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夜の話ばっかり書いてますね。


鼓膜の中で響く声だけは笑顔でいてね。うまく話せなかったことですら愛していた。準惑星が瞬くちいさな夜、かさついた手のひらで目隠しする。あたたかな指先を独り占めさせてほしい。静かな我儘が届けるのは涙の予感と拒絶のこころ。まばたきするほど繰り返したはずのぬくもり、確かなものにはなり得なかった寂寞。柔らかな真綿の中でなら泣いても許されますか?ことばを隠した誰かの瞳、伏せたまつ毛から揺れるは深更のかがやき。

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