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光野朝風
2017年3月19日 02:25
「え? 分裂騒動ですか?」 写真家団体のメンバーが写真の使用に関してのことで次々と脱退し、幹部クラスの人間も出ていて男性主催者は、まるで悪人のように言われていると言う。 主催者から問題が起こっていることを告げられた時、作家は腹立たしく思った。「お似合いじゃないですか」 主催者は傷ついたのだろう。一瞬の沈黙の後「君、そんなこと言うもんじゃないよ」とムッとしたが、この事件は心底胸に
2017年3月8日 16:05
採銅所駅の駅舎は大正四年三月(千九百十五年)に建てられたが、当時としては珍しい洋風の木造駅舎だった。 正子が文雄に出会ったのは国鉄添田線から日田彦山線に変わった年だった。きりのいい千九百六十年という年で二人ともよく覚えている。 前から通勤で両者とも駅を使っていたが時間帯が少しだけずれていて会うことはなかったが、文雄の通勤場所が四月から変わったため、乗る電車が同じになった。 駅舎の
2017年3月1日 22:15
「いやー、先生。さすがですよ。北九州でサイバーパンクだなんて思いもつきませんでしたよ。でもなー、いえね、いいんですけどね、今回の主人公は少し思想的に弱いというか、これじゃあそこらへんにいる若者みたいで薄っぺらい感じなので、もっと社会や国家と個人との戦い、みたいなところまで書いたら作品の厚みもぐっと出ると思うんですよ。あ、それでですね。次回の原稿の締め切りは二週間後の十七日なんですけど間に合いま