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ドラマ「ふったらどしゃぶり」5話の補足感想

思うに、BLドラマを見る時は、さぁBLを摂取するぞ!のBLマインドで臨むので、割となんでもありなんですよね。
男性は男性に恋するのが当たり前の世界としてみるから、それこそ周りが全員ゲイだろうが、男性カップルだらけであろうが、周りがゲイに異常に理解があろうが、それこそノンケが急に男に恋しても、つまりは全部「BLだから」で許してしまえる世界なんです。
加えて、自分は割とBLに関しては許容範囲は広い方だと思うから、そんなにモヤることは多くはない。

それがふったらどしゃぶりに関しては、一顕にはバリバリ彼女がいて、しかもかおりとの恋模様を、出会いから恋して初体験して同棲して…ってしっかり描かれていて、一顕はノンケです!!が下地にありすぎたから、所謂BLマインドが発動しないままにあの「セックスしたいです」のシーンを見たので、だいぶ混乱したんではないかと、そんな分析をしています。

つまり、女に対しての性欲を男に向けたのが生理的に気持ち悪いと思ってしまったんだと思う。たぶん…

純粋に性欲の捌け口なら、それはそれでいいんですよ、ぶっちゃけ。散々欲求不満で苦しんで溜まりまくってるの見せられてるこちらとしては、いっそもう大開放してくれの気持ちもあるから、なんならもっと激しくてもいいんやで?の気持ちなんだけど、
ただそれが男ってことで、そこいく??ってなったっていうか、一顕勃つの?っていうか、正直男相手に欲情する?ってのがとにかく大きくて、そこに微妙に相手への想いが織り交ぜられてたのがなんか上手くスライドさせられたような気してちょっとあれ?って感じだったんだろうな、とそんな風に自己分析中です。

逆に言うと、それほどしっかり人物の感情や状況を描いてくれる作品だという信頼感があったからこそ、BLマインドを発動させなくていいやとなって、それが仇となった感じかもしれなくて、それはそれで皮肉なんだけど…

だから違和感があったのはほんの一点だけ。

「ノンケの一顕は男抱けないだろ?」

ほんとこれだけなんです。
いくら秘密を共有した相手でも、苦しみを理解してもらった相手でも、=せっくすは違う。

でもそこさえ、えいやっ!て乗り越えてしまえばちゃんと感情移入できる、とても緻密なストーリーなんです。だからこそこんなにぶつぶつやってるんだけど。

で、こういう微妙な機微は小説ならやっぱり伝わると思うんです。一文字一文字綴られる文章の力はやっぱりすごいから。
しっかり行間を埋めながらじわじわと読み手の心を掴んでくる。
しかも読んでる側も脳内で都合のいいように補完するから、自分だけの世界が作れるんですよね。
それが実写となると、なかなか台詞以外の行間を埋めるのって難しいんだと思う。

今回のことも、「せっくすしたいです」にいくまでにきっと取りこぼした表情やちょっとした仕草なんかがあったのかも知らないから、もう一度ちゃんと見てみたいし、なによりちゃんと原作読めって話なのでそこはほんとすみませんの気持ちです。

あと、かおりの気持ちも正直分かるんですよ。
一緒に住んでて家族的になりすぎて相手を性の対象として見れなくなる。だからと言って嫌いなわけじゃない。むしろ大切。ちゃんと愛情もありかけがえのない人なんだけど、せっくすするのはめんどくさい。
こういう心理は結構あるあるだし、女性なら共感する人多いと思う。

まぁそれが長年連れ添った夫婦間ではなく、同棲段階で起こるのはだいぶしんどいと思うし、そんな相手と結婚しなきゃなんてまぁまぁな地獄だと思うし、例え自分がそういう気持ちでもパートナーがしたいと望んでるならそこは真摯に向き合ってあげるべきだし、つか、何よりBLの女性キャラ地雷マンだから、やっぱりかおりは許せないです。
という話でした。

おわり。

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