すごい我慢 ㌐㌏㌧ あるいは本を出版することについて
本を出版することになった。12月19日発売予定の、エッセイ集である。イラストはつくみずさん。装丁は名久井直子さん。奇跡のような本になる。予約の数次第で会社だって動かせちゃうんだぞってことらしいので、どうぞよろしくお願いします。
ところでこの本にまつわるようなまつわらないような、ちょっと大変なことになって、このnoteを書いている。本当はこんなことをしている場合じゃない。しかし、しなければならないことのためにしなくてもよいことをする必要があるというのも、ひとつの答えなのだった。
色校(いろこう、と読む)という、色がちゃんと印刷されているかを確かめる資料が嘘みたいにデカい封筒で届いたのは、ついさきほどのことだった。
好評予約受付中とはいったものの、まだまだやることがある。具体的にはまだ本文が出来上がっていないのだった。そんなことある? あるのである。
これから文章をチェックして、どう書き換えるか、差し替えるかを決める。
具体的には18日13時までにもろもろ考えてメモしておかなければならない。その他にもサイン本(まだサインも考えていないのに)のため、まずはペンをいっぱい買ってみる。告知をがんばる。などなどたくさんやることがあるのに
組文字にハマってしまった。
㍿ ㍑ ㍍
組文字とは上のようなギュッと詰まった文字のこと。
新聞や番組表など、文字数制限のきつい分野で使われる文字らしい。
誰もがほぼ無制限にテキストを放出できる時代になったのは最近のことで、文字の歴史はいろいろな創意工夫の上に成り立っていたんだなぁとしみじみする。
活版印刷の仕組みをはじめて聞いたとき「嘘でしょ」と思ったのをよく覚えている。印刷博物館や本と活字館はとても楽しいのでおすすめです。
楽しい施設の話はさておいて、この組文字がちょっとすごい。
㍍㍍
かわいい。こじんまりとした文字の佇まいも並び方もなにもかも。
㌷㌷
良すぎる。
原稿のチェック中「メートル」か「リットル」あたりを変換しようとして、運命的に出会ってしまったのだった。組文字という存在に。
まずは組文字の一覧をながめることから始めてみよう。
㌚
なに?
かつてブラジルで使われていた通貨の単位らしい。
㌓
誰?
かつてポルトガルが発行した貨幣らしい。勉強になるなぁ。
組文字には単位や通貨にまつわる言葉が多い。数があるわけではないからすぐ見終わる。そのため次は適切な組み合わせを考えることになるだろう。
㌥
なんかの単位である。
㌋
海かなんかの単位である。これを組み合わせてみる。
㌥㌋
デカい尻……!!
思わずガッツポーズして肘を机にぶつけた。今もちょっと痛い。
組文字は面白い。そう確信した。組文字そのものの数が少なく、制限があるのが遊戯性(遊戯性?)をちょうどいい具合に高めている。
「尻」より「おしり」のほうがいいな、いい文字はないだろうか。探しているうちにたどり着く。
㌥㌋㌊㌡
デカいおしり……!!
しかし上列で読めるようにしてしまったために下の列が意味不明になってしまった。シリムング……? しかし眺めているうちにこれはこれで……という感じがしてきた。幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)みたいでかっこいい気がする。
㌺
『月と六ペンス』のペンスも来てくれた。
㌊㌡㌺㌺
おしりペンペン……!!
ムングススも、むんずと掴んでるみたいで悪くない……
もう少し進めてみよう
㌊㌡㌺㌺㌊㌡㌺ ㌺㌺㌊㌡㌊㌡㌺
すごいことになってしまった……
ムングス
スムングス
ススムング・ムングス
もう、金色のガッシュの呪文ではないだろうか。
たぶんすごく進むんだと思う。なにかが。
ちなみに好きな呪文は
『バベルガ・グラビドン』『ドラグノン・ディオナグル』
好きな十刃(エスパーダ)は『グリムジョー・ジャガージャック』です。
以上のことからも組文字は適度な制限と発展性を持ちながら、偶然の面白さもあるすさまじいコンテンツだと言える。ぜひ挑戦してみてほしい。
いやこんなことをしている場合じゃないのに立ち止まり方がわからない
我慢しなきゃいけないのに、我慢、我慢、すごい我慢、
㌐㌏㌧
こんなのもあるよ
㌘㌠㌢㌐㍐㌓㌘
むちむちガンダム
㌩㌔㌩㌔㌩㌞㌔㌻㌑
とろとろトポロジー