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『Sons Of The Forest』レビュー
『Sons Of The Forest』は、洋上に浮かぶ広大な島を舞台とした一人称視点の3Dサバイバルアドベンチャーだ。
主人公は、ある島で行方不明となっている3人の人物を捜索するために派遣されたチームの一員だが、捜索の途上で突然の銃撃を受けて乗っていたヘリが墜落してしまう。
かろうじて仲間が1人生存していたが、別のヘリで移動していたチームBは行方不明。こうして他人の捜索どころではないサバイバルが始まることになる。
開発:Endnight Games
販売:Newnight
配信日:2023年2月24日 / 日本語サポート有
Steamにも同レビューを公開中:Link
ゲームシステム
本作の目的は、まずなによりも自身が生き残るためのサバイバルだ。
この手のゲームジャンルのサバイバル要素としてはオーソドックスなもので、空腹やのどの渇きに対する飲食、疲労回復のための睡眠と言ったものが必要となる。また武器や狩りの道具や罠などのクラフト要素、生活拠点としての建築要素といったものがそろっている。
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食料やクラフト素材を得るためには、狩りや木の伐採といった地道な作業が必要でシングルプレイですべてこなすには中々に大変なのだが、今作では仲間NPCのサポートがあるので、その負担はだいぶ軽減されるはずだ。
ある種のリアルなサバイバル要素はなく、また島の環境的に素材は豊富で詰みにくい。そういう意味でも敷居はやや低めでプレイしやすいと感じられるはずだ。
また、本作にはストーリーが用意されていて、探索の過程で発生したイベントを追いかけていくことで段々とわかっていく、というものとなっている。
ゲーム開始直後はやや放り出されたように感じるかも知れないが、まずは生活基盤を安定させたら、GPSに表示されたビーコンを頼りにチームBを捜索しにいくといいだろう
その途上で発見した洞窟の探索や、敵対してくる原住民やクリーチャーとの遭遇などを経てこの島の謎にも迫っていくことになる。
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余談だが、ヘリが墜落してゲームが開始する位置には複数のパターンがある。筆者が確認したものでは森林地帯・海岸・雪山の3ヶ所で、周囲の環境的には初心者がサバイバルしやすいのは「森林地帯」だろう。
新規スタートからやり直すことで変更できるが、何度も同じ地点が選ばれるなど、やや偏りがあるようなので根気強くいこう。
NPCシステム
冒頭でヘリが墜落した際に、生き残った仲間 "Kelvin" がNPCとして行動を共にしてくれるようになる。(NPCは他にもいるが詳細は伏せておく)
彼は両耳を負傷しているため、ゲーム内のメモを利用したある程度パターン化された大雑把な指示しか受け付けてくれないが、火起こしから簡易キャンプの設営といった簡単なクラフトから、食材や木材など指定素材の調達など特にシングルプレイではとても心強い。
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初見プレイヤーよりもサバイバルスキルがあるので便利さは計り知れないが、筆者のおすすめは単純作業の指示だ。例えば探索に出る前に木材を採っておくよう指示しておくと、帰ってくる頃には山と積まれていることだろう。
このシステムは是非、他のサバイバルゲームにも広がってほしいところだ。
マルチプレイではホスト以外にはNPCは存在しない。これは固有のキャラクターであることも理由だが、一定以上に人数が増えるとゲームが不安定になるという事情のためでもあるようだ。
前作との関連性
前作『The Forest』のトゥルーエンドにおいて、成長した主人公の息子"Timmy"が見つめる壁には「SITE 2」と書かれた地図が貼られていたが、それが本作の舞台となる島だ。これは開発元から名言されている。
つまるところ前作をプレイしていればより楽しめるわけだ。しかしそれが厳しい場合には、手段はお任せするが前作の顛末を先に把握してから始めると、より本作を理解することができるだろう。
前作のエンディングに映った地図と、本作のGPSで確認できる島の形状とが異なるように見えるだろうが、これも開発者より「前作の地図は"Sons Of The Forest"の開発前に描かれたものなので、形状は正確には一致していない」という開発上の事情が語られている。
日本語サポート
UI/テキストが日本語に対応している。
ただし主人公を含めてキャラクターにセリフというものがないため、字幕自体が存在しない。これは前作『The Forest』と共通する仕様だが、例えば冒頭のヘリ墜落シーンなどでキャラクターが声ひとつあげないのは正直違和感がある。
これが早期アクセス時点で実装されていないだけなのかは、不明なところだ。
気になるポイント
丁寧なチュートリアルがないため、まずは何をすれば良いのか、何をすれば正解なのかといった目的がわかりにくい。
これは前作を踏襲しているのだが、今作からのプレイヤーも当然いるので、この導線と言うべき部分には早期アクセス期間中にもう少し手を入れてほしいところだ。
バグ
筆者の環境では本レビュー時点でサウンドまわりや、NPCの挙動に不具合と思われる事象を確認している。
具体的にはBGMやSEが再生されない、ステレオ出力に違和感がある。またNPCに資材調達を頼んだところ、建築物を支える木を切り倒して破壊してしまうといった割とシャレにならないものがあった。
他にも少なからずバグが確認されているようだが、Steamコミュニティには開発元によってピン留めされた報告用スレッドが立っているので、不具合と見られる事象を確認したら積極的に報告するといいだろう。
早期アクセス期間では約2週間置きにアップデートが予定されているようなので、協力することでより良いものとなっていくはずだ。
総評
前作『The Forest』からのプレイヤーの目線としては、いくらかの追加要素はあれ、全体の印象としてはあまり変化していない。
同じゲームシステムで新しい舞台とストーリーでもっとサバイバルを続けたいという欲求を叶えてくれるが、一方であまり代わり映えがしないという部分でもある。
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そういう意味では前作からのプレイヤーにとっては期待通りではあるし、今作からのプレイヤーにとっては既に前作で評価されたシステムでプレイすることができる。
早期アクセスらしい不安定さはまだまだあるが、早い段階から参加してフィードバックに貢献してみてはどうだろうか。