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【自己紹介】名刺がわりの小説10選

Twitterで読書垢の方々がよくやってる企画です。

読書垢の方々がこれだけ読めて、これだけ推せるんだから、書き手の私はもっと頑張らなきゃ!と思って、選んでみました。選ぶの意外と大変・・・1ヶ月くらいかかった気がする・・・

1 山田詠美 ぼくは勉強ができない

高校生のときに、町の図書館で初めて読みました。図書館にある詠美さんの本は、あらかたすべて読み尽くしたような気がします。閉塞感を強く感じていた高校時代、その自由な思想に強く救われました。詠美さんの本を読まなかったら、今、小説を絶対に書いていなかった。そう言い切れると思います。私にとって、今でも一番大切な作家です。

2 村上春樹 IQ84

とにかく世界観と文体がとてつもなく好きなのです。チューインガムを頬張るように、定期的に本を買いたくなり、読みたくなります。いかに同じような話が続いても、それでもなおその居心地にしがみついてしまう。IQ84は、特に夢中になって、嵐のように読破しました。大学生のときに粋な友だちに勧められてノルウェイの森を読んだのが最初でした。

3 大崎善生 アジアンタムブルーなど、一連の小説群

一作をうまく選べません。全体的にこの人のやっていること、描いている世界が好きです。それが小説であっても、ノンフィクションであっても。将棋の世界を描いた作品が有名ですが、私は自分の世界を真摯に執拗に突き詰めた小説群が好きで、強く影響を受けた気がします。

4 絲山秋子 ばかもの

絲山さんも全体的に好きで追いかけている作家です。少し退廃的な物語に加え、自身でも躁鬱病を患い、闘病しながら、躁鬱と共存しながら、自分のペースで書いている姿勢にシンパシーとリスペクトを覚えます。この作品は、内田有紀と成宮寛貴が主演して映画化されました。これまでの刹那的な短編を超えて、持続する確かで儚い愛のかたちが描かれたのが好きなポイントです。

5 鷺沢萠 F 落第生

私は本名を「めぐみ」と言うのですが、同じ「めぐみ(めぐむ)」ということも興味をもったきっかけかも。若くして文壇に現れ、抑うつに苦しみ、自殺でこの世を去った人で、作品だけでなく生き様にも憧れました。この短編集は映画化もされて、人生の落第生だちが少しずつ希望を見つける、またはあっという結末を迎える作品で、今の私の小説執筆にも影響を与えているかもしれません。

6 瀬戸内寂聴 夏の終り

衝撃を受けた私小説です。戦後という時代背景にも惹かれたし、主人公の女性の業の深さにも焦れながら強く魅了されました。満島ひかりが、とても艶やかに哀しく演じきっていたことを鮮明に覚えています。私もいつかこんな小説を書いてみたいです。

7 村上龍 限りなく透明に近いブルー

一度しか読みたくないですが、一度読んだら二度と忘れられない本だと思います。とにかく酒と女とゲロしかないひどい小説。でも、一瞬、光が射して、その光のまぶしいこと、まぶしいこと。それが鮮烈に、胸に残ります。龍さんは他の作品もたくさん読みました。また小説を書いてほしいです。

8 J.D.サリンジャー ライ麦畑でつかまえて

先日、伝記映画も観ました。自分の閉じた世界に徹底的に閉じこもる姿に共鳴しました。サリンジャーの小説は訳の力もすごく強くて、とにかく語り口が好きです。退廃的な世界観とクセになる心地よい語り口があれば本は何冊でもいけるクチです。今、イタリア語で書かれたという小説を読んでいますが、海外翻訳小説に目覚めたのもサリンジャーが初めてでした。

9 又吉直樹 劇場

花火はもちろん読みましたし、素晴らしい作品であることは間違いないですが、私のツボを一番突いたのはこの二作目でした。どこにでもありそうな恋が、誠実に書かれていて(実際の自身の経験も反映されているようです)、それが妙に胸に染みました。甘くほろ苦い恋と青春。私の好きな恋愛小説のツボが全て詰まっています。芸人と小説家の二足のわらじで書いているという点も、小説と音楽をやっている自分には響くものがあります。

10 桐野夏生 I'm sorry,mama.

胸がすくような、痛快な犯罪劇です。ここまであけすけに全部やられると一気に読むしかありません。人がタブーと思いながらもどこか憧れる、そんな欲望を見事に切り取り、鮮やかに突きつけてくる作品。こんな小説をいつか書けたらと思いながら、清純派の殻をなかなか破れない私です。

次点

原田マハ 楽園のカンヴァス

夏目漱石 こころ、坊っちゃんなど一連の作品群

太宰治 人間失格など一連の作品群

カズオ・イシグロ わたしを離さないで

文藝など文芸誌に載っている作品での掘り出し物

札幌の文学シーンでの掘り出し物

などなど。

長くなりました。好きな本は夢中で語ってしまいますね。

こんな本や作家に影響を受けて朝伊ミチルは書き続けています。




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朝伊ミチル
いつの日か小説や文章で食べていくことを夢見て毎日頑張っています。いただいたサポートを執筆に活かします。

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