【エッセイ】薄暮
大気に満ちていた何かが急にしぼんだように、北海道は数日のうちに涼しさを取り戻した。
日差しは熱く、風はカラリと冷たく、半袖ではときどき寒い。朝晩は上着が欲しいほどだ。
ほっとしながらも切ないような、忙しいだけで去った(去りつつある)夏が虚しいような、深追いしない方が良い気持ちが湧きあがる。
そういえば、きのうの仕事帰りに見上げた薄暮の空と雲がダイナミックで、妙にリアルだったなあ。そうして、家々がイラストのようにぼんやりと佇んでいた。
さて帰ろう、と思った。
帰りたいときは帰るに限るのだ。
車のフロントガラスを濡らす朝露が霜になるのもそう遠くないようだ。
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