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アサイゲルマニウムと免疫~その2

昨今のアサイゲルマニウムの免疫分野研究

さて、前記事に続いて『アサイゲルマニウムと免疫』について、昨今の状況を示していきたいと思います。ぼくの無能ぶりから長年遠ざかっていた・・・というか避けていた・・・免疫に関する研究ですが、食品として口から摂取した時の変化として、ぼくが研究していた遺伝子発現網羅解析で、アサイゲルマニウムを一日食べさせたマウスの肝臓の遺伝子発現変化が最も大きかった一つが免疫に関するものでした。
ざっくりと大きく動いていた(増えていた)遺伝子のうちの41個が免疫にかかわるものでした。それは免疫への影響が非常に強いことを意味しているものです。
Int J Vitam Nutr Res. 2014;84(3-4):183-95., Nakamura et al.
https://econtent.hogrefe.com/doi/10.1024/0300-9831/a000205
そして、老化赤血球の除去(代謝)というぼくのライフワークも結局は肝臓の食細胞であるクッパ-細胞がキーだということになり、現在も後輩たちが研究を継続してくれています。さらには、もう一つのぼくのライフワークだった生体内のアサイゲルマニウムが作用する相手分子の研究も、調べて行き着いたのが免疫に大きく関わる分子が対象になっていたのです。
ぼくの研究でターニングポイントになったのは、2015年発表の
Future Med Chem. 2015;7(10):1233-46., Nakamura et al.
Organogermanium compound, Ge-132, forms complexes with adrenaline, ATP and other physiological cis-diol compounds.
https://www.future-science.com/doi/10.4155/fmc.15.62?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed
です。
要するに、アサイゲルマニウムを水に溶かした時の単分子であるTHGP(トリヒドロキシゲルミルプロパン酸)は、アドレナリンやATPなどの生理的なCis-ジオール化合物と結合性があります(作用性を持ちます)。という内容の研究で、物質レベルで化学的に間違いなく反応することを証明したものになります。これ以降、このCis-ジオール化合物に含まれる分子を使った研究は、ほぼ外れなく生理作用を確認できるようになったのです。
おそらく、これを読んでくださっている皆さんの多くの方々が、アドレナリンやATPが何をしているのかまでは知らなくても、非常に有名な(生命にとって重要な)分子なので、名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

インフルエンザとアサイゲルマニウム

その中で、北海道大学遺伝子病制御研究所が共同研究して明らかにしてくださったのが、RNAウイルスであるインフルエンザへの二重の抑制機構を示した研究論文です。
Viruses. 2021 Aug 24;13(9):1674. doi: 10.3390/v13091674., Baidya et al.
Dual Effect of Organogermanium Compound THGP on RIG-I-Mediated Viral Sensing and Viral Replication during Influenza a Virus Infection.

こちらは浅井ゲルマニウム研究所で概略はニュースレター化しているので、日本語で見ることができます。
https://www.asai-ge.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/10/vol7.-AG%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC_%E5%8C%97%E5%A4%A7%E9%81%BA%E5%88%B6%E7%A0%944%E3%80%90Fin%E3%80%91.pdf

インフルエンザの感染において、そのRNAである5’-3pRNA(前述したアサイゲルマニウムが作用する相手であるCis-ジオール化合物の一つ)という特殊なRNAとTHGPが結合し、インフルエンザおよび3pRNAを有する牛口内炎ウイルス(VSV)なども増殖抑制するとともに、炎症を引き起こす分子(サイトカイン)の産生を減弱します。それによって、感染に伴う肺炎の劇症化によるコンソリデーション(新型コロナで話題になった劇症肺炎で間質性肺炎を起こしてレントゲン像が真っ白になる状態のことです)を抑制できるという基礎データになっています。
なお、VSVに関しては前記事に登場の映画『驚異の生体防御』の中にも出ており、実に40年の時を越えて、なぜ抑制するのか?というメカニズムが明らかになったわけです。

アサイゲルマニウムによる炎症抑制

インフルエンザやVSV感染による肺炎(炎症)の劇症化抑制について、3pRNA とTHGP(アサイゲルマニウム)の作用によることを述べましたが、このようなウイルス感染症以外にもCis-ジオール化合物との作用性が炎症抑制につながることを最近明らかにしました。
昨年(2022年)11月に論文発表された研究で、
Int. J. Mol. Sci. 2022, 23(21), 13364, Azumi et al.
The Organogermanium Compound 3-(Trihydroxygermyl) Propanoic Acid (THGP) Suppresses Inflammasome Activation Via Complexation with ATP.

