【エッセイ】チビタンコ
姉が私を軽トラに誘い、ちょっとうれしそうに「見て見て」という。
運転席のドアを開けると、内側のドアレバーがもげてぶら下がっていた。
「これ、ついにもげたさ。だからドア閉めちゃうと内側から開かないの」
運転席の窓(もちろん手動)は全開になっていて、降りるときは窓から手を出して、外側から開けるらしい。
ふたりでゲラゲラ笑って、もげたドアレバーを写真に撮った。
うちには軽トラが2台ある。1台はよそ行きで、もう1台は敷地内だけで使っている普段使いだ。時どき壊れては、知り合いのおじさんがどこかから中古の部品を探してきて直してくれる。ナンバーはない。
かなり使い込んだ軽トラだが、ないと困ってしまう。ドアレバーが壊れたくらいでは、まだまだ使い続けるだろう。外側のレバーが壊れないことを祈る。
軽トラは今日もカラカラと音をたてながら、青草を満載して放牧地を走ってゆく。
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