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都合のいい存在から脱却したいなら「影で努力するな」/職場のアホから身を守る方法

 周囲に、あなたの時間・エネルギー・タイミングを奪う人はいないだろうか? 90万部を突破した人気シリーズ『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(田村耕太郎著/朝日新聞出版)から、理不尽で不愉快な存在への対処法を一部抜粋で解説する。(タイトル画像:tiero / iStock / Getty Images Plus)

田村耕太郎『頭にきてもアホとは戦うな 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)
田村耕太郎『頭にきてもアホとは戦うな 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)

■アホにこき使われないためには?

 この世には人を都合よくこき使う、リスペクトのないアホも少なくない。

「都合がいい」とは「(自分のために)利用しがいがある」ということだ。

 日本では、誠実さや従順さが良しとされるが、それはあくまで利用者からみた使い勝手の良さを下々に叩き込むための仕組みである。都合のいい存在から脱却するためには、ここに気がつくことが大切だ。

 ただ、敵をつくったりするのは愚かなことなので、あくまで表面上は友好的に、しかし無駄に利用されないことが必要となる。

 そのためには「陰で努力しない」ことだ。手柄は手柄として理解されるように、「表に出す」必要がある。

 一番大事な評価者にはもちろん、その周りにも「自分が始めて、そしてできたことだ」と手柄になる過程を全て公開してシェアすることだと覚えておこう。

 成果が出たあとで手柄として公表したら嫌な奴になりかねないため、最初からさりげなく「自分がやっています」とアピールしておくとよい。

 自分の貢献状況を皆にシェアするのは、早ければ早いほど自然だ。

 具体的な方法としては、「今、こんなことをしているんですよ」「自分なりにこんな工夫を考えています」などと、ニコニコと自然に頑張りを周囲に伝えていくことだ。

 こうした方法なら、謙虚な人でもしやすいだろう。

 せっかく仕事を引き受けたのに、隠れて努力をしたために手柄をとられて、モヤモヤを抱えながらそれでも笑顔でいるなんて、あまりに悔しいことだ。

 あなたの努力が理解されれば、評価につながり大きなチャンスが与えられる可能性もあるし、何より最終的に気分が悪くなることはない。

 苦しい思いを抱えながらも、ニコニコとできるのは最強の武器だ。それをアピールに活かしていこう。

 大事なのは、努力を表に見せるということを「格好悪い」などと思わないこと。

 見せていないとずるい人に利用されてしまうだけなのだから。

 お人好しはもうやめよう。あとで後悔する。

 最終的に利用されて、苦しくなっているのが何よりの証拠だ。

「役に立つ」という考え方ももちろん大事だが、それはあなたの評価を上げるためにやることだ。利用されるためにやるべきことではない。

 あなたの遠慮がちな姿勢は搾取側から見たら蜜の味だ。

 もし、今の自分に自信がないとしても、周りと比べる必要はない。自信はあった方がいいが、あり過ぎても問題だ。

 何事も淡々と安定してこなしていくこと、それが大切だ。コツコツと取り組んでいくと、ある日振り返れば意外に大きな実績が積み上がっていて、それが自信の根拠になっていく。

 だから、自信の有無を考える暇があれば目の前のことに集中する方がいいだろう。

 目の前の仕事をアピールしながら懸命に頑張っていたら、「自信がない」などと考える暇もなくなる。取り組んだことは全力でやるしかない。

 それを続けていけば、それなりに結果が出てくるだろう。「やるしかない」、そういう気持ちでアピールを忘れずに全力で向かう、その姿勢が評価はもちろん、根拠ある自信形成にもつながり、アホを遠ざけられるようになる。

■クレーマー体質なアホは徹底的にシカトせよ

 しかし、アホの中には、どこに地雷が埋まっているかわからず、ちょっとしたコミュニケーション不足による誤解で怒り出したり、きつくつめてくる輩がいる。

 そういった非常にセンシティブなアホはとても扱いにくい。そんなアホの目的とはどんなことなのだろうか。

 こういう人物が怒る場合、誰かが地雷を踏んでいるというよりも、何を言っても文句を言う人物と心得ておこう。そこに明確な理由はないはず。

 なぜなら、本当にあなたのことを信用できないなら、「黙って会わないようにする」だけだからだ。とにかくあなたをいたぶりたいだけなのだ。

 こうした行動をとる背景には、大きなストレスを抱えている、ふだんは自分が低く見らている、などいろんな理由が考えられる。

 どの理由だとしても、あなたが変わることで、この人があなたに態度を変える可能性は低いだろう。悪化することはあっても、改善の見込みはない。

 まずすべきなのは、本当にこの人とビジネス上の付き合いを続けることが必要か、冷静に胸に手を当てて考えることだ。付き合わなくていいなら、徐々にフェイドアウトして関係を切っていった方が精神衛生上いいだろう。

 仕方なく付き合うしかないなら、もう割り切って、好き勝手言わせておくことだ。いちいち気にせず、受け流そう。

 他人の気持ちはコントロールできないし、しかも他意があってわざと言っているのならなおさらだ。気にしても何もいいことはないどころか、悪いことしか起こらない。

 何を言われても真に受けない、と心に刻もう。

 そして、できることならば目の前から徐々に消し去るように事を運んでいこう。

 そうした方が、目先には色々打撃があっても、長い目で見たらずっといいはずだ。

 役に立たないアホにいい顔をするお人好しは卒業しよう。