「マンガでわかる株の基本・お嬢様投資をはじめる!(旧サクラ姫ネリマ証券)」が発売されました! 投資について興味があるすべての人に読んでほしい
私は今まで投資初心者の人に読んでもらいたい読み物として、バリュー投資家の「たーちゃん」さんが2019年に行った、株トーク主催の初心者向けセミナーのまとめをこちらのnoteで取り上げていました。
今読み返しても素晴らしい内容なので、ぜひ読んでほしいと思います。
ですが、この初心者向けセミナーでもちょっと敷居が高いという人もいると思います。そんな超初心者向けに、投資の基本の基本から教えてくれるマンガがありました。
それが「サクラ姫ネリマ証券」という作品。
超素晴らしい作品なんですが「同人誌」という頒布形式だったので、1冊あたりの単価が高く、かつそもそも入手困難という難点がありました。
そのため「知る人ぞ知る作品」という感じだったのですが……
ついにマイナビ出版さんから商業出版され、一般流通に乗りました!これでようやく一般人の人にもおすすめできるようになったので全力でおすすめしてきたいと思っています!
サクラ姫ネリマ証券ってどんな作品?
投資歴20年の専業投資家さんが、「マンガ」形式で本当に初歩からそもそも投資ってどういうものか?っていう話をしてくれます。
物語は「優等生だけど投資について全く知らないお嬢様」の家に「元同級生の証券会社の営業マン」が商品を売り込みに来たところから始まります。
「どうやれば儲かるか」みたいな話ではなく、「実際のところ◯◯ってどうなの?」を一つ一つ丁寧に話し合っていく
この本の何が面白いって、聞き役のお嬢様はすでにお金持ちなので投資をやる必要はあんまりないんですね。なので、とにかく「世間ではあれこれ言われてるけど実際はどうなの?」を掘り下げていくんですよ。
だから「どうすれば儲かるか」って話より
「証券会社ってどうやって商売やってるの?」とか
「そもそもこの金融商品ってどういう仕組なの?」とか
「この儲けの源泉ってどこから来てるの?(ほんとにこんなリターンが可能なの?」ってことを一つ一つチェックしていきます。
「証券会社の営業マンのお仕事はどういう仕組なのか?」
例えば、お嬢様は証券会社の営業マンというのは
「怪しい金融商品を売ってがっぽり儲けてる胡散臭いやつら」
と思っているのですが
この本を読んでみると実際は法律でガチガチに規制されていて
思った以上に杓子定規な仕事何だということがわかります。
こういうレベルの話からスタートしていきます。そうすると、証券会社のビジネスってなぜこういう風になっているのかもわかります。
最初はそんな感じで「証券会社の営業マンってこんな感じだよ」
というところから始まります。
「投資の儲けってどこから発生しているの?」
金融商品が他と違うのは、
「単なる企業や社会全体の経済成長の分け前」という要素だけでなく「株主ファイトで他人から巻き上げる」という対人戦要素がある
ことなのですが、多くの株の本はこれを意図的に語りません。
特に最近はインデックス投資や、配当株投資を煽るインフルエンサーが増えていますが、この点を意図的に隠蔽するゴミみたいな人をよく見かけます。
株取引というのは、文字通り「取引」なのです。
ギャンブルというよりも「対人戦」であり「ランキング戦」なのです。
そもそもこのことを明確に示してくれている本ってあんまりなかったのではないでしょうか。この本はこの問題から真正面から向き合っています。
これだけでもこの本は絶対に読む価値があると断言できます。
「株価というのはどうやって決まっているのか?」
株取引が対人戦であることがわかれば、
初心者が陥りがちな「良い株」「成長株」を何も考えずに買えばいいわけではないということもわかってきます。
つまり「誰が見ても良い株」を安く買うことはできない。
なぜ上級者が「煽り屋」の株を買わないのかもわかります。
ネットではいろんな株の先生がいます。
そして、株の先生は素人でもわかりやすく企業分析をして見せてくれたりします。しかし、企業分析をちょこっと勉強した程度で儲かるようにはならないということもこの本を読めばわかります。
むしろ中途半端な企業分析だったり、雑誌のオススメ株に安易に手を出すことは危険ですらあることがこの本を読めばわかります。
