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注文が多い子達と行く札幌旅行⑤
前回はこちら。
札幌2日目。
早朝に一度目が覚めた時に外から聞こえてきた音におや?と思ってはいたが、案の定外は雨だった。しかも結構ざあざあと。
ところで忘れ物とは結果論だよな、と最近特に思う。
どんなに忘れ物が無いようにと強く意識していても、抗えない何か……その状況で様々な事が重なるタイミング等でポンと存在が抜け落ちてしまい、それが必要になる時、もしくはその時が近くなってから初めて気付くのが「忘れ物」。
どうにもならない状況で、それをどう乗り越えるのかが重要なのである。
つまり何が言いたいかと言うと、またやってしまったのだ。傘忘れた。
詳しく言うと一本足りない。
娘に持たせるようにと折りたたみ傘は一本鞄に入れておいたのだが、私達用の傘が無い。
そして前日のフード被れば何とかなるレベルの雨では無い。まだ寝ている子達を背に、しばし考える人になる私。
「……ちょっと向かいのおにぎり屋さん行ってくるね」
とりあえず朝ご飯は向かいのおにぎり屋さんにしようと前日に決めていたので、そう告げてから(返事なし)娘の折りたたみ傘を拝借してホテルを出た。
朝9時。
向かいのおにぎり屋さんこと、「おにとこ円山」さんは平日は朝7時開店、土日祝は朝9時から。
傘どうしよ&お腹すいたムリという気持ちと共に、折りたたみ傘じゃカバー出来ない程の風と雨に身を濡らしながら小走りで横断歩道を渡って店に入る。
お店に入るとすぐ壁に目が釘付け。沢山あるおにぎりの具ー!豚汁もあるー!そして横にはお弁当やおかずが陳列されていて、もうどこ見ても「これ食べたい」が渋滞。
迷いながら店員さんにおにぎり6個(1人2個は食べるよね?え?多い??)と小さいパックのざんぎを注文。
そして「この近くにコンビニありますか?傘買いたくて……一本足りなくて……」と近くのコンビニ情報まで得ようとする地方住みおばさん。
おばさんになるとねぇ、恥が少しずつ無くなっていくんですよ。何年も前に行った新大久保駅で知らない若者に声かけてロッカーに荷物入れるの手伝って貰ったし。あの時は本当に助かりました。新大久保の素敵な女子達ありがとう……(涙)
おっとまた違う話しが混ざってしまった。
話しを戻して、そう尋ねると店員さんが「一番近いのはファミマ。もう少し先行くとローソンがあって、その手前にスーパーもあるからそこでも売っているかもしれません」という情報をくださった。ありがたき幸せ。
それじゃあファミマに行ってみます!と、後はおにぎりが出来上がるのを待つ。
あ〜何て良い匂いなんだろうか。香ばしい海苔の香りって本当日本人の心をくすぐるわ〜。本当は豚汁も買いたかったな〜。
そんな事をぼけーっと考えていると「移動時間かかりますか?」と聞かれ、すぐ目の前のホテルなので全然かからないです〜と答えると、何やら少し間が。そして「一本で良いんですよね?」と後ろへと消えゆく店員さん。
「これで良ければ持っていってください」
!!……なんと!
こんな開店と同時に来店したわけわからない人に透明な傘を差し出してくださっている……!
申し訳無いですからと断るも、もう誰も使っていないので大丈夫ですよと……。
もう何度もお礼を告げ深々と頭を下げて店を出る時、私は誓った。
明日もおにとこさんでおにぎり買います。
無理だったら次回も円山に泊まって朝食はおにとこさんにします。
そしてブログで紹介させてください。
と。
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テーブルが小さいのでぎゅうぎゅうに。
さけ、ツナマヨ、チーズおかか2つ、鮭バター醤油、スパムすび。
もうこの時は本当にお腹が空いていた。
ホテルに帰ると起きていた子達が「お腹すいたー」とこっちを見ていて、この後ものすごい勢いで頬張っていた。それはそれは美味しそうに。私も無心で食べていたので、故に中身の画像が無い(え)
おにとこさんのおにぎりは塩加減も程良く、サイズも丁度良い。海苔の風味も良く、握りたてのおにぎりってどうしてこんなに美味しいんだろう……特に自分以外が握ったおにぎりって異常に美味い……。
私がまた円山に宿泊したいと願う理由に、おにとこさんが強く影響しているのは確かだ。
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美味しいおにぎりをしっかり食べた後は、またしてもドニチカ切符を購入して地下鉄円山公園→大通り→さっぽろへ。もう乗り換えも手慣れたもんだ。特に息子。
しばらくその辺を徘徊した後、娘は友人とその日も歩きまくるのだろう。足お大事に。
さてさて、息子よ!今日はどうしますかね!
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そう、ここは新さっぽろ。
札幌市青少年科学館である!
