リトグリ結海の「夢がはじまる」の表現力にひれ伏した話
"Fanfare" 0 のライブ映像(「今この瞬間を」の初回限定版)で「夢がはじまる」を観た時、結海の歌声に心を奪われた。ゾクゾクするというか、身震いするというか。なんだこの感覚は。
程なくしてこれが YouTube にも上がったんだけど、やはり多くのコメントで結海を称賛する声。そうだよね、やっぱり皆も感動したよね。
というわけで、じゃあなんで僕はこんなにも結海の歌声に惹かれたんだろう、というのを考えてみた。
面目躍如
この歌で、結海のパートは2箇所。歌い出しと、2番のBメロ後半。
僕が(そして多くのガオラーが)心打たれたのは、YouTube でも時間指定のコメントが多く、最もリピートされている箇所、3:10 の2番のBメロ後半。
通しての印象は、序盤は静かに歌いだして、徐々に声量を増して叫ぶようなロングトーンへ、という展開。最初はロングトーンのインパクトが強かったかもしれない。
細かく聴くと、
苦しそうに、少し泣くように、「わたしは 手にしたい」
小さく叫ぶように、「やさしく なりたい」
自身を鼓舞するように、「なんどでも なんどでも」
想いを開放するように、「こころに問いかけてく」
凄かった。
これはもう、結海劇場。
序盤の歌い方、僅かに言葉に緩急がついていて、喋るように歌ってる。これはミュージカルのテクニックなのでは。泣き声のような発声、小さく叫ぶようなファルセット、後半に行くほど強く、母音が少し変化していくビブラートなしのロングトーン。この短いパートの中にギュッとテクニックが詰め込まれていて、何度見ても惹き込まれる。
歌詞や歌い方に合わせた表情も素晴らしくて、舞台上での総合的な感情の表現力という意味では唯一無二だと思う。
結海は音源だけじゃなくて、舞台上で更に輝く存在。間違いなく。
今この瞬間、そして
結海のいいところの1つに、素朴さとか純粋さとか真摯さ、みたいな要素があると思うんだけど、Bメロ最後の「こころに問いかけてく」の後半を溜めずに歌うところとかも、素直で真っ直ぐで、この歌の世界観と凄く合ってると思う。
それと、この歌の結海のもう1つのパートの、歌いだし部分。
こちらは2番のBメロ後半とは全然違くて、とても穏やかで柔らかい歌い方をしてる。空気多めで優しく、子音を丸く発声するようなエッジのない歌い方というか。結海が最初に「丁寧に・素直に」歌い出したことで、この歌全体のトーンにピュアさと(いい意味での)青さが加わって、この6人の新たな「夢のはじまり」をリアルに感じさせてくれる。
その辺りも含めて、この「夢がはじまる」という歌と、結海自身のキャリアや年齢、このライブのタイミング、色々な要素が重なった奇跡的なパフォーマンスだったのかも知れない。ライブは一度きり。
今後も表現者としての結海に目が離せない。次のライブが楽しみです。
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