『Wo Long: Fallen Dynasty』レビュー
インプレッション
これまでの戦国時代を舞台とした『仁王』シリーズとは方向性が異なり、アクション面がよりアグレッシヴなスタイルに調整されたタイトルという印象。
ガードや回避よりも「化勁」という武器を使ったパリィがメインで、体験版でのフィードバックを受けて発動の猶予が改善されたこともあり、本作独自のタイミングに慣れてしまえば思い通りに立ち回っていくことができる。
ただそれは「誰でも簡単」という意味ではなく、普段からアクションゲームが得意で、敵のモーションを観察してタイミングを見る/読むという情報を処理して自分の手に伝えることができるプレイヤー向け。
そうした意味で理不尽さがなく、言い訳の効かない正しく高難易度というタイトルになっている。
ステータス振りの手軽さ
本作には「木・火・土・金・水」という五行に即した能力値が用意されているが、ストーリーを第三節のステージ1クリア後まで進めると「天柱山の隠れ里」で自由に振り直しができるようになる。
その際に一切のコストがかからないため、その時のプレイスタイルや攻略シーンに応じて好きなようにビルドを組み直すことができるというわけだ。しかもビルドを記録/保存しておけば、攻略中でも切り替えが可能。
この敷居の低さは従来の『仁王』シリーズのプレイヤーにとっては信じられないことだが、縛りを与えることが高難易度というわけではないという開発元からのメッセージと受け取っておきたい。
武具強化の手軽さ
比較的序盤から鍛冶屋で武器・防具の強化ができ、さらに第三節まで進めれば(こちらはステージ1クリア前でOK)、武具に備わったスキルもローコストで自由に付け外しができるようになる。
付与できるスキルの枠は武具のレアリティに応じて増加するためそれ自体はドロップ運に頼ることになるが、ことスキルに関しては一部の固定スキルを除けば厳選という作業が不要ということだ。
この敷居の低さは従来の『仁王』シリーズのプレイヤーにとっては信じられない... (以下略)
厳選作業という苦行に快感を覚えるプレイヤーも一定数いることも理解しているが、時間は有限でもあり、少なくとも1周目クリアまではゲームとしてのコアな部分のみに集中できるというのは素直に評価したい。
画面のちらつき対策
PC版では画面が一瞬白くちらつく事象があり、実際に筆者の環境でも発生していたが、2023.3.8 に配信されたpatch1.03 で解消されたようだ。
暫定回避策として設定から「アンビエントオクルージョンの無効化」という手段があったが、これを再度有効化しても、問題のちらつき事象が再発しないことを確認している。
最適化について
PC版では最適化不足が指摘されているが、すでにRedditなどで確認されているとおり、これは特定の環境にマッチした場合にパフォーマンスに影響が出ているという認識だ。
実際、筆者はIntel CPU第13世代+RTX4000シリーズでプレイしているがパフォーマンスに問題はなく、4K環境でゲームとしての上限の120FPS張り付きで安定して動作している。
しかし推奨動作要件を満たしていれば、誰でも一定以上の快適な動作が担保されていると期待するはず。PCである以上は少なからず「自分で解決策を探れること」は要求されるが、それはそれとしてゲーム側での多くの環境に向けた最適化は望みたい。
すでに開発元ではこの問題は把握しているので、今後のアップデートに期待したいところだ。
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