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CO2を食べる自販機!?

皆さんこんにちは!
今回は興味深い自動販売機の実証実験を予定している大阪に取材に行ってきました。

せっかくなので大阪城にも寄ってきました!

なにやら環境にやさしい自動販売機ということで、どういったものなのか、どうして大阪から展開予定なのか、今後の見通しなどについて担当者のインタビューをお届けいたします。

【プロフィール】

菅沼 剛(すがぬま たけし)
アサヒ飲料株式会社 未来創造本部 CSV戦略部所属。
健康、環境、地域共創という3つのマテリアリティのうち、環境分野を担当。
趣味はそば打ち、ウォーキング。


「CO2を食べる自販機」とは?


―――今回ご紹介する自動販売機が他とどのように異なるのか、また、その仕組みについて教えてください。

この自動販売機は、大気中のCO2を吸収する国内初の自動販売機です(当社調べ)。

大阪で実証実験を予定しているCO2を食べる自販機

この大気中のCO2を回収する技術は、場所を問わずどこでもCO2を回収できる画期的なものですが、自動販売機は日本全国あらゆる所にあるため、この技術との相性がピッタリなんです。もともと自動販売機は、周りの大気を吸いこみ、それを利用して商品を冷やしたり、温めたりしていますが、その機能を上手く利用することで、効率的にCO2を回収できるようになっています。

CO2を食べる自販機のしくみ

―――CO2を食べる自販機の開発に至った背景を教えてください。

自動販売機は、ここ20年で約70%省エネが進みましたが、急速に技術開発が進んだこともあり、直近はほぼ横ばいの状況でした。そういったなかで、ある日、当社社長との「自動販売機でCO2削減ができたら面白いよね」という何気ない会話をきっかけに開発がスタートしました。また、人や車などから吐き出されたCO2を吸い込むことを分かりやすく伝えることができないかと考えた結果、「CO2を食べる自販機」とネーミングしました。


―――どのようにCO2を吸収する仕組みになっているのですか。

自動販売機の中に吸収材が入っているんです。この吸収材がCO2を吸収していて、こちらを取り出して肥料やコンクリートといった工業原料にすることを計画しています。

CO2を食べる自販機の中に入っている吸収材(容器は提示用サンプルです)


―――現在、CO2を食べる自販機を展開予定の場所は理由があって選ばれた場所なのですか。

大阪では、2025年に大阪・関西万博が開催されます。この自動販売機は大阪府のカーボンニュートラル(※)技術開発・実証事業として採択されているため、まずはこの大阪でスタートする予定です。また、車や人が多い環境ではCO2濃度が上昇する傾向がありますので、そういった場所を中心にこの自動販売機を展開できればと考えています。

※カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすること。

さまざまな環境に設置し、吸収効果などを検証予定です


持続可能な社会のために飲料メーカーだからできること


―――このCO2を食べる自販機は環境に対してどのような良い作用をもたらすのでしょうか。

これまでは製造や販売の効率化を中心にCO2を削減してきましたが、それだけではさらにCO2を減らすことは難しくなってきました。自動販売機1台1台でみると小さな取り組みだとしても、それを何千、何万台と積み上げていくことで、将来的なカーボンニュートラルにつなげていければと考えています。

―――CO2を食べる自販機のプロジェクトに携わって特に苦労した点はどういったことですか。

自動販売機の仕様から取り組み先の検討まですべてが初めてのことだったので、どのようにプロジェクトを前に進めていくかを考えることに苦労しました。まず、自動販売機でCO2を回収するさまざまな案を考えましたが、自動販売機の構造を見直すことから始めました。そのなかで効率的にCO2を吸収可能かつ吸収材の交換が容易な仕様を検討しました。また、回収したCO2は肥料やコンクリートにすることを考えており、実現に向けてさまざまな企業や自治体の方と協業の可能性を模索しています。

肥料や建材など、農業・工業原料への活用を視野にいれています

※ブルーカーボン:海洋の藻場生育促進などを表す。

―――CO2を食べる自販機についてお取引先様からの反応はいかがでしたか。

自動販売機で大気中のCO2を吸収することに対する驚きと、脱炭素につながる取り組みとして興味・共感をいただいています。また大気中のCO2を原料とした肥料も、これまでにないユニークな肥料であると、複数の農業法人の方からもお声をいただいております。

笑顔で取り組みについて語る菅沼


企業や自治体の皆さんと一緒に輪を広げていく取り組み


―――今回アサヒ飲料としてチャレンジできたことがあれば教えてください。

今までのビジネスにプラスアルファもしくは何か違ったものを掛け算することで、環境負荷を減らすこととビジネスの両立にチャレンジしました。1人ではできることに限りがありますが、皆で協力することで大きな成果につなげることができると信じています。

―――CO2を食べる自販機が未来をどう変えてくれることを願っていますか。

この自動販売機は飲料水を販売するだけではなく、大気中のCO2を吸収する、つまり木と同じような役割を果たします。そのため、この自動販売機を設置することで都会に木を植えるような活動になればと考えています。また、この自動販売機で吸収したCO2を肥料やコンクリートに活用することで、最終的に皆で循環型社会を作っていくことにつながればと考えています。CO2を食べる自販機がそのきっかけになったらうれしいですね。

循環のイメージ

―――ありがとうございました!


さまざまな自動販売機!


当社には販売以外にもさまざまな役割を持った自動販売機があります。ホームページでもご紹介しておりますので、ぜひチェックしていただけると幸いです!

 さまざまな自動販売機についてはこちらからチェックhttps://www.asahiinryo.co.jp/company/vending_machine/


YouTubeでも「CO2を食べる自販機」についてコンテンツを公開いたします。そちらもぜひご覧ください!
※YouTubeの公開は5/10(水)10:00予定です。