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PTAの歴史と過去・現在の役割について考える。

いつもnoteを読んでくださっている皆さま。
ありがとうございます。
はじめましての方。
私は、あさか主任(@yopamegu)と申します。

 2023年3月に、10年間勤務した某県庁を退職し、ひょんなことから
『女性PTA会長』になったはなしを綴っています。

 小1の壁によって、安定といわれる地方公務員を退職し、学校活動にいろいろと顔を出した結果、2025年度にPTA会長を拝命しました。

公務員でも、越えられなかった小1の壁についてはコチラ。

 はじめに申し上げておきますと、私はPTA活動を楽しくやらせていただいています。わりと『エンジョイしている女性PTA会長』です。

 楽しめていると感じる要因は 

  • 先生方のお人柄とご尽力

  • 歴代会長さま方が改革した、時代に合ったPTA活動

  • 子どもたちと触れ合う機会がたくさんある

  • 単Pだけでなく市内の他校PTA会長と話す機会があるから。

  • 元県庁職員だから etc…。

 私が、気持ちよくPTA活動ができている要因は、前述したと通りですが、PTA活動は学校によっても様々。100校の小中学校があれば、100通りのPTA活動が存在しています。

 変化の激しい時代に、PTAという組織の活動や在り方が、組織構造や活動が、合わなくなってきている。と感じる部分も多々あることも事実。

 教育行政の制度設計や、教育政策、学校経営など理論的な部分を知り、実際の教育行政や学校経営がどのように行われているのか。これからの時代や地域に合ったPTAの在り方とは?
PTA会長という活動を通して考えています。


1 PTAと民主主義。

PTA=Parent-Teacher Association(保護者と教師の会)

保護者(Parent)と教職員(Teacher)が連携して組織する社会教育団体。

 PTAは、戦後、占領下の旧文部省とGHQによって制度設計がなされた組織。これまでも、学校にはそこに通う子供たちの親のコミュニティーは存在していたが、『父兄会』などと称され、あくまで男性中心の組織であった。
 
 終戦後、憲法できて、婦人参政権も確立して、これまで男性の後ろに隠れて、台所仕事をやっていた婦人たちも、戦後民主主義を担う『新婦人』として啓蒙され、地域やコミュニティの運営手法、民主主義のやり方を身につけなければならないという考えから、その政策を担うものとして、取り入れられたのがPTAだった。

  そういった経緯で広まったPTA組織は、これまで主導権を握っていた男性たちによって、
『何もわかっていない女子供に、この世の常識と教養と組織の運営を教えるための社会教育システム』
であると考えられていた。
 ゆえに、PTA組織は、民主主義の基本が学べるような基本形態になっています。そのフォーマットで、役員や委員の役割、総会の意味、議決をすることの意味、会計処理などの常識を学ばせるためのシステムであったと言える。
 これまで、男性の陰に隠れて奥で世間を支えてきた戦後の女性たちを活動させ、男性と対等な市民として教育するという目的からすると、PTA組織は一定の役割と成果を生み出した。
 しかし、今や、そういう視点では地域の女性保護者を見るということ自体が、前時代的で実態ともかけ離れている。

政治学者、PTA会長になる 岡田憲治 著 P121~P122 要約

 政治学者である、岡田先生の著書を読んで、腹落ちしました。
私がPTA活動に居心地の良さを感じた理由はココにあったのかと。

 民主主義の根幹をつかさどる行政のシステムそのものだったからです。

 『役員や委員の役割、総会の意味、議決をすることの意味、会計処理などの常識を学ばせるためのシステム』という点でとらえると、これまで県職員として従事してきた業務そのものだったから、そのシステムや、やり方に慣れているという点で、居心地の良さを感じたのだと思います。

2 社会教育システムとしてのPTAの役割の終焉。

あくまで地方の小学校PTA組織であるという前提で読んでいただきたいのでが、

 このPTAのシステムを理解し、運営できる保護者がどれだけいるのだろうという疑問。
 逆に、こんな前時代的な、社会教育システムを使わなくても、優秀な女性はたくさんいるし、何なら自分たちで企画もできちゃうPTAだって都会にはあるんじゃなかろうか。

そんなことをふと感じました。

この疑問についても、岡田先生の著書で腹落ちしました。

 PTAの基本的な骨組みは、政府で言うと『内閣』にあたる。
 役員会という、合議体が連絡役となって、別に4つの委員会があり、そこがより具体的な活動の起点となっている。さらに、個別の活動をやるグループがいる。
 そして、その枠で、『やることになっていること』を毎年確認して、去年やったように今年もやる。
 こういう骨組みの枠内で活動することは、社会活動の『ある種の基本パターン』を経験するため雛形。
 みんなから、お金を集めて、学校を助けたり、子どものために良い環境を作ってやったりするわけだから、『〇〇委員会の所管』『〇〇係さんの役割』という仕組みは、かつての専業主婦に必要なお手本であった。

政治学者、PTA会長になる 岡田憲治 著 P222 要約

PTA活動=子どもたちの学校生活をよりよくするための組織と活動。

と、漠然と考えていましたが、実は政策的な背景が存在していたこと、政治的な意図があったことに、驚きました。

 そして、この制度設計を考えたかつての役人さんはすごいな。と、ただただ感心しましたね。

 PTAの役割に、戦後の政策が含まれた社会教育システムであるとするならば、もしかすると、その在り方や役割は、変わらないといけないのかもしれません。

3 女性の社会進出とPTA。

 二十一世紀になってから、女性は多様化していきました。

  • 専業主婦の女性

  • パートタイムの女性

  • 正規職員の女性

 公務員、銀行員、大学教員、研究者、医師、弁護士など、その活躍も職種も様々です。

 民主主義の社会教育システムという点での、PTAの役割は、社会の一員として活躍し始めた女性たちにとって、PTAの活動を通じて『会議を経て、決定し、自分たちで運営する』という社会活動を通じて民主主義を学ぶ必要性は低くなっているのかもしれません。そのあり方を議論していくことが必要なのだと感じます。

『こんな古いやり方、やってらんないんだけど!!』

『もっとスピーディにやろうよ。』

『形骸的な会議はオンラインでお願いしたい。』

そんな声が聞こえてきそうです。

4 PTAは不要なのか?それとも必要?あり方を考えるときがきている。

 ネガティブな意見に焦点を当ててしまうと、

『PTAなんていらないよ。解散しちゃえばいいじゃん。』

と、安直な考えに至ります。

実際に、私がPTAとして1年間その運営を見てきて、感じたことは少し違います。

国の政策に、関係なく、

PTAとは、そもそも何のためにあるのか。

活動はだれのためなのか。

保護者と教員が、連携すべき目的は、何なのか。なぜなのか。

PTA役員に限らず私たち保護者が考えていくべき課題だと思います。

ぶっちゃけ、

『PTAでも、PTAじゃなくてもいいんだけど、保護者と学校が、子供たちのために、なにができるか、そのために、どうしていくのか。』

活動の意義を見失わないために常に問いたいと思います。

5 参考書籍

教育行政の制度設計は、放送大学のこちらの書籍が大変わかりやすいです。

① 教育行政と学校経営 放送大学

② 政治学者、PTA会長になる 岡田憲治 著

③ PTAのあいさつ司会進行・文書の事典 PTAマナー研究会

④ PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれからなにをしたらいいか考えた

せっかくPTA会長を拝命したので、私なりのPTA会長を体現していきたいと思います。

2025年PTA会長の方、PTA会長OB/OGの方、Xでつながってくれるとうれしいです。情報交換しましょう。

【あさか主任のSNS】
X あさか主任 (
@yopamegu

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