第一回 有機ゲルマニウム研究会 臨床報告会
ゲルマニウム臨床研究会
アサイゲルマニウムが世に出て57年の歴史の中で、過去に大きな2つの研究会が存在しました。機能を持つ素材を研究し、その本質を探るのは未解明の性質を持つ物質には有効な手段でしょう。ゲルマニウム臨床研究会は、その臨床使用での経験を臨床医たちがシェアし、より良い使用方法を模索する場でした。
これに先立って、ゲルマニウム研究会という研究会が存在し、主に大学病院の臨床医や大学の研究者が参加し、臨床研究(いわゆる治験;医薬品としての開発)の状況シェアや、基礎的な動物実験のデータが報告されたことが、研究会の記録から分かります。回数を重ねる中で、臨床に関しては特化した研究会に独立し、ゲルマニウム研究会では主に基礎研究の報告を行うようになっていったようです。
アサイゲルマニウムは医薬品にするべく、30年もの期間をかけて研究・開発され、後者のゲルマニウム研究会は第20回(平成3年,1991)まで継続されました。作用は間違いなくあるものの、決定的な薬効とメカニズムが明らかにされないまま、類似化合物(重合の仕方が異なるTHGPの結晶)であるプロパゲルマニウムが慢性肝炎の治療薬として認可されてしまうという事になりました。プロパゲルマニウムの開発はアサイゲルマニウムの研究を一緒に行っていたグループから発生しており、浅井ゲルマニウム研究所としては、してやられた・・・という状況だったようです。ぼくは入社前のことなので詳しくは見ていないのですが、法廷でも争ったものの、(結論としては)物質構造が異なるので仕方がなかったという事になります。
結局は、この"先を越された"ことが全ての変化を引き起こしたことになるのですが、最終的に食品になってしまったミラクルは良かったと・・・今やっと思えます。
そんな訳で、臨床系に別れた分科会のような立ち位置だったと思われるゲルマニウム臨床研究会は1996年(平成8年)まで継続され、全14回で終了になりました。第15回は翌1997年の秋に予定されていたのですが、春に浅井ゲルマニウム研究所に厚生省の告発で警視庁が入り、医薬品開発も臨床治験も全ては終了となったのです。
それからの冬の時代(笑)いつ会社が倒産するともしれず、不安とともに、苦難の日々を20年以上過ごし、『アサイゲルマニウムとは何なのか?』にも記した資産も売却して覚悟もしていた時に奇跡の出会いとともに、別の世界が現れたのです。
有機ゲルマニウム研究会の設立へ
奇跡の出会い、とは中村篤史医師との出会いでした。過去記事に度々記しているので、ここでは繰り返しませんが、篤史医師の赤ヒゲ的な奉仕的精神での医療へのスタンス(よく拝金主義と思い違いをしている人がいますが全く違います)に感激し、また浅井ゲルマニウム研究所の会社としての思い・スタンスにも共鳴してもらって今があると思っています。
そうだ、ここ、もう少し踏み込んで書いておきましょう。
篤史先生はオーソモレキュラー医学に取り組んでおり、基本は完全な自費(自由)診療です。このあたりはご存じの方も多いでしょう。その診療費用はかなり高額になるのも自明の理です。つまり、保険診療ではないから、健康保険からの補填はなく、全額を患者が負担するわけです。保険診療に慣れきった日本人は医療が安いものだと思っていますが、実際は病気にならない人からの保険負担金を奪い取っているにすぎず、例えば1割負担という高齢の方々なら、本当は10倍の医療費がかかっていて、社会の皆さんの負担で診察してもらい、薬を受け取っているわけです。その挙げ句、薬を飲まない、ということもあるでしょうし、薬が合わず(副作用や効果なし)で無駄になることもあるでしょう。
本当は、病気になってばかりの人は(身体が弱い人もいるので仕方ないですが)、病気にかかりにくい生活というのを心がけたほうが良いでしょう。でも、結構な確率で「医者に行って薬もらえばいいや!」という安易な人も多いのではないでしょうか?
