもわかってしまいました。
彼は自殺する前の晩にロッテと強引にキスをします。彼はこの事でロッテからの至上の愛を感じ、歓喜します。
彼の自殺は、ロッテからの愛を感じた歓びを永遠に自分の中で封印するものだったと僕は思いました。
確かに彼の恋心が生んだ孤独に苛まれたことで身勝手な自殺をしたのだと普通は思うでしょう。
ただウェルテルは最後に受け取ったロッテからの無償の愛を永遠に自分の中で生かし続ける為に(これで自分とロッテは永遠に結ばれるために)自殺したのだとした方が僕の中で納得出来ました。
彼は先のない恋に溺れる日々を過ごしきっとこう思ったはずです。
「農夫のようにアルベルトを殺すのか。ロッテを殺して自分も死ぬのか。いや最後は愛するロッテの幸せを願い自分が死ぬのだ。最後に彼女がくれた無償の愛を抱きながら僕はひとりで死んでいくのだ!!」
この方がロマンティックだし、リアリティがあって一番納得が出来ませんか?
さて皆さんは自分の身を燃やすほどの熱い恋をしたことがあるでしょうか。大人になり、恋なんて…みたいに思っている人は自分の若い頃を思い出しながら読んでみてください。きっと誰にでも一度はあった懐かしく痛々しくちょっぴりほろ苦い思い出が蘇ってくる筈です。