見出し画像

【ライブレポ】OTO NO SUKIMA@TWLV

11月30日(土)、帰省から帰って3日目の夜、不完全な身体と心を引っ張ったまま私は勇気を出してすすきのへ飛び出した。

ずっと見てみたかった、聴いてみたかった、MUTOさん主催の音楽イベント。アンビエント~エレクトロニクス~ノイズ音楽の演奏、セッション、それに映像やライブペインティングが絡みつく実験的な夜が、札幌を中心としたあちこちで定期的に行われている。このイベントを知って、すぐにでも行きたかったけど、体調不良で10月はまだ行けなかった。11月、まだ体調は悪かったけれど、ライブ鑑賞には問題ない。満を持して行くことができる。

TWLVに向かう。すすきのエリアは苦手、またも迷ってしまう。寒い中、街中で迷うとつらい。迷ったときはスマホアプリの地図を頼る、それでもダメなときはとにかく人に聞くに限る。説明の終わりに「OK?」とだめ押しされた。アジア系外国人観光客に間違われたらしい・・・

18時頃、TWLVに着いた。会場にはMUTOさんをはじめ出演者、それに客が5人くらいいた。もうイベントは緩やかに始まっていて、セッションが繰り広げられている。観客たちは、皆慣れた様子で気ままで、座って聴いたり、立ってスマホ片手に聴いたり、歩き回って出演者たちの演奏する様子や機材をじっくり見たりして、決まった見方はない。私はそんな周りの皆の様子を注意深くうかがいながら、まずは座ってコートを脱いで、ジャスミンティーを頼み(ノンカフェインドリンクがあったらありがたかった)、それをちびりちびり飲みながら、きょろきょろと出演者たちを見て、それからうろうろと機材を見て歩いた。混沌とした心象風景を映し出すような演奏。演者たちがそれぞれに火花を散らして、ときに共存し、ときに戦う。

ポップな雪だるま、演奏者たちの影、雪など、さまざまな映像が画面に投影されて、セッションを照らし出す。それが楽しくて、しばらく映像ばかり目で追っていた。今回は演奏を聴くのと同じくらいVJを楽しみにしていた。やはりおもしろい。

画像2

TWLVは、こじんまりとしていて、必要最低限のものだけ揃っているという感じの会場。もっと大きく豪華なクラブを想像していたが、中に入って慣れると結構奥行きを感じられた。音楽イベントをするにはちょうどよさそうな大きさ。

皆の機材も一応撮ったがアップしてよいものかわからないのとどれが誰のものなのかわからなくなったのでもったいないけど掲載しない。


最初のセッションが終わって、休憩。MUTOさんが「休憩です」と言うなり、みんなが火が付いたようにしゃべり出す。まるで、しゃべりに来たかのようだ。休憩もひとつの見せ物、おしゃべりも音の構成要素であるかのようだ。パートナーや友人とふたりで来ている人が多い。ひとりで来ていても、このような音楽シーンに友だちがいて、そこで話の輪ができて盛り上がっていたり。居場所がない。初めて行ったのだから当たり前だけど。ゲストのisomekiさんに勇気を出して話しかけてみて、ひとしきり話して(isomekiさんの機材について訊ねてみた)あとはひとりフワフワしていた。まあアウェイなんてそんなもんだろう。


サックスのkim yooiさんの時間。セッションで演奏していた演者たちも観客と一緒に混じって演奏を聴いていた。

大学でクラシックを学んでいたというのがどこか下地にあるのか、これまでのセッションの様子とは少し違って、クラシックっぽい印象があった。静寂とか、美しさとか、心地良さとか、そんなキーワードが浮かぶ。うっとりするような時間。そして圧倒された。ずっとkim yooiさんの演奏を聴いてみたかったからやっと聴けてよかった。

次の休憩ではMUTOさんが上手に気を回してくださってそのkim yooiさんたちの会話の輪にたまたま加わることができた。だんだん会話も楽しくなってきた。でも、アウェイなのは変わらない。


やっと休憩が明けていよいよ主催者のMUTOさんの時間。

MUTOさんの演奏中、夢中でたくさんメモをとった。初めて北の病展で聴いたときより、どっぷり内面に迫っていく感じ、攻めていく感じ。かなり混沌としている。心の内側をえぐるような深いノイズの洪水が迫ってくる。まるで音の山麓のよう。映像もそれにリンクしてダークな色調。よどんだ空気が、音色の変化で、艶やかさを次第に増していく。アップダウン。まるで雪崩。壮観なサウンドスケープが広がっていて強く魅了された。

体力的にそろそろ限界(胃腸炎の3日目だった)なので次で帰ることに決める。

MUTOさんの演奏が終わってすぐにセッション。これもまた混沌として重い感じで音が積み重ねられていく。「私はトランジスタ」というボイスが印象的に使われる。うずたかく積み重ねられたノイズ音の中にkim yooiさんのサックスが入ると途端に様相が変わり始める。ビートは高揚していくがサックスは静謐としていて混沌を極める。可愛い女の子が、書道の道具を手にとって、MUTOさんに何か頼んで、書き始めたと思ったら、それがライブペインティングのQiAさんだった。ライブペインティングを見るのは全くの初めて。不思議で面白い体験だった。カオス。


セッションが終わって休憩に入ったのでここで帰る。イベントは23時まで続いたようだが、私は18時から20時半近く、2時間以上の参加で初めてにしてはなかなか頑張ったほう。座れたので助かったかも。寒い中、胃腸炎で本調子ではない中、頑張って来て本当によかった。想像力や創造力が高まる時間だった。

また来よう。MUTOさんのイベントに継続的に通おう。


昼が胃痛で食べれなくて夕食のおかゆが16時になったんで帰ったらお腹が空っぽ。このままじゃ眠れないのでルイボスティーに牛乳を入れてルイボスミルクティーを作って飲んだ。

IMG_0716ルイボスミルクティー

結局寒くて眠れなかった。

いつの日か小説や文章で食べていくことを夢見て毎日頑張っています。いただいたサポートを執筆に活かします。