「マンガ経営戦略全史」003 ドラッカーの先に進むためにはアンゾフを知ることが重要らしい
の続き。 ドラッカー登場後の話ですね。
ドラッカーだけでは凡人には実践が困難
①初期のドラッカーはまず「企業」と「マネージャー」の存在意義を示し、良きマネージャーの元プロフェッショナルが誕生することを重視しました。
②そのあと「顧客創造=マーケティング(イノベーションを含む)」の重要性を説き
③晩年に企業の社会的機能「CSR」の重要性を説き、さらに「非営利組織」との連携まで語りました。
まぁ本当にすごい人だった。
ただ、ドラッカーの話はコンセプトレベルの抽象的なものが多く、「実践する」には具体化が足りなかったので、ファンが多い割には、実践したという人はそんなに多くないようです。ABC会計とかを推進したりはしてたんですけどね。 学者というより「インフルエンサー」だったんですよね。
結局日本ではハックルさんみたいな人がドラッカーブームのリバイバルを起こしましたが、それはもともとドラッカーの理論の性質がかなり抽象的だからです。本当にわかってるのはドラッカー本人とごく一部だけで、その他の人は「俺はこれをわかってる!」「ドラッカーの本質はこれだ!」って言い張ったもん勝ちなところがあるんですね。
まぁそのハックルさんは、二匹目のドジョウを狙って「ゲームの歴史」について語ろうとしたらフルボッコにされてしまいましたが……。
007:なので、経営戦略の真の父という意味では「イゴール・アンゾフ」の方が重要
アンゾフはバリバリの科学者出身の優秀な経営者であり、実業界での経験をもとに学者となった人でした。
欧米でグローバル化が進展するにつれて「事業の多角化」及び「事業間の連携」という2つの課題に対応するための戦略」が求められるようになったため、実際のグローバル企業で副社長まで上り詰めたアンゾフがそれを整理したわけですね。
アンゾフ・マトリクス
アンゾフは、経営者時代にまず「アンゾフ・マトリクス」というものを考案しました。
実際、「アイドマHD」のようにやたらめったらいろんな製品や事業がある会社は、このアンゾフ・マトリクスなんかをもとに管理されているはずなので、投資家としても理解しておく必要がありそうです。
巨大市場に対応するための「企業戦略論」
今でも使える「フレームワーク」はこの本によって彼が提唱したものであり、名前は知らなくてもありがたく使っている人が多いと思います。
①3Sモデルは企業における意思決定を3つに分けたこと。
戦略、組織、システム(Strategy,Structure、System)
②ギャップ分析で、「あるべき姿」と「現状」の整理し、そのギャップを分析して戦略を決めるのはトップの役割であると決めました。
③さらに、経営戦略を「事業戦略」と「企業戦略」に分けました。この時までは「事業ポートフォリオ」という概念があまりなかったっぽい。
④最後に、その企業の「コア」となる強みを定義することも、トップの役割であるとしました。
決算説明書をみて、この辺りがきちんと示されているかはチェックすると良いでしょう。
成功する経営戦略の4要素
これらもいまだに有効で、上場時に企業が出す「成長性に関する資料」や「中期経営計画」にこれらが示されていることが多いです。
①決算説明書でも「TAM」を示し、自社の位置づけを明確にしている企業が多いですよね。
②競合他社との間で自社の優位性を示してない資料は弱いです。
③M&Aの際に、ちゃんとシナジーを投資家に説明してほしい
④戦略的投資が上手くいくかどうかはこの部分が明確なっているかが大事です。 最近株価が上がってる企業は、やはりこの辺りを踏まえて「スペシャリティ」事業や「半導体関連」企業など高収益な事業に軸足を移しているところが多い。
さらに「ポジショニングVSケイパビリティ」の議論にまで踏み込む
アンゾフの活躍はとても重要で、この先の多くの理論の礎となっている
というわけで、ドラッカーしか知らない人間としては、意識の切り替えが必要なので、今回はこの人だけにします。
ちゃんと覚えておきたいところですね。
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