そんな人は、健康に留意する人を健康オタクとしてレッテルを貼り、少々馬鹿にしていたりする。そんなことが日本で多々あるように感じています。
でも、篤史先生はオーソモレキュラー医学に基本を置いており、医療の父といわれるヒポクラテスの「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」に通ずる食事指導を患者さんにしっかり行っている。つまり、そういう食事を心がければ病気の多くは避けられるわけで、多額の医療費を必要しない方法を伝授しているに他ならない。
篤史先生は高額なサプリも無駄に奨めることをしない。でもアサイゲルマニウムは結果がでるために必要なので、高いけれど少量をベースとして勧めているのだという。高額な他のサプリでも、安価で質の良いものを調べて勧めている。
何より、自分の知識をSNSで惜しみなく教え、フォロワーの健康が向上するように願っている。「そんなマル秘事項を教えちゃったら患者さん来なくなっちゃうんじゃない?」って思うことしばしば。でも、もちろんそんなことはない。しかし、残念ながら診療を受けずにネット情報だけで良い効果にたどり着けないファンも多いようだ。ぼく自身、そういう方々とも結構会ってきた。
結局、篤史先生は診療で総合的に見立て、このような状況だから、これとこれを合わせて処方し、どのくらいの使い方をする。というのを行っている。だから症状が良くなる方も多い。根本を変える生活スタイルも伝授するから、再発もしにくい。結局はトータルで見れば総合的には安価になる。
一般の標準治療・保険治療で治らず、むしろ副作用で他の薬がどんどん増える。高齢になったら、ある意味で薬漬けのような多剤併用のおじいちゃん・おばあちゃん多いですよね。そうならないためには?どうすればいいのか。そんなことまでしてくれるのが、篤史先生なのだ。
しかも、保険適用で皆さんが負担してくれてるから、湯水のように薬が充てがわれるのだ。社会全体の医療費としては逆に高くなっている。医療費の増加について、ネットで調べれば簡単に分かる。昨今、日本の医療費は著しく増えています。健康保険制度も現行のままでは立ち行かない。当たり前です。とんでもない高額の新薬が次々に出され、使われるから、積み上げた保険金がみるみる崩されるわけです。もはや保険制度は破綻していると言えるでしょう。そうなった時、本当に大事なのは、根本的な解決・治療なのだろうと思います。
浅井ゲルマニウム研究所のスタンス、それは多少なら赤字になったとしてもアサイゲルマニウムを供給し続けるというものです。つまり、儲け一辺倒ではない、一般の企業からは考えられない・・・というか、あってはならないスタイルだろうと思います。
企業は、そのサービスにより与える価値(社会貢献)の対価を得て、分配し、新たな活動により価値を生む。その循環を成長させていく、ないしは維持していくことが重要でしょう。もちろん、限界がありますから、永遠に赤字というわけには行きません。でも、10年以上に及ぶ赤字が実際にあっても利益の少ないまま製品を提供してきました。販売会社(弊社からアサイゲルマニウムを購入して製品を作って販売する企業)が新たに参入しようとする時、大抵は利益率が低すぎるから商売になりません!と叱られます。
でも、健康のためにと高価な製品を購入し、使い続けてくださってきたユーザーさん、支援者の皆さんに応えていきたいので、踏ん張り続けるでしょう。(再度・・・限界はあります(笑))
そんな、両者の思いの中で、篤史先生がアサイゲルマニウムを使うようになり、奇跡を様々目撃し、より積極的な使用に進んでいったわけです。2021年の春だったと思います。コロナ禍まっさかりのGWの函館に篤史先生がパートナーさんと来られ、研究所を案内し、本記事の最初に記した研究会についてのことを伝えて、秘伝の研究会記録をお見せしたところ、先生の心のなかに火が灯り、あの全盛だった当時を復活させ、盛況だった研究会を再興したい!と燃え上がっていったように聞き及んでいます。
その後、『奇跡の有機ゲルマニウム』を出版し、運命の歯車により思っていたよりも早く『有機ゲルマニウム研究会』を立ち上げることになりました。