「そもそも儲けの源泉は何なのか?」(本質的な意味で)
先程も述べた通り株は「長期的に見れば」儲かります。
しかしその長期的な利益の源泉は「企業や経済の成長の分前」です。そしてこれらは年3~6%なのです。ココ数年はアメリカが異常なペースで成長しているので感覚がバグっているかもしれませんが、世界平均だとこのくらいなんですよ。
それ以上の高いリターンを得たければ「株式ファイト」という対人戦に勝たなければいけないというのは先程述べたとおりです。
しかし、より本質的な話をすると儲けの源泉はリスクです。
「リスクがあるから本質的な価格より安くなっている」ものを安くなっている時にリスク覚悟で買う、これが高いリターンの源泉なのです。
他の人が「これはなんか怖い」と思って避けているけれど自分はその良さがわかっているとか、実はリスクがないことを勉強してわかっているとか。
そういうときに始めて高いリターンを得られるのです。
つまり個別株投資をやるというのは
この仕組みを理解した上で、株価と企業価値の間の歪みを取る作業です。
さて、ここまで理解すれば株式投資で最も大事なことはなにかわかると思います。
そう、リスクの管理です。
リターンだけ見るのではなくて
「リスク(変動率)以上のリターン」が得られるかどうか。
かぶ1000さんが最近よく言及している「シャープレシオ」というやつです。
これが、投資家の能力を意味しているわけですね。
ここまで読んで
「よしわかった。これからはリスクを意識して投資するぞ」
と思った人。まだ早いです。
リスクの管理が一番大事だとわかった。
でもそもそもリスクというものを正しく理解しているのか?
いちばん大事なものなのだから、正確に理解しましょう
「そもそもリターンとリスクってどういう意味なのか?自分の理解であっているのか?」
まず多くの人はリスクとリターンの関係を右側の意味で理解しているはずです。
でも実際は左が正しい。この場合リターンの期待値は0なので、やるべきじゃないトレードなんですよ。
今年は決算ガチャで勝率が5割をちょっと上回っていると主張している人が話題になりましたが、その人は今年資産の95%を溶かしました。
なぜか。
「期待値がほぼ0なのにハイリスク」という「ハイリスク・ローリターン」の取引を「ハイリスクハイリターン」と勘違いして繰り返したからです。
リスクとリターンの関係を正しく理解できてないとこうなるのです。
では、リスクとリターンの正しい考え方はどうなるのか。
それは、ぜひこの本を読んで確かめてみてください!
実際に読んで見ればこの本が他の本より圧倒的に優れている理由がわかりますし、なぜ凄腕投資家がこの作品を絶賛しているかもわかります。
本屋で立ち読みできるなら2巻の16話だけでもいいです。ココだけでも絶対に読んでほしい!!
結論だけ言うと、正しくリスクとリターンを理解して世間でよく言われる「時間を味方につける」「リスクを分散する」という2つを実践すると、大幅にリスクを減らし、かつリターンの期待値を上げることができます。
結論
インデックス投資や長期分散投資が唯一の正解ではないです。
リスクとリターンを正しく自分で管理できる人は、個別株投資でもいいのです。実際かち続けている人はそれができている人なのです。
ただ、この本を読んで、リスクとリターンの概念が理解できないとか難しいなと思った人は、悪いことは言わないからインデックスつみたて投資をやったほうが良いと思います。
最後にお願い
この本は以前からずっとオススメしていて、一人でも多くの人に読んでほしいと思っています。所謂「推し」の本です。
もしこの作品を実際に読んでみて素晴らしいなと思ったら、この本を他の人にもおすすめしてあげてください。自分で紹介するのは手間だなと思ったら、この記事を紹介していただくだけでも結構です。ぜひこの本を多くの人に広めるためにご協力ください。
1月には3巻も発売されます。
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投資に関連する本を読んで、内容をまとめます。本に関する内容は全文無料で読めるので、本の内容に興味ある人は購入不要です。個人的な感想を書きた…
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