【エッセイ】問題児
ニャギはどうにも問題児だ。
お隣でねずみ捕りにかかったらしく、頬にくっついたトリモチを引きずったまま現れた。実はトリモチにかかったのは2度目で、前は前足にベタベタを残してやってきた。
姉が毛を切ってやって、冬にも関わらず顔が丸ハゲである。
毛まみれのトリモチをベンチに置いたまま別の作業をしていた姉を、ニャギがまた呼んだ。
振り返ると、ニャギはエサ欲しさにベンチに跳び乗り、再びトリモチに捕らえられている。
「お前、バカか!」
バカな仔ほどかわいいだね、と言うと、姉は嬉しそうに、ほんと困るわ、と言った。
いいなと思ったら応援しよう!
より素敵な文章となるよう、これからも長く書いていきたいです。ぜひサポートをお願いいたします。