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発熱は何科を受診すればいい? 薬の服用「食後」は何分以内? 意外と知らない病気や薬のこと

工藤孝文監修『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない人体の超基本』(朝日新聞出版)
工藤孝文監修『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない人体の超基本』(朝日新聞出版)

 現代医療の進歩により、受診科の専門化は進む一方。専門性が高まって安心して治療してもらえるのはいいのだが、症状によっては何科を受診すればいいのかがわかりにくいことも少なくない。例えば、発熱したとき。

 上のチャートを見てほしい。同じ「38度以上の発熱」でも、頭痛を伴うとき、下痢の症状があるとき、より高い熱があるときなど、付随する症状によって受診する科は違ってくる。

 そこで、『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない人体の超基本』(工藤孝文監修/2022年12月刊/朝日新聞出版)から、診療科の探し方と薬の服用の仕方について知っておきたいことをまとめて紹介したい。

 厚生労働省は、病院や診療所が外部に発信するときに使える「広告可能な診療科名」を定めていて、それも受診する科に迷ったときの参考になる。

 各都道府県が設置している無料の相談窓口や、救急安心センター事業の診療相談(電話番号は#7119)も頼りになる。総務省消防庁は、症状の緊急度に応じた対応を判定したり、医療機関を検索したりできるアプリ「Q助」も提供している。

 もう一つ、知っているようで知らないのは、受診して処方された薬の適切な飲み方だ。

 薬の処方の際は、服用する時間帯や回数が細かく指示される。「食前」「食間」「食後」は、それぞれ胃の状態が異なり、タイミングによって薬の効果が異なるためだ。適切に服用しないと、効果が増減するだけではなく、副作用が表れることもある。「食前」「食間」「食後」は、具体的には以下の時間帯を指している。

「食前」は食事の20~30分前、「食後」は30分以内、「食間」は食事の2時間後、「就寝前」は寝る30分ほど前、と覚えておこう。

 薬は食べものと同じように消化器官を通り、胃で分解、小腸で吸収されて血液に取り込まれる。肝臓でさらに分解されて毒性が弱められ、薬効成分が肝臓から心臓へ行き、そこから血液によって全身に運ばれる。その血液が対応する部位に到達すると効果が表れ、薬として作用が終わると、腎臓を通過したときに尿となって排出される。

 一般的に、効果が出るまでの時間は15分から30分ほど。時間の指示のない飲み薬の場合は、食後に服用するのがよいとされている。

 今回紹介した、知っているようできちんと知らない人体の構造やしくみを解説してくれる『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない人体の超基本』は、栄養について、病気やけがが治るしくみ、心と体の関係など、これまで学校の授業や実体験などから断片的に習得した知識を、改めて総合的におさらいできる一冊になっている。ぜひ、一家に一冊、備えてほしい書籍だ。

(構成:生活・文化編集部 上原千穂)