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【お芝居】観劇の思い出+演劇評論家の村井健さんに感謝

最近、noteに記事を投稿する際に過去のことも振り返る機会が多くなりました。その中に今まで観てきた舞台の中で特に面白い、印象に残ったものは何だろう?というのも考えたりしました。

時の流れというものは残酷なもので中には解散してしまった劇団というのもあったと書きました。舞台というのは基本的に映像に残して商品として販売するものではないので、一瞬で消える、まさに一期一会という言葉がぴったりの催し物です。

そんな劇団もあるものの、では改めて自分が今まで観てきた舞台の中で一番良かった、感動した舞台はなんだろう?と考えて、真っ先に挙げられるのは、

「劇団チョコレートケーキ」さんの「治天ノ君」


なんとも甘そうな劇団名ですが上演される台本は重厚な仕上がりとなっています 笑

ってか今となっては演劇に携わった生活をしている人であれば知らない人はいないというくらい人気も知名度もあるという認識なので今更、説明する必要もないと思っている。

が、わたくしが初めて観劇した当時はまだ「凄い劇団が現れたぞ」といよいよその名が轟こうとしている時でした。そんな風に「この劇団の舞台、すごいから観に行ってこい」と強く勧めてくれたのが演劇評論家の故・村井健さん

当時は例えば、実力者ばかりが出演しているはずの新劇の劇団の舞台を観てもいまいち面白いと思えなくなってしまった時期でして、そんな心境の時に歴史も新劇の劇団と比べればかなり新しい劇団の舞台を勧められた。

「そんなに面白いって言うなら行ってみるか」って感じで下北沢駅前劇場へ向かったんですが・・・、もう最後は号泣でした😭 笑

舞台でこんなに感動したの初めてだよっていうくらい衝撃的でしたね。これは文句なしで今まで観てきた舞台でナンバーワンの出来でした。思わずアンケートにも「これからの活動に期待しています」とこれからの演劇界を担っていくのはあなたたちですみたいなノリで書いてしまうw

このインパクトそのままにこの作品は2014年に第21回読売演劇大賞選考委員特別賞を受賞したり、演劇情報サイト「CoRich」でも観客から一番良かった舞台と評されて2013年の舞台芸術アワードを取ったりしました(調べてみたら去年も受賞してたみたい。確かその舞台で一気に名が広まったのかな)

これを機に老舗劇団よりも「今」面白いと思える舞台は何か?と本気で考えて上演している新興劇団が確かに存在すると認識をして、舞台俳優を目指すならこんな作品に出演したいと強く思い、当時はまだ演技の勉強に励んでいた自分は良い意味でも悪い意味でも今後の進路に迷いが生じました。必ずしも大企業にこだわる必要はない就活生みたいな気分でw

そして、先ほども名前が出てきましたが「劇団チョコレートケーキ」さんを勧めてくれた演劇評論家の村井健さんは他にも、

テレビでもたまに見かける安井順平さんが所属している劇団「イキウメ」さんや、

数々の演劇賞を総なめした演出家・中津留章仁さん主宰の劇団「トラッシュマスターズ」

と、これまた素晴らしい舞台を上演し続けている劇団を教えてくれた大変、お世話になった人でございます。主に自分が俳優活動をしていた時はこの3つの劇団がトレンドでしたね。もちろん今でも精力的に活動していて、この劇団名でブランド化されたと言って良いでしょう。

村井さんのおかげで俳優活動をしている間に、極上の舞台を観劇することができたと言っても過言ではありません。

他にも村井さんはWikipediaを読んでみるとロシアで教えられている演技法が自分をはじめ日本の俳優にも広まったのは村井さんのおかげなのかもしれませんね。

だから亡くなったと聞かされた時のショックは大きかったです・・・。元々、一度、体調を大きく崩された経験を持っていたらしく亡くなる直前にも体調が思わしくないみたいな話は聞いていたんですよね。

それで禁煙をしたと言っていたのですが、最後にお会いした時は早速、煙草を吸っている姿が目に入ってきて😓、

「あれ、禁煙したんじゃないんですか?」って質問してみたら、そんなこと言ったっけ?みたいな顔で平然としてて、怖いもの知らずというのか?、言いたいことはズバッと言うし、我が道を突き進んでいる、そんな方でした。

日本の演劇界に大きく貢献した村井健さん、ありがとうございました🙏

と、久しぶりに過去を振り返ってしみじみとした日でした。では、また。



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