札駅から南北線で大通りまで行き、再び東西線に乗り換えてそこから終点・新さっぽろへ。大通りから新さっぽろは地下鉄で大体20分。今日も元気に地下鉄乗ってマス!
新さっぽろ駅に降り立ち1番出口へと向かう間に何やらグルメが集結しているエリアが横に見えて、その瞬間に“よし”と思わず脳内でガッツポーズ。よしよし、これで昼飯探しに悩まなくても良い。科学館の後は黙ってここに連れて来れば良いんだ。ラッキー。なーんて、孤独のグルメ風ナレーションも勝手に再生。
そこを通り過ぎるとそろそろ外へと繋がる出口が……
「え!?何これ!なっっが!!」
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下から見上げた時、思わず階段の長さに悲鳴のような声を上げてからの絶句。
いや〜札幌って確かにやたら出口の階段長くてキャリー持ってたらし、死ぬっ!ってなるあるあるがあったな〜。と当時の苦労を思い出しながら、「ここはまだマシだよ。ほら」と登り用のエスカレーターに誘導する。
それにしてもこの階段やばいな。
エスカレーターを使わなかったら何段登るんだろうか。もしかしたら地獄の階段昇降特訓とか使ってたりするのかな?ダイエットには相当効きそうだな……。心底エスカレーターがあって良かった。
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外はいつの間にか雨が止み、新さっぽろは晴れ間まで見えていた。傘ぁ……。
何年か住んでいても来てない場所が沢山あるなぁ、という事が今回の旅で発覚した。青少年科学館もお初!
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とにかく「さすが札幌!」というレベルの高さを感じる科学館だった。どんな感想だこれ。
小中学生は勿論のこと、大人が来ても結構楽しめるのではないだろうか。本当はプラネタリウムも見たかったけれど、息子がまるで興味が無いので今回は無念。
息子的には「木星では体重がめっちゃ重くなるし、ジャンプの高さもひっくいし、自転車のペダルも激重だった。木星やべぇな」という事が面白かった様子。ものすごい重力なんだな、木星って。
何だかんだ一通り全体を回った後、休憩エリアで水分補給タイム。
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程良く自然があって、程良く都会で、レベルが高く楽しい施設がある。友人も住んでいるし、老後は新さっぽろに住みたいという一つの夢が新たに出来た気がする。
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え〜〜〜。君、そろそろパスタあたりが食べたいって言ってたじゃないか〜!
科学館を出て再び新さっぽろ駅へと戻り、先程のグルメエリアへ行くと、様々な店があって悩み始めた息子氏が選んだのは回転寿司。
パスタの気でいたのに内心ちっ、と思いながらサンピアザ地下3階にある平禄寿司さんへ。
これがねぇ。結構美味しかったんだ。
札幌の友人はいつも釧路に来たら回転寿司に行きたがるのだが、何だ、札幌のお寿司も美味しいじゃないの!と感心しきりだった。
まず地域が違うとやはりネタも違う。それが面白い。
炙り三種って釧路だと大体“炙りとろさば、炙りサーモン、炙りえんがわ”等が定番だったりするのだが、この平禄寿司の三種には“炙りいわし”が入っていたのだ。え!?いわしも炙りメンバーに入るんだ!と驚きつつ、冒険はしない私は静かに炙り中トロを頼む。
食べるネタが決まっている息子はエビ、まぐろ、エビ、まぐろ……という流れ。ブレない男。
そこで発見する、牛タンと馬刺しというワード。
ちょっと待って。寿司に牛タンと馬刺し?釧路にはありませんよ!そんなの!けしからん!
とぶつぶつ言いながら、漏れなくその2つは頼む私。冒険はしない派ではないようだ。
それが結構美味しくて。特に馬刺しはにんにくも乗っていたので「臭くなったらゴメン…」と息子に一応謝ってから美味しく頂いた。
札幌の回転寿司もいいなぁと満足して、また地下鉄に乗って更に無駄に地下鉄に乗って、その結果地下鉄の速さと音に神経がやられてきたのか「顔の半分が痛い」とか言い出した息子。
いや、わかるよ。特に今回息子は“初めてづくし”な事ばかりで、意外と繊細な部分を持つ彼にとっては楽しい=ストレスという繋がりも多かったのだろう。
本人もスマホで「顔半分 痛い」と検索して色々な病名を言いだしてちょっと面倒になりそうだったのと、確かに地下鉄乗り過ぎたな……これ以上無理はしない方が良い。と感じたので、そのまま円山公園に戻ってホテルでひと休みする事にした。
旅には休憩も必要。
今回は2泊3日。焦る事なんてないのだ。
「あ〜ホテルって最高〜!」
「安らぐぅ〜!」
そんな地下鉄疲れした親子は、前日と同じ時間にホテルで“旅”を放棄したのであった。
次回、「どうせここに戻ってくるんだろ」その言葉を受け、思いがけず1人で札幌駅を堪能出来る時間を手に入れた朝霧。そろそろ旅も終焉の予感。
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