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【声優やアニメーターが窮地を訴える】 『インボイス制度』は悪なのか?

こんにちは。演劇・エンタメ分野をビジネス視点で語るAsakawaです。

これまでも何度かこのnoteでも軽く話題として取り上げてきた『インボイス制度

世間的にもやはり導入が近づくにつれて大きくニュースとして取り上げられることも多くなってきました。

昨日もこんな記事がヤフーニュースで主要欄に掲載されたりツイッターでもトレンド入り、テレビでも取り上げられまして露出が増えております↓

しかし声優を始めとしたクリエーター達が中止を訴えているとはいえ実際のところは賛否両論です。

私もこの時期にもしもまだ俳優・声優として活動していたのなら絶対に中止しろ〜と反射的に叫んでいたような気はします。

が、この「『インボイス制度ってなんなの?」と個人事業主ではない知り合いに質問されて簡単に説明したところ、

えっ、本来今まで収めるべき税金を免除されていたってこと?そりゃあダメでしょ」

と返って来ました。

このように立場によっても意見は異なるとは言えます。

どっちの立場も経験のある私もやはり、どっちかが絶対に100%正しいと言うことは難しいと感じています。

ギリギリとはいえこれまでクリエーティブな活動の収入で生活できていた小規模事業者の人にとってはそりゃあ、今まで払わなくてよかったものを払わないといけないって言われたら可能性の芽を摘む気かー!と訴えたくもなりますが、

上記のようにしっかり税金を納めている人にとっては免税されていたなんてずるいでしょなんて思うかもしれない、

どっちの気持ちも分からなくはありません・・・💦


それでも、このnoteのテーマであるビジネスの視点も持ち始めた私からすると、

個人事業主という立場の人って収入に波があって、

去年は収入200万円だったけど、
今年は今までの努力が実って軌道に乗れたから収入が10000万円に跳ね上がった!

なんてことが多分にあると思うんですね。

現に声優さんだってブレイクして収入が跳ね上がった人はいるはずです。

そういう一発逆転みたいな可能性を秘めている仕事なのにインボイス制度が導入されたら即廃業を検討する人が続出するって、ちょっと首を傾げるというか、これまでは収入が低かったからって来年もそうとは限らない、どうなっているか分からないじゃないですか?とは問いたい。

それに声優や俳優のお仕事って全く演劇経験がなくてもある日、突然できてしまえる、仕事が舞い込んで来る場合もあるし、長いブランクがあってもオファーが来ることだってあるので、比較的に戻って来ることは容易だと思うんですよね。

それこそ一旦は身を退いたけど別の分野で有名になって、その過去の俳優・声優経験があることから数年ぶりに作品出演を果たす、そんなことも出来てしまえるお仕事です。

廃業を検討しているとは言うけど毎月、ある専用の店舗を借りて高い家賃を払っているわけでもないし、人を雇って人件費が発生しているわけでもないだろうからそんな今の立場を維持するための費用ってそんな掛かっていないとは思うんだけど・・・。

せいぜい自身のプロフィール・経歴が載っているホームページのサーバー代くらいですかね?でもそれって最大まで安く済ませようと思えば年間で2万円くらいで済むはずだから、いくら収入が減ると言っても直ぐに維持できなくなることはないはず・・・。

と、取得しないといけない資格・合格するべき試験、定期的に受けるべき研修もない俳優・声優の廃業って収入よりも本人の意志によるところが大きいのでは?と私は考えています。

これまでの主張を聞いていると収入が良い年もあれば悪い年もある、不安定な仕事だからそういう時に備えて何かしらの準備は必要!(副業をするなど別の収入源を持つ)っていうのも頭になく、備えはせず、でもなんとか声優だけの仕事でこれまでやってこれた境遇の人が訴えているようで、

でもそうなると、確か年間通して声優だけの仕事で生活できる人って300人以下って言われているから、そんな厳しい競争を勝ち抜いて精鋭部隊に入っている人でさえ生活できるかギリギリの収入の人も珍しくないなら、ほんと声優のギャラって安いんだな・・・と言わざるを得ないな💦

こうなると論点が変わってしまいますが、インボイス制度導入で廃業をしてしまう可能性の人が少なくないと言われている声優業界はやはり一度でも強い風が吹くだけで吹き飛んでしまう脆い状態の人が多いのでは?とも思いたくもなります。


こんな話題が出るようになって、
個人的には今までアニメ・ゲーム好きの憧れの仕事として君臨していた声優というお仕事の負の側面がここまでテレビ、主要ニュースサイトを通じて大きく報じられてきたことはあまり無かったように思われます。

華やかな所ばかり目立ち、まだ社会を知らない若い子達が数多く目指してしまうこの世界ですが、ベテランの域に達している人でも窮状を訴えるくらい収入が少ない不安定な世界、というのはもう世に知れ渡ったはずです。

つまりこれまで声優志望者が先ず行くであろう専門学校や養成所でも率先して教えてくれることのなかったこの世界を目指す上での「リスク」というものが露呈しました。

活動歴が長くても、実績があっても生活は安泰じゃないんだよと。

これは私の世代ではなかなか調べても知ることのできなかった情報です。

これを知った上で目指すべきか、思っていたのと違ったので断念するべきか検討できる、或いはこの前提を踏まえてじゃあどういった行動に移るべきか考えることはできるのは大きいと思います。

私はだいぶ後になってからこの世界の本当の意味での厳しさを目の当たりにしたので、こんな無視できないリスクがあるよ、とこれからこの世界を目指す人、今その身を置いている人に向けて情報発信していたのですが、

それが時代の変化も相まってようやく本格的に浸透し始めた実感がわいております。

事前にその「リスク」を説明する風潮が昔からあればもっと違う結果になっていったんじゃないかなと思います。(もしもの時に備えて兼業、別の収入源は作るのは前提のもとで声優活動を続けるべき、声優は個人事業主なので確定申告のやり方、節税のしかたなどを学ばないといけないと若いうちから教えておけばなど)

そういう意味では会見をした岡本麻弥さんは、

 「(課税事業者になっても)税理士を雇える人ばかりではありません。もし雇えなければ個人で時間を割いてやらないといけない。私たちは自分を磨くために時間を使いたいんです。・・・(以下略)

と発言したそうですが、
自分を磨くために時間を使いたいというのは誰もが思っていることです。

むしろ多くの声優志望者は、事務所は入れさえすれば仕事を与えてくれる場所で、

よく分からないけどそういうのってマネージャー、事務所がやってくれるんでしょ?

なんて思っている節さえありますが、
残念ながらあなたは素晴らしいパフォーマンスをするのに専念すれば良いという待遇を受けられる人は、それこそ年収が一千万円以上稼げる人だけに限られていくると思います。

殆どの人は専属のマネージャーすら付きませんし、相手にされないこともよくあることです。なぜならマネージャーと言われる立場の人は人手不足で何百人と所属している事務所でも5〜10人くらいしか職員はいなくて、物理的に全員の面倒を見るのは無理だからです。

そんな人が大多数を占める中ではやはり事務的な作業の勉強もしないわけにはいかないので、この発言だけは納得できないですかね。多くの個人事業主は自分でやっていることです。

それは事務所に所属している声優も例外ではありませんし、インボイス制度が中止になってもやらないといけない事務的作業はあります。そういうのは少しでも収入があればやってきているはずですけど・・・。


そんな知っておかないといけないのに、誰も教えてくれなかったことを発信しているのが当noteになりますので是非、他の記事にも目を通してみてくださいませ。

では今回は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。

専門学校・養成所では教えてくれない情報はこちら↓


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