一度は行きたいあの場所 〜心惹かれる理由〜
子どもの頃、父はよく海外出張から帰ってくると、たくさんの写真をスライドにして、家で小さな上映会をしてくれました。
それは、家族だけの時もあれば、親戚の集まりの時もあり、またお正月に仕事関係のお客様がいらした時のこともありました。
暗くした8畳ほどの和室の、部屋の真ん中に置かれた映写機から、壁一面に映し出される異国の地は、私にとっては遙か遠い存在で、まるでおとぎの国のようでした。今ほど色彩豊かな写真ではなかったことが、かえって未知の世界への想像力をかき立てたのかもしれません