実は、そんなことを内輪で話しているさなか、Twitterに『有機ゲルマニウム研究会』のアカウントができているのを、偶々ぼくが見つけました(きっと偶々ではなく天の配慮でしょうが)。ナカムラクリニックに連絡し、「立ち上げましたか?」と聞いたところ、「まだですよ」との返事。そこで大慌て(冷汗)になり、調べた結果、関わりのあるアサイゲルマニウムファンの方が”たまたま”その名称で始められたと分かったのです。無理を承知で、事情を説明し、かなり不愉快だったろうと思うのですが、理解してくださって名称変更して譲っていただきました。お名前は記せませんが、本当に感謝しております。そして、これを機会に当該ファンの方とも親しくなることができ、ぼくにとっては本当に良かったと思っています。
お譲りいただいたので、他で使われてしまわぬよう、急いで使用実績を作らざるを得ず、体制が整わない中でしたが複数SNSの当該名称アカウントをおさえてスタートすることになりました。
研究会メンバーおよび顧問
研究会を始めるに当たり、篤史先生もぼくも知識が少ないし、アドバイスいただける方を得る必要がありました。研究会のメンバーは、資格として医師・歯科医師・獣医師に当面限定することにしました。これは篤史先生サイドからの希望です。ぼくも誰でもというと収拾がつかなくなるので、良いと感じました。当然ながら、ぼくはこれらの資格を持ち合わせず、しかもメーカーの立場なので入らない方が良いと思っていました。
このような研究会を実施するにつけ、篤史先生の師ともいえる国際オーソモレキュラー学会の理事長である柳澤厚生先生に顧問に就任していただけないか2022年の10月に篤史先生と一緒にお願いに伺いました。まず、柳澤先生は篤史先生に趣旨を問われ、ぼくには物の性質や機能を質問されました。その上で、時間を区切って明確に会を設立する上で大事なことをご教示いただきました。非常に簡潔で、また理解しやすい内容で感激したのを覚えています。そして、特別顧問就任を快く二つ返事で受けてくださったのです。さらに、2023年2月に大阪の田中善先生にも研究会の特別顧問になっていただけないか、クリニックに訪問して就任していただけることになりました。お二方の特別顧問就任で、大船に乗ったつもりの私たち。
その翌週、有機ゲルマニウム研究会の最初のWebミーティングを開催、無事大船は船出したのでした。
有機ゲルマニウム研究会の成長
立ち上がって間もなく、有機ゲルマニウム研究会が広まるきっかけとなったのが、2023年秋に横浜で開催された国際栄養医学シンポジウムでした。このシンポジウムの主催者は柳澤厚生先生で、ここで有機ゲルマニウムを紹介する講演を中村篤史先生に依頼されていたため、そこで初めてアサイゲルマニウムについて知る先生方が与えられたのです。しかし、前記事に書いたように篤史先生の潔さが過ぎ、そもそも進行が押していたため時間が足りなくなってしまい、そのまま中止してしまったのです(笑)こんなところも篤史先生のカッコよさの一つだろうと思います。
次の機会は日本先制臨床医学会が札幌で行われました。たしか翌月だったように思います。ここでランチョンセミナーにてアサイゲルマニウムのことを篤史先生が講演してくれたのでした。
そんな頃と前後して、研究会は大きな企画として2023年の9月末、いまから丁度一年前に函館ツアーを企画し、製造の現場であるアサイゲルマニウム函館工場(アサイゲルマニウム原末の製造とカプセル製剤の製造工場)と、現在ぼくの担当となっているR&Dセンター(函館の研究部門実験設備)を実際に見学していただこうということになりました。幸い、参加者と天候に恵まれ、遠路お出かけくださった先生方は親しくなることができ感謝の機会でした。
こうして、アサイゲルマニウムを知る医師・歯科医師・獣医師は徐々に増えて行き、設立一年を過ぎる頃には全国で百名を数えるまでになったのです。
人数が増えるにつけ、必要になってくるのは組織です。小さな数人でのコミュニティーでは適当で良かったものも、大きな組織になったときには組織全体としての理念や、それを実体化していくためのマネジメントも必要ですし、組織運営の秩序や情報の伝達、共通理解、が必要になります。
この人数になり、研究会の運営を担っていってくれるメンバーを決める必要が生じました。
