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\今年も開催!/朝日文庫「秋の時代小説フェア」ラインナップを紹介します!

 毎年10月開催が恒例となっている、朝日文庫「秋の時代小説フェア」のラインナップを一挙紹介! 「時を超えて変わらぬのは人の心」と記された、時代小説バージョンのアーサー(朝日文庫キャラクター)がいる共通帯がフェアの目印です。書店店頭でぜひお手に取ってみてください。

朝日文庫「秋の時代小説フェア」共通帯
朝日文庫キャラクターのアーサーも時代小説バージョンに!

〈新刊〉

■北原亞以子『夜の明けるまで 深川澪通みおどおり木戸番小屋』

北原亞以子『夜の明けるまで 深川<ruby>澪通<rt>みおどお</rt></ruby>り木戸番小屋』(朝日文庫)

 木戸番夫婦のもとには、さまざまな事情を抱えた人々が訪れる。無鉄砲な女友達に振り回されるおもよ(「女のしごと」)、かつて身勝手な理由で捨てた妾腹の娘を取り戻そうとする駒右衛門(「絆」)。江戸の片隅でたくましく生きる庶民を描いた傑作短編8編。《解説・末國善己》

■佐々木裕一『遥かな絆 斬! 江戸の用心棒』

佐々木裕一『遥かな絆 斬! 江戸の用心棒』(朝日文庫)

 諸国放浪から江戸に戻って3年。市井の暮らしに馴染んだ真十郎は、身寄りのない五人姉妹の用心棒を引き受けた。近頃、五女が攫われそうになったり、屋敷を探る怪しい男がいるという。一方、この五人は大盗賊・雲隠れ周蔵の娘たちだとの噂もあって……。書き下ろしシリーズ第4弾。

 ■戸田義長『吉原面番所手控よしわらめんばんしょてびかえ

戸田義長『吉原面番所手控』(朝日文庫)

 遊郭での事件を一手に担う面番所。密閉された部屋での殺し、下手人の足跡の消えた雪道……数々の難事件を解決し、人望の厚い同心の木島平九郎は死の床で、かつて、客と心中した花魁がすべての謎を解いたのだと打ち明ける。在りし日の花魁の姿は、彼の心を来し方に誘って――。書き下ろしミステリー時代小説。

〈既刊〉

■あさのあつこ『はなうたげ

あさのあつこ『花宴』(朝日文庫)

 西野家の一人娘、紀江は父の弟子である青年にほのかな想いを抱く。別の弟子との祝言後も彼を忘れられない紀江だが、徐々に夫と夫婦の形を作っていく。しかしある朝、思いがけない出来事が……。人生のままならなさ、真の愛情をしっとり描く傑作時代小説。《解説・縄田一男》

 ■五十嵐佳子『むすび橋 結実の産婆みならい帖』

五十嵐佳子『むすび橋』(朝日文庫)

 幕末の江戸、八丁堀界隈。安政の大地震で身重の母を亡くした結実は、12歳で産婆になることを決意する。7歳までは神のうちと言われ、お産で亡くなる母子が今よりずっと多かった時代、それぞれの事情を抱えながらまさに命がけで子を産む女たちとともに喜び、葛藤しながら結実は一人前の産婆になっていく。感動の書き下ろし長編時代小説。

■宇江佐真理『深尾ふかおくれない』

宇江佐真理『深尾くれない』(朝日文庫)

 鳥取藩士の深尾角馬は生まれつきの反骨心から、剣の道に邁進する。しかし、不貞をはたらいた二人の妻を無残に斬り捨てる。やがて一人娘の縁談がこじれたことを恨み……。不器用にしか生きられなかった角馬の生涯を、妻かのと娘ふきを通して描き切った長編時代小説。《解説・清原康正》

■佐々木裕一『斬! 江戸の用心棒』

佐々木裕一『斬! 江戸の用心棒』(朝日文庫)

 月島真十郎が剣術修行から江戸に戻ると、藩邸は竹矢来で閉ざされていた。老中の父が急死し、領地は召し取られていたのだ。帰る場所を失った真十郎は用心棒稼業を始めるが、お家騒動を巡る黒い噂を耳にして……。人気作家の新シリーズ!

■葉室 麟『この君なくば』

葉室麟『この君なくば』(朝日文庫)

 伍代藩士の楠瀬譲と恩師の娘・栞は互いに惹かれ合う仲だが、譲は藩主の密命を帯びて京の政情を探ることとなる。やがて栞の前には譲に思いを寄せる気丈な女性・五十鈴が現れて……。激動の幕末維新を背景に、懸命に生きる男女の清冽な想いを描く傑作長編時代小説。《解説・東えりか》

■葉室 麟『星と龍』

葉室麟『星と龍』(朝日文庫)

 悪党と呼ばれる一族に生まれた楠木正成の信条は正義。近隣の諸将を討伐した正成は後醍醐天皇の信頼を得ていくが、自ら理想とする世の中と現実との隔たりに困惑し……。著者最後となった未完の長編小説。安部龍太郎氏による、詳細な解説を収録。《文庫版解説・本郷和人》

■火坂雅志 伊東潤『北条五代』(上)

火坂雅志 伊東潤『北条五代』(上)朝日文庫

 火坂雅志氏急逝による未完の大作を伊東潤氏が引き継いだ奇跡の歴史巨編。5代100年にわたる北条氏の興亡を描く。伊勢新九郎盛時(後の北条早雲)は今川家の内紛をとりまとめ、伊豆・箱根を平定。2代氏綱はさらに北条家の地歩を固めるが……。

■火坂雅志 伊東潤『北条五代』(下)

火坂雅志 伊東潤『北条五代』(下)朝日文庫

 3代氏康と4代氏政の治世で領地は240万石にもなり、北条氏は東国に覇を唱えた。しかし5代氏直の時、豊臣秀吉による小田原征伐が始まる。100年にわたり民とともに生きた北条氏の興亡を、二人の歴史作家が書き継いだ奇跡の歴史巨編、堂々の完結。《解説・呉座勇一》

■山本一力『たすけばり

 江戸は深川蛤町で鍼灸師を営む染谷は、腕の確かさで〝ツボ師″の異名をとるほどの名手。元・辰巳芸者の鉄火な妻や、幼なじみの名医・昭年とともに、市井の人々の身心を癒やし、人助け、世直しに奔走する日々を描いた、胸のすくような長編時代小説。《解説・重金敦之》

■末國善己・編 朝井まかて/安住洋子/川田弥一郎/澤田瞳子/山本一力/山本周五郎/和田はつ子
朝日文庫時代小説アンソロジー『いのち』

末國善己・編 朝井まかて/安住洋子/川田弥一郎/澤田瞳子/山本一力/山本周五郎/和田はつ子『いのち』(朝日文庫)

 江戸の町医者たちと市井の人々の人情ドラマを描く。養生所医師や薬師、検屍官、ツボ師、口中医らを主人公に、母娘関係のこじれ、貧困や格差、また感染症への偏見など、今の世にも通底するテーマを描く。時を超えて問いかける、珠玉の医療時代小説アンソロジー7編。