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生粋の京都人が京都で宿がとれないときの「裏技」教えます

 京都に行きたい――。
 我慢の1年が過ぎても、まだ先が見えない日々が続いている。不安な状況だからこそ、楽しいことを考えたい。晴れて新型コロナウイルス感染が収束したら大手を振って旅行に出られるだろう。でもきっと、京都は桜や紅葉問わずして「宿がとれない!」「宿がとれてもバカ高い!」なんて状態に戻るのだろう。そこで、京都で宿がとれないときの「裏技」を、生粋の京都人であり、歯科医師、かつ作家の柏井壽氏の著書『できる人の「京都」術』(2017年刊、朝日新書)より紹介する。今から予習して臨もうではないか。

 京都を旅するならば、何がなんでも京都に泊まらなければならない。そう決め込んでしまうと、厳しいでしょう。とはいえ、せっかくの京都旅を、宿が取れないからといって諦めるのはもったいない。

 そんなときの裏ワザとして、私がおすすめしているのが「他府県泊まり」です。「他府県泊まり」とは、京都の隣府県に泊まること。

 お隣の滋賀県、大阪府はもちろん、もっといえば兵庫県に泊まったとしても、アクセスの良さをうまく活用すれば、京都旅の宿としてじゅうぶん使えます。

 実際に京都から移動して泊まり歩いたホテルの中で、自信をもっておすすめできる選りすぐりを、3軒ご紹介します。

01_渡月橋

(1)洛南観光に最適な大阪のホテル――ホテルアゴーラ大阪守口
 京阪本線の守口市駅前に建つ「ホテルアゴーラ大阪守口」。ここからなら、紅葉の名所で知られる「東福寺」へも、世界に名をとどろかせる「伏見稲荷大社」へも乗り換えなしで行けます。「下鴨神社」も鞍馬も沿線にあります。あるいは宇治へ行くにも「中書島」で乗り換えればいい。ホテルから守口市駅までは傘要らずです。発想を転換すれば、洛南はおろか、京都観光に最適のホテルになります。

(2)レークビューと温泉を愉しむ――琵琶湖ホテル
 京都市営地下鉄の東西線はそのまま「京津線」となり、「浜大津駅」が終点。地下鉄一本で京都の中心地から辿れる「浜大津」の駅前に建つのが「琵琶湖ホテル」です。地下鉄の「京都市役所前駅」から乗り換えなし、30分足らずで着きます。もしくはJR「京都駅」から琵琶湖線に乗ると10分で「大津駅」。「大津駅」からはホテルの無料シャトルバスに乗ること5分。こちらだと15分でホテルの玄関までたどり着けます。京都市内のホテルへの移動とまったく差がありません。そのうえ、琵琶湖ホテルは、全室レークビュー。琵琶湖はもちろん湖西、湖東の山々を見渡すことができ、京都市内とは異なる絶景を眺めながら過ごせます。さらにこのホテルには、露天風呂の付いた温泉大浴場があり、そこからも同じ眺めが得られる。京都観光でくたびれた足腰を温泉で癒やす。しかも、なんとも有り難い天然温泉です。

(3)近江観光も兼ねて泊まる――ホテルボストンプラザ草津びわ湖
 JR琵琶湖線の「草津駅」前にある「ホテルボストンプラザ草津びわ湖」も、傘を開く間もなくチェックインできます。JRが京都駅から新快速に乗ること約22分。ホテルは目の前です。これは同じJR京都駅から地下鉄の烏丸線、東西線を乗り継いで、「蹴上駅」にある「ウエスティン都ホテル」へ行くのと、ほぼ同じ所要時間。距離と時間は必ずしも比例しません。

 発想を転換することで、京都旅がより身近になる好例でしょう。

 泊まった翌日は近江の古寺を巡るのもいい。京都とはまた違った表情を見せる古刹(こさつ)をも堪能してもいいのではないでしょうか。