そんな私達にも関わらず
私はたった一度の夫婦生活で妊娠をした
結婚式を終えたばかりの当時、寂しさを感じていた私は酒を飲み
酔っていてその時のことは記憶にない
翌年の次男のときも、大して変わりはない
周りからは二人の子を持ち優しい夫と何不自由なく幸せに暮らしている妻に見えていたようだった
人は見た目では決して分からない
自分を通じてそう思った
相変わらず日常生活といえば求めては拒否され、話し合いには
「なにひとつ問題ではない」という夫の主張だった
私は次第に本音を言えなくなった
そしてその代わりに夫に対し激しい怒りを覚えるようになり、なにかといえば責め立てていった
こんなことがしたくて夫と結婚をしたわけではないのに…
私は夫と愛し合うことを心底願っていた
当たり前のようであり単純であるようなこの事がこんなにも難しいだなんて私の人生思いも寄らないことばかりだ…
一体どこへ向かっているのだろう…
兄の亡くなるちょうど1ヶ月ほど前、夫から一件のメールが届いた
夢だった別荘を借り仲間と仕事の拠点をそちらに移すのだという
自分は今、人生が楽しくて仕方がないのだということが書かれていた
私はいよいよ憎悪を募らせ激しい怒りをぶつけると共に、長男を標的にしてしまう自分に心底うんざりしながらも止められなかった
そして日に日に酒と買い物の量が増えていった
本当は、一番愛したい夫や子供を愛せない自分が悲しかった
そのことが本当に、とても悲しかった
朝になると再び兄の看護へ向かった
~一番悲しかった人が一番幸せになるために~
カウンセラー見習い勉強中 朝比奈 卵