があります。こちらは、ウイルス感染によるものでなく、様々な感染や物理的・化学的傷害により細胞が損壊した時に、細胞の活動エネルギーであるATPが細胞の外に漏出すると、自然免疫細胞のマクロファージがこれを感知し、免疫が働きやすくするために引き起こす炎症(因みに、この炎症が罹病した時などの発熱の原因です)に対して、THGPとATP(Cis-ジオール化合物)が結合性を持つことで抗炎症作用をダイレクトに引き起こせることを示した研究論文です。
様々な状況により過剰になった免疫反応で、炎症を抑制してくれるはずだということが改めて示されました。但し、従来の医薬品のようにガッチリ阻害するのではなく、炎症を緩和して弱めてくれるという程度です。それで、副作用が出にくい、というのがアサイゲルマニウムの良いところだと思います。
こちらの研究の内容も日本語で概略を示した浅井研のプレスリリース記事を御覧ください。
https://www.asai-ge.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/11/AsaiGermaniumResearchInstitute_PR20221124.pdf

アサイゲルマニウムによるマクロファージのM1分化促進

アサイゲルマニウムによるマクロファージの活性化は古くから判っていました。この記事の最初の方に記しましたが、1980年代の前半・・・今から40年前には東北大の研究グループを中心として様々な論文が出されています。
しかし、前述の通り、ぼくの免疫研究に対する苦手意識のせいで(汗)免疫細胞の研究は停滞していました。しかし、数年前に浅井ゲルマニウム研究所に入社した博士研究員の安積遵哉くんの癌や免疫の研究に対するモチベーション・興味によって、改めて自然免疫細胞の研究に着手しました。
前の項目に示した細胞もマクロファージ化させた細胞を使った炎症に対する研究なのですが、ある日、もう一名の博士研究員で生物室長の武田知也くんが「RAWにTHGPをずっと添加して培養してたら形態が変わっちゃったんですけど」と、不思議なことを言って来ました。これを聞いてぼくは細胞の性質が変化(分化)して別の能力の細胞になったのだと直感しました。それは、過去にぼく自身が細胞を培養する条件を間違った時に、細胞が神経突起のようなものを出して全く形が変わったのを経験していたからです。
安積くんは免疫細胞についてよく勉強していて、その細胞の特徴である形態変化を文献で読んだことがあり、「マクロファージがM1タイプに分化したんじゃないかと思います」と提言してくれました。
早速、細胞を安積くんに引き継ぎ、マクロファージのM1、M2分化へのアサイゲルマニウム長期添加培養の影響を評価してもらいました。

その結果、アサイゲルマニウムが長期間存在していることで細胞がM1という異物への処理能力が高い細胞に変化することが明らかになりました。さらに、このM1細胞の癌細胞への攻撃性を高性能な培養顕微鏡で観察したところ、前述の記録映画『驚異の生体防御』にあったように、マクロファージがB16メラノーマ癌細胞を攻撃し、さらにはアサイゲルマニウムでM1に分化した細胞では癌細胞の身体である細胞質を食いちぎり、殺傷してしまうこともわかりました。
https://twitter.com/i/status/1617742780713046016

この癌細胞への攻撃性は、アサイゲルマニウムの長期培養で獲得されるマクロファージの機能ですが、詳細に調べた結果、癌細胞とマクロファージの間の免疫回避機構(癌が免疫からの攻撃から逃げ延びるあざとい能力)のひとつである”Don't eat me(わたしを食べないで)signal"が減弱することによるものだと判ってきました。
https://www.asai-ge.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/01/ijms-24-01885-M1Macrophage-_PR-20220118f.pdf

さて、このようにアサイゲルマニウムは自然免疫細胞、特にマクロファージに対しては直接・間接ともに作用できることがわかりました。しかも、免疫反応を促進するだけではなく、ブレーキ的な抗炎症作用も明確に機能することが証明されました。
過去の研究成果を知らない研究者に説明する際に、このような相反する二面性を持って免疫調整機能があると言うと、胡散臭がられたのを思い出します。しかし、こうして地道に研究して機能を突き詰め、作用する相手分子を見つけて反応を予想すれば、全く矛盾しないスマートな機能性なのだということが見えてきました。
さて、このプレスリリースの最後にこう記しています「本研究の結果は、アサイゲルマニウム®がマクロファージの分化誘導剤として新たな免疫療法につながることが示唆されました。今後はヒト免疫試験を実施し、アサイゲルマニウム®のさらなる有効性を確認していく予定です。

浅井ゲルマニウム研究所は小さな企業で、仕事で会う方々には「商売下手な会社だねぇ」と呆れられます。利益も十分に上がらないスタイルで細々と事業を続け、安全性第一で様々な高額の毒性試験を55年行い続けて、売上につながらない(販売の宣伝として使用できない)機能研究を延々と行い続けて、今に至っているからです。他にも商売下手といわれる所以はあるのですが、それは書かないでおきます。
ぼくたち浅井ゲルマニウム研究所のポリシーのひとつは、浅井先生が人生をかけて「人類の健康と福祉の向上」のために創り上げ、残された、このアサイゲルマニウムという類まれな物質を、必要とされる方々に価値あるものとして安心してお使いいただけるようにすることです。
これは、他社での有機ゲルマニウム製造販売とは全く異なる点だろうと思います。パイオニアとしての矜持とでもいいましょうか。今、やっと”安全性”という問題に大きな費用をかけていかなくても、食品としての摂取に問題のないものであるという状況が整いました。

そこで、取り組んでいるのが、ヒトが食品として摂取した時に、身体の機能の維持向上に役立つのか・・・。という課題です。
基礎研究ばかりで、本当にヒトにとって摂取する意味があるものなのか・・・?懐疑的に見ている方たちから指摘され続けているものです。これに終止符を打つために、取り組んでいます。
まだ多くはお伝えできませんが、非常に素晴らしい作用が認められています。ぼくたちはデータを吟味して、更に自信を深めているところです。研究成果がまとまってオープンに出来る状況になったら、紹介させていただこうと思っています。また、新しいステージにアサイゲルマニウムがステップアップできると楽しみにしています。

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