![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150430602/rectangle_large_type_2_88d21332fc2b8ce42b76fd215e08495a.jpeg?width=1200)
ドクターコールされた南仏の旅
正直、海外旅行は苦手だ
外国語が出来ない私にとって、海外は恐怖でしかない。
できれば、避けて通りたいのだが、なぜか海外出張の仕事が入る。
「コーディネーター、通訳つけますから安心してください」
と説得され、気付けば、台湾、香港、インドネシア、アメリカ、メキシコ、イタリアと旅した国が増えている。
中でも、今までの人生で忘れられないのが食品リサーチの仕事で行った
南フランスだ。
初めてのヨーロッパはプロヴァンス地方
フランスと言ってもパリではなく南フランス。
旅行会社へ依頼し、オーダーメイドでプランを立ててもらい、すべての手配をお願いした。
もちろん到着するまでは自力だ。
初めてのトランスファーを経て、無事、マルセイユ空港に到着したのだが、
まさか旅の終わりにあんな事が起こるなんて、この時はまだ知る由も無かった。
![](https://assets.st-note.com/img/1723433805916-PTFp1GJwZR.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1723433922749-vIDGpcmEj0.jpg?width=1200)
南フランス・プロヴァンス地方 美しい村を巡る
長年、現地に住んでいるコーディネーターさんが同行してくれたので
ガイドブックには載っていないマルシェや穴場的な場所に行くことが出来た。
毎日、プロヴァンス地方の小さい村を移動しながら、宿泊施設があるレストラン、オーベルジュに宿泊。
現地に行かないとわからない、その土地で収穫される農産物や食材を使った料理を体験したり、ハーブや食材、加工食品などの調査を行った。
レストランでは、日本語メニューは無く。
スマホをかざせば、翻訳は出来るのだが、直訳ではなかなか理解することが難しい。
今はフランス料理とは皆無の仕事をしているが、
幸いなことに、学生時代、フランス料理のレッスンを受けていたので、
レストランでフランス語のメニューを見て、料理の内容を理解することは出来た。
人生、何が役立つかわからないものだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1723433752497-KCxDjfWQZ1.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1723433997505-7d0uEX2AFr.jpg?width=1200)
突然倒れ、飛行機の中でドクターコールされた
南フランスでの一週間の滞在が終わり、
シャルルドゴール空港から日本へ向けて飛行機に乗った際は、
仕事がうまく行った安堵感や機内の寒さも影響し、疲労がピークに達していた。
出発から2時間ほど経った頃、トイレから出た途端、突然、気持ち悪くなり、必死でAttendant Callを押した後、貧血で倒れてしまった。
CAさんが直ぐに駆けつけ、私は何を話したか全く記憶に無いが、
その後はドラマでしか見たことがない、
「お客様の中でお医者さま、もしくは医療関係者の方はいらっしゃいますか?」
という、いわゆる「ドクターコール」をされた(らしい)。
一番奥の通路に寝かせられ、ドクターに診てもらった結果、
体温の低下と貧血が原因とのこと。
持病は無く健康だったので、人生の中でこんな経験をするとは、夢にも思っていなかった。
酸素マスクをつけ、2リットルのペットボトルに湯を入れた即席あんかで体を温めてもらい、機内のブランケットは薄地だったので、その上にCAさんがジャケットを脱いで、私にかけてくれた。
きっと、近くにいた人達は、興ざめだったに違いない。
6時間ほどで無事に回復。
終始、体調の具合を聞いてくれ、励ましてもらい(もちろんフランス語)、気遣ってくれたことは感謝しかない。
しかし、外国語が苦手な私が、どうやってコミュニケーションをとっていたのか?
記憶は無いし、今考えても不思議で仕方がない。
外国語が出来ない私の、コミュニュケーション術「お土産」
ドクターコールを体験してから、旅先でお世話になった人達に感謝の気持ちを込めて、そして、良いコミュニュケーションがとれるきっかけになるよう、何か良い方法は無いかな?と考えた結果が
「手作りのお土産」
![](https://assets.st-note.com/img/1723434811909-tUAyhUEZPk.jpg?width=1200)
それは、日本の生地で作った巾着袋。
一緒に、翻訳ソフトに頼りながら、手書きのメッセージカードを用意する。
※海外の人へは、巾着では通じないので「small bag」と説明している。
仕事で行ったイタリアでは、名刺よりも、記憶に残るようで(笑)
このお土産が、とても役に立った。
オリーブオイルの生産者さんにはトマト柄、レストランには玉ねぎ柄、お子さんがいる方には金魚柄など。
会う人を想像しながら作るのも楽しいし、皆さん笑顔になってくれるのが、とにかく嬉しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1723436157552-7vO8byxw6G.jpg?width=1200)
そして今、いつ決まるかわからない海外の旅に向けて、着々と巾着の準備を続けている。