「マンガ経営戦略全史」002 近代マネジメントの誕生
岡崎さんネタがない日にコツコツ更新します。
001~003については、「現場の労働者の扱い方」みたいな話でしたが、今回は「企業経営」についての話です。
つまりこの「経営」という概念が出てくるまでは、会社ってのは工場長とそれ以外みたいな平べったい組織でしかなくて、経営者とか管理職みたいな階層組織の役割分担がしっかりできてなかった。
004 アンリ・フェイヨル 「経営」の元祖
そもそも企業活動とは、経営活動って何ですか?ってのはこの人が定義したことなんですね。
企業の活動は、経営以外にも6種類あるけど。
残りの5種類は「マネジメント」であり
その中でも特に経営活動というのを「アドミニストレーション」として念入りに定義した。
なぜならこの人自身が社長をやっている時に「経営」に集中しないと会社潰れそうだったから。今まではなんでもかんでも社長がやってて限界だった
で、経営管理については、今のPDCAと違ってちゃんと「バリューチェーン」を意識している。
とはいってもやはりこの辺りの経営者はまだ「思いやり」とかを重視してる。まだ資本主義最優先ではない感じがします。
というわけで、いよいよ「大恐慌」をきっかけにして「経営戦略」「近代マネジメント」が生み出されることになる
世界恐慌 → ブロック化 → 政情不安 →戦争 という流れの中で、多くの企業は内部要因ではなく外部要因で倒産していくことになる。
つまり、内部の統制だけじゃなく、外部まで含めて考えていくことが求められるようになった。
ここで、今までの王者が変わっていくことになる。それが、ドラッカーも参考にした「ゼネラルモーターズ」など。
組織が一つの塊ではなく、分権化・多角化していく中で、当然、経営者の役割が大きく変わって、いままでよりずっとトップの役割が重要になる。そこでそれを定義する人が登場した。
005 チェスター・バーナード 新しい経営者の役割を定義
これがいわゆる「バーナード革命」であり、経営者の役割が定義された。
役割が決まったので、この役割に対して経営者がどうすればいいのかという「経営戦略」が出てくるのを待つのみとなった。
006 ピーター・ドラッカー 従業員をコストではなく「経営資源」としてとらえ、従業員への権限移譲(分権化とマネジメント)を提唱
つまり、ドラッカーによって「管理職(マネージャー)」という概念が明確に定義された。なお日本はその前からドラッカーのいうことは結構できてて、この当時はマネジメントにおいて日本が先進国だったらしい。
ただ、ドラッカーは経営戦略家というよりは哲学者よりの人間だったので、めちゃくちゃ有名だけどドラッカーの言ってることを実践してますって人はかなり少ない。
ちなみに歴史的経緯を考えると「もしドラ」は後期ドラッカー寄りである(ドラッカーは後になればなるほどマーケティングを中核として企業を考えている)
もともとは「産業社会」において人間が生き生きと仕事をしていけるようになるために企業は3つの働きをするべきだというところからスタートしている。
そんな感じで、経営学の教科書にはほっとんど登場しないのに、経営の神様として知られているドラッカーさん、あまりにも異端児過ぎて (教科書になじまなさすぎて)何かと扱いに困るらしいw
でも、ドラッカーが「管理職」とか「現場への権限移譲」の重要性を唱えたことで、その後の経営学が発展したのは間違いないんですよね。
ドラッカーは初期三部作+自伝がめちゃくちゃ面白い
今からドラッカーを読むのであれば、「マネジメント」よりも、初期三部作の方が面白いからおすすめだよ。
これが最初の作品。これは経営に関する本じゃなくて歴史論とか社会論なので、かなり面白い。
これが二作目。この作品で語られているナチス=ドイツに関する考察が熱いのでぜひ読んでほしい。
で、これが三作目。ここではじめて経営の話が中心となるが、ぶっちゃけこれは今更読まなくていいです。
ドラッカーの最高傑作は「マネジメント」じゃなくてこれだと思う。晩年のドラッカーが書いたドラッカーの自伝。超面白いです。
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