2024年に入り、ボードメンバーを5名にして、この先生方を中心に研究会を進めていこうと決められました。そうして決まったのが、篤史先生のほかに石井万寿美先生(獣医師)、倉増則宏先生(歯科医師)、佐々木巌先生(医師)、矢野信吾先生(医師)になります。
ちなみに、ぼくの立場は前述した通り研究会のメンバーになれない資格なしです(爆笑)そんなわけで、入らないで外から必要に応じて支援します!と申しましたが、却下され・・・協力会員という勝手な立場を作って名を連ねさせていただくことになりました。ぼくの役割はアサイゲルマニウム・有機ゲルマニウム・無機ゲルマニウムの基礎研究の情報や安全性・毒性の問題などを可能な限り正確に伝えて、安心して患者様方に奨められる礎を作るということだと心得ています。(各メンバーは以下をご参照ください)
ちなみに、他の記事にも記したのかもしれませんが、有機ゲルマニウム研究会に所属し、知識を蓄えつつ、医療の現場で実践的に応用に取り組まれている先生方・クリニックを紹介したページがありますので、この記事をお読みになっている皆さんの住まいの近くはどんな状況か、確認することも可能です。
第一回 有機ゲルマニウム研究会 臨床報告会の開催
さて、昨年の函館ツアーの記事を読まれた読者の皆さんは覚えておいでかもしれない。第一回の報告会の場所がどのように決まったか・・・。
結局、初志貫徹で椴法華の恵山脇にあるホテル恵風にて開催に漕ぎつけました(笑)ただし、かなり参加状況は困難を伴うので、最後まで心配が付き纏いました!実際、開催日が近づいてのキャンセルも多くありました・・・とっても残念 (ノД`)シクシク
とにかく、会設立後の最初の報告会であり、第一回と銘打つので長く継続していく必要がある。初回を失敗に終わることなく準備し・終わらせることは非常に重要なミッションでした。そのためには函館という地で初回を行うのは、ある意味では必須だったと思っています。本来なら、函館の市街地のホテルで催しに慣れている所で開催するのがベターなのですが、そこは”水無海浜温泉”ありきでwww
ぼくの行きつけのホテルでもあり、温泉の良さは折り紙付き。食事も海鮮が素晴らしく、美味しさも間違いない。欠点といえば、あまりにもアクセスが悪い・・・浅井ゲルマニウム研究所からは1時間15分程度、函館空港からは1時間5分程度、函館駅からは1時間20分程度といった感じ(いずれも自家用車)だろうか。それでも、それに勝る良さがあると信じていました。
有機ゲルマニウム研究会は、ほぼ毎月定例のZoom会議がオンラインで行われています。アサイゲルマニウムについてのレクチャー、基礎研究の紹介、過去臨床研究の結果の紹介、そして最新の臨床報告を代表の篤史先生始め、結果がでている好症例をシェアしていただいています。そのミーティングで2月から暫くの間、第一回臨床報告会の開催について紹介を繰り返し行ったのです。
結論から言うと、非常に良かったですが、やはり準備が大変なのと参加者に非常に負担になるので次回からは都市部でやりましょう!という事になりました。
そして、懇親会の終了後に希望される先生方と入った夜中の水無海浜温泉!6名ほどで真っ暗な中で、藻の生える滑って出られなくなる(笑)湯船に浸かり、天の川を見上げながら、時折流れる流星を競って探し、時の経つのを忘れて過ごした経験は二度と出来ないことなのだ、と思いました。
そのような貴重な時間を、初回の参加者の先生方と共にし、これからの研究会を期待する良い機会になったのは幸いでした。
臨床報告会
開催についての概要を紹介する都合で内容が前後してしまいましたが、臨床報告会の発表内容をここで少し・・・実は、当初は10演題を予定していました。使われている先生方は多くいますし、集まるかなぁと思っていたのですが、そこは僻地であることが妨害したように思います。
結局のところ、演題は6題に。発表してくださったのはボードメンバーを引き受けてくださった4名、そして特別講演ということで、ぼくと代表の篤史先生が発表しました。もちろん、ぼくは臨床家ではないので、臨床の先生方に役立てていただけそうな情報、最新研究を紹介させてもらいました。
少しだけ内容をシェア。
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