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雑考

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雑考 : 肌の色

雑考 : 肌の色

アフリカではその広範囲で僕は「白」と呼ばれる。

たとえばマラウイでは、村が近づいてくると何十という子供たちが湧いてきて、大興奮状態で「アッズングー! アッズングー!」と僕に向かって大声で叫び、村中が騒然となる。
「アッズングーってどういう意味?」と聞くと、答えは「ホワイト」。
村を通り過ぎた後も、僕の姿が見えなくなるまでかれらは「アッズングー! アッズングー!」と叫び続ける。
一日何百回もだから

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雑考:宗教

雑考:宗教

宗教とはファンクラブだ。
キリスト教はイエスのファンクラブ。
イスラム教はムハンマドのファンクラブ。
仏教はブッダのファンクラブ。

日本ではよく、特定のアーティストやグループの熱狂的なファンを「信者」といって揶揄したりするが、言い得て妙だ。
「皆で同じ神を信じて、皆で同じ教えに従う」
そういう意味で、一般的な宗教と一般的なファンクラブに本質的な違いはない。

人類は、強大な群れを形成することで繁

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雑考:「自分」とかいう錯覚

雑考:「自分」とかいう錯覚

長いことひとりで旅をしていると、自分がどんな人間だったか忘れる。

日本にいる時は、同じ日本人、同じ世代、同じ男性、といった類似性の中で他者との差異が浮かび上がり、その差異が自分の性格だったりキャラとしてみなされる。
帰国すると、忘れかけていた日本での自分のキャラを思い出し、またそれを演じて生きていくことになる。

旅をしている時は、「現地人という他者⇄日本人としての自分」という対比しかしなくなる

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意味の意味

すべてが記号だとするなら、記号が持つ意味もまた記号であるというパラドクスに陥る。
意味の意味なんてありはしない、記号の使われ方が意味と呼ばれているだけだ、ウィトゲンシュタインによれば。
意味という記号の使われ方で泥沼に堕ちてゆくのは、ある意味で意味がない。
それでも僕は意味そのものをつかまえてみたかった。
だって意味を理解した瞬間って、たしかに何かが起きているでしょう?

大いなる飛躍

世界は記号。
記号はどこまでも記号のはず、そこに意味が発生する瞬間。
それはたとえば無生物世界に生物が誕生した瞬間のような、大いなる飛躍がそこにはある。
記号世界から意味世界への飛躍。
このあいだには何が?
人間もコンピューターも、ただひたすら記号を処理するだけの存在。
コンピューターの内部には、生成された映像を見たり音声を聞いたり文字を読んだりする何者かは存在していなさそうだ。
人間の内部にはそ

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