風邪で休んだ同僚に言いたい愛されワード「私のときもよろしくね!」の威力
■自分だって助けてもらうことがあるから
同僚が風邪で仕事を休んだ際、「こんな忙しいときに休んでしまって申し訳ない」と、深く落ち込んでいる、という場面は、きっと誰もが体験したことがあるのではないでしょうか。そんなときにちょい足ししたい、とっておきのことばがあります。
\ここでちょい足し/
実はこれ、私の知人から聞いた実話です。体調不良で休んでしまった女性に会社の先輩がかけたことばが、「大丈夫大丈夫、やっておくから気にしないで。私のときもよろしくね!」でした。あとからその女性が、「あのひとことに救われた」と笑顔で話していたそうです。
そのエピソードを聞いてから、「私のときもよろしくね!」は、私の職場でもみんなが好んで使うようになり、すっかり定着しました。
忙しいときなど、ミスや予想外の休みに、自分を責めてしまう人は多いものです。でも、誰だっていつ病気になったり、ミスをしたりするかわかりません。
「大丈夫、今回は私に任せて。でも、もし私がダウンしたときは頼むね」というお願いをしておけば、貸し借りなし。とくに責任感の強い人は、文字通り心が「軽く」なるはずです。
休むことは権利なのですから、みんなでこのちょい足しことばを言い合って、気持ちのいい職場にしてくださいね。
■スタートは遅れても、会ってすぐいい雰囲気に
やむを得ず、約束の時間に遅れてしまうことは、誰にだって起こりうることです。相手から遅刻をおわびする連絡を受けたとき、「承知しました」にちょい足しすると、会ってから和やかになることばを紹介します。
\ここでちょい足し/
焦ってドキドキしながら遅刻の連絡を入れたとき、「お気をつけていらしてください」なんてやさしいひとことを言われたら、心の底からホッとしますよね。
待つ側としても、相手が慌てて怪我でもしたら大変です。はやる相手の気持ちを静めてあげましょう。
約束の時間に相手が来ないとなると、多少なりともストレスを感じるものです。このちょい足しは、自己暗示のように、そのストレスも軽くしてくれます。そのため、相手が到着してからの会話がスムーズによい雰囲気で開始できますよ。
私の家は、電車の駅からバスで3つめの停留所のそばです。ただ、その3つのバス停の名称はすべて「◯◯坂」。ですから、初めてお越しいただく際には「3つめの停留所ですよ。お気をつけていらしてくださいね」と、伝えています。
こんなふうに、「暑いのでお気をつけていらしてください」「混んでいるのでお気をつけていらしてください」など、「何に気をつけるか」をさらに足してあげるのもおすすめです。
■失敗で慌てたり落ち込んでいる人に
うっかりしていたり、本調子でないときに、思わぬ失敗をしてしまうことがあります。それで他人に迷惑をかけると、さらに慌てたり、気持ちがとても沈んでしまうものです。そういうミスでおわびをされたときに使いたい、ちょい足しことばがあります。それが「私もよくやる(ある)んです」。
\ここでちょい足し/
「大丈夫よ! 私もよく忘れるの」「気にしないで、私もそこ、よく間違えちゃうのよね」。ちょっとしたミスや思いちがいの場面で、よく使うことばです。こんなふうに言われたら、相手のやさしさを感じられて、心があたたかくなります。
以前、打ち合わせに、肝心の資料を忘れてきた人がいました。急いで取りに戻りますと言いながら、気の毒なほど恐縮しています。どうして出がけに確認しなかったのかなと思うのですが、その姿を見ていたら、ささいな怒りはおさまっていきます。むしろ、こんなに混乱していて、慌てて事故にあったり怪我をしたら大変と思い、「私もよくやるよ」とフォローしました。
厳密ではありませんが、主に「やる」は行為、「ある」は状況に使います。「私もよくある」のほうが難しいかもしれませんね。たとえば、プレゼン中に言い間違えたときは「やる」、言うことを忘れたときは「ある」。電車に乗り遅れて遅刻したときは「やる」、電車が車両故障などで遅れたときは「ある」です。
気にしすぎる相手には、効果てきめん。もちろん、大きすぎるミスには「私も」とは言えませんが……。
謝罪を受けている場面であなたがもし相手を許すのなら、できるだけ早く相手の気持ちを軽くしてあげたいものです。そんなときに、ちょい足しことばは大活躍。相手をホッとさせてくれます。
(構成/三宅智佳)