
同じ電車に乗る 時が経ったのだと思う
阪急電車には色んな思いがある。
1年と少し、沿線に住んでいた。
住む前から、何度も乗っていた。
私は当時東京の大学に通っていたのだけど、元彼氏は大阪の人で阪急沿線に家があった。
完全に若気の至りで、この人と結婚する!!と思っていた。
だから就活は関西でしていた。
結果的に体を崩してまともに就職はできなかった。
それでも頑固な私は、大阪に行くことは決めていた。
今思えば私の我儘のせいで元彼氏は離れていったのだろう。
今ならわかる。
阪急電車には思い入れがあった。
電車がホームに入ってくるときの音楽が好きだった。
マルーンカラーの車両も好きだった。
今回、阪急とミッフィーがコラボしてラッピング電車が走っているとのことで、関西に行くことにした。
複雑な気持ちだった。
破綻した関係や生活のことを思い出すと今でも胸が痛む。
ホームに入ってくる時の音楽やマルーンカラーの車両は変わっていなかった。
ほとんどなにも変わっていない。
自分が住んでいた駅を電車で通り過ぎた。
あの頃とは違い、今の私には夫がいる。
夫に阪急電車に乗ることへの抵抗を話したら、「上書き保存していこう」と言ってくれた。
当時と同じ電車に乗り、同じ駅を見た。
でも隣には夫がいる。
時が経ったのだ。
簡単に上書きすることはできないかもしれない。
それでも今回の関西旅で、少し過去に諦めがついた。
そんな気がしている。