「MVVなんて必要ない」売上げ至上主義の営業会社CEOが、MVV刷新に全社をあげて取り組んだ理由
はじめまして。営業フリーランス人材のマッチング事業や、生成AI活用人材のリスキリング事業を行う株式会社Lis(リス)のCEO、浅井と申します。
自分は、社名を「Life Is Sales -人生は営業だ-」の頭文字から名付けるほど、営業一筋で人生を送ってきた人間です。
創業当初(2020年)は25歳と若く、また経営者としての経験も乏しく「MVVなんて必要ない。まずは会社として売り上げが上がることが全てだ。」と思い、MVVを重視せずとにかく営業支援事業一筋で売り上げを伸ばしていました。
しかし、そんな売り上げ至上主義だった自分が先日、「このままではまずい。MVVが必要だ。」と思い全社をあげてMVVの刷新に取り組みました。
今回はその背景や実際に行った取り組みについて話したいと思います。
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組織が急激に拡大|日々の業務の中でメンバーが見失ってしまいがちな「ミッション」
自分がMVVの必要性を痛感した背景には、以下の2つがありました。
1. 組織が急拡大し、 現場に理念が行き届いていなかった
株式会社Lisは、創業初期は営業支援のみに特化した事業形態でした。しかし現在は、創業3期目にして4つの事業を展開する第二創業期のスタートアップ企業です。
多くの新規事業の可能性を模索し、取り組みました。それまでは1つの事業の中での方向性のみでしたが、より新しいことに挑戦していく中でもちろん現場の業務も増えていきます。日々の仕事に忙殺され、メンバーがモチベーションを高く保ちきれず停滞した時期もありました。
そんな中、「どんな基準で、どんな方向性で新規事業を選びすすめていくのか」を、実際に現場で業務に取り組む現場レイヤーにもきちんと伝える必要性が出てきたんです。そこで、全社としての大目標、ミッションが必要だ」と感じたのが一つ目のきっかけです。
2. そもそも策定した理念自体も組織の拡大に追いついておらず、刷新の必要性があった
ではMVVが全くなかったのか、というとそうではありません。
創業初期に固めていたMVVはあったものの、それが日常の業務の中で理念を実感しきれる場面が少ないという課題もありました。
これは理念の策定とは別に、理念の浸透という課題感でもありますが、そもそも現在の組織は創業当初とは事業形態も事業の大きさやスピードも異なります。さまざまな変化がある中で、「ここだけは変わらない、株式会社Lisの根幹だ」ということが、創業当初のMVVだけでは明文化しきれていないということを感じ始めたのが第二のきっかけでした。
MVV刷新の手順と方法|過去の振り返り、現状の把握、未来のあるべき姿を考える
こうしてMVVの刷新の必要性を感じた自分が、実際に行ったMVV刷新の手順を説明します。
まずMVV刷新の大まかな基準は以下です。
細かく分けていくと以下のように分類されます。
1, キックオフの実施
まずはMVV刷新のためのキックオフを企画します。キックオフの中では、以下の3つを行います。
例として、実際にキックオフにて当社でとったメンバーアンケートの質問項目を載せておきます。
こうしてみると、実際にメンバーが会社のことをどう捉えているのか、多くのことを知ることができます。
当社の場合、自社の良さとして「スピード感、メンバーの個性、一体感、裁量権、攻めの姿勢」などが出てきました。
改善点としては「一歩引いたり、一旦立ち止まって判断することがあまり得意ではない」といった声が挙げられました。
全体として、よかった点としてはほぼ全メンバーが「売上げ10億円の突破」という目標を共通認識としてもっていることが確認できました。また「代表の浅井の夢を叶えたい」「ワクワクするビジネスをしていきたい」という声もほとんどに共通して聞かれました。
2. ワークの実施
キックオフが終わったら実際に集まってワークをします。ワークの中では、前提をすり合わせるために自社の生い立ちなどをまずは共有します。
✓創業のエピソード
✓社史 の振り返り
✓事業の転換点と今後について
これらを伝えた上で、実際にメンバーに考えてもらうのは以下の3項目です。
✓社会におけるLisの成し遂げたいこと
✓働いている上でのモチベーショ ンと、とのリソース
✓それらと、現在の事業の強みを生かした働き方とは?
✓上記2つのセッションを通じた、全社としての理念の言語化(経営者目線&現場目線)
これらのワークは、当社の場合は1泊2日の宿泊研修として行い、夜の時間なども使って全メンバーが一体となって話し合いました。
MVVの刷新と浸透のコツ|できる限り全てのメンバーが、当事者意識をもって取り組めるように
こうして、事前のキックオフと2日間の宿泊研修を通じ、新しいMVVが完成いたしました。
MVVは、時代や状況が変わっても変わらない普遍的なものです。そのためには、継続性のある言葉で表現することが重要です。
旧MVVでは「営業DX領域」と領域を限定していました。しかし、さまざまな事業に取り組む中で「これからの時代に伸びていく領域で、新しいものにもっともっと会社として挑戦していきたい」という思いが多くのメンバーに共通して聞かれました。また、それは代表である自分自身も強く思っていたものでした。
新しいMVで出てくる「ワクワク」に関しては、人それぞれ「ワクワク」の定義は違うものの、我々が考える「ワクワク」を「新しいヒト/コトへの遭遇や挑戦している時。または、ピンチやチャンス」と定義しました。
この「一般的なワクワク」とは異なる「猟奇的なワクワク」を世界に届け、Lisが関わることで全てのビジネスを前進させることで「世界一ワクワクする会社を創る」ということをVisionとして掲げました。
また、今回の刷新ではValueは変わらないままでした。実際に事前アンケートの結果をみてもらうとわかるように、自社のカルチャーの良し悪しに関してはメンバー全体での意見が一致していたためです。このように、MVV刷新への取り組みの中で「必ずしも変えなければならない」のでがなく「変わらないものもあるという」という前提で取り組むことも重要です。
MVVを刷新してみて|会社として更なる飛躍を目指して
今回の刷新では、「Lisは常に新しいことに挑戦し続け、ピンチをチャンスに変えるワクワクを体現し続ける組織であり続ける」という方向性がかたまりました。
MVVを刷新したことで、メンバーに一体感が生まれました。特に、何かの選択を迫られた際に「それは本当にワクワクするのか」「本当にワクワクするのはどっちの選択肢なのか」というような、共通言語が生まれたことが大きいです。企業全体が同じ方向を向いて目標に取り組んでいるという実感をメンバーからも聞くことが多くなりました。
MVVは、ただの理念や理想ではなく、具体的な行動指針となるものである必要があります。MVVを策定することで、企業の存在意義や目指すべき姿を明確にすることができるといいますが、その通りだと感じます。
今後は、自社が考える価値や方向性を、より社外の顧客や企業様に伝えていけるよう、発信活動にも取り組んでいきたいと考えています。
おわりに
今後も株式会社Lisは、「猟奇的なワクワク」を追い求め、Lisにかかわる全ての企業の成長機会を最大化し、利益を上げる良きビジネスパートナーであり続けます。
株式会社Lisには、他にも熱い想いを持って働いている方がたくさん在籍しています。
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