女医の不妊治療体験記 #2 不妊治療専門クリニックでの治療〜妊娠まで
あさちょこです。
不妊治療(体外受精)をへて、39歳と41歳で(しかもそれぞれ誕生日目前に)男児と女児を出産している、40代半ばのワーママ医師です。
2017〜2019年頃に不妊治療をしていましたが、精神不安定になり、しんどい思いをしました。今思えば、当時、血眼になって探して読んでいた『体験記』は治療が長引いていた(つまりなかなか妊娠しなかった)方のものばかりだった気がします。
私の体験をシェアすることで、今しんどい思いをしている方々の救いに少しでもなったらいいなと思って書き始めました。まずは淡々と起きたことを書き起こしています。
#1はこちら↓
不妊治療専門クリニックでの治療 #2
色々なことに戸惑いつつも、無事に1回目の採卵を終え、そして移植できるまでに育ったたったひとつの凍結胚を戻さない決断をした私。今回はその後のお話になります。
いつまで採卵を続けるのか?
とりあえず、今回得られたたった1つの凍結胚は移植しないと決めた。では、あと何回採卵をしたら、そしていくつ凍結胚があれば私は安心して移植に臨めるのか?
これは確率の計算か?と、確率の計算がまるで不得意なので、当時facebookで投稿したことも覚えています。
この25%というのは、通っていたクリニックの私と同年代の方の移植成功率を参考に見積もりました。
この時のこの投稿へのみなさんのコメントから、8回くらいやれば、成功確率は90%くらい、ということがわかりました(自分では計算できんやった…やっぱり私の脳は理系ではないと痛感した出来事でもありましたw)。
とはいえ、凍結胚を8個も貯めるのは現実的に難しそう。
う〜〜〜ん、と考えて、凍結胚を3個は確保してから移植に踏み切ろうと決めました。最終的には自分の感覚で「1回失敗しても、あと2個ある」と思えることが安心につながると判断しました。
深い意味や根拠ははなくても、「3つの凍結胚が貯まるまでは淡々と採卵しよう」と心に決めたことで、少し気持ちが楽になったのを覚えています。
前回も少し書きましたが、不妊治療ではとにかく次から次へと判断が迫られます。自分なりのガイドラインというか、大まかな全体の方針や、「こういうときにはこうする」、というのを決めておくことは、その都度「どうしよう?!😨」と困惑するのを防ぐのに役に立ったと思います。
2回目の採卵でも確保できた凍結胚は1つ…
ということで、2回目の採卵もしたのですが、やっぱり凍結胚に至ったのはたった一つでした。
結果を聞いて、「もう一度採卵します」という私に、
「移植しないと妊娠しませんからねぇ」とやんわりと釘を刺す担当の先生。
そりゃそうだよな、と、一瞬怯んだものの、そのまま方針続行!
(マイ・ガイドラインが役に立ちました!)
その後挑んだ3回目の採卵では、やっと2つの凍結胚が確保できました。この頃までに、漢方や鍼などの取り組みをしていたのが多少良かったのかもしれません。
とにかく、これでやっと4つの凍結胚がある状態で胚移植に臨むことができました。2017年の初夏のことだったと思います。
1回目の移植とその結果
4つの凍結胚を抱えて臨んだ初めての胚移植。子宮の内膜を着床に良い状態に整えるための注射や貼付のホルモン剤を使用しました。詳細は割愛しますが、おそらく当時のごく一般的な方法だったと思います。
注射で投与する薬については、最初は自分でやっていたのですが、だんだんしんどくなってきて、できる時には職場で誰かにお願いしていました。
なお、複数の凍結胚がある場合は、グレードの良いものから順番に移植していくのが普通のようですが、私が3回の採卵でやっとの思いで集めた4つの凍結胚は、みんな仲良く4BB…。
グレード分類についても、ここでは詳細に言及しませんが、4BBは決して良くないグレードです。(今簡単にググったところ、4BB凍結胚の着床率は20−30%と書いてあるサイトも…)
担当の先生は一般的なグレード分類について、「これも形態で評価しただけですからね」とあっさりとおっしゃって、そう言われれば確かにそうだなと思う私。多分励ましてくれたんだと思います。
ということで、選びようがないので、一番最初の採卵で確保できた4BB 1号くんを子宮に戻すことになりました。
そして、この1号くんがなんと運良く着床!!!
尿検査も、採血結果も大きな問題なく、無事に心拍も確認でき、母子手帳を取りに行くところまで進むことができました。
どこで産む?無痛分娩が希望だけれど…
体外受精で妊娠した場合、妊娠の5−6週頃から妊婦検診的な診察を受けることになります。そしてその頃からもうどこで出産するかを考え始めることになります。
一つ目の条件として、高齢で体外受精で妊娠したこともあり、総合病院が良さそう。
かつ、できれば無痛分娩にしたい、と思っていたのですが、一番近くて無痛分娩ができる総合病院が高速を使って40分程度のところ、かつ、麻酔科医がいない夜間や休日だと無痛分娩にはならないとのことで、泣く泣く無痛分娩は諦めました。
無痛分娩が早く一般的になったらいいのになあと今でも思っています!
大学時代の親友が産婦人科医をしているので、相談して、実家にも自分が住んでいる地域にも比較的近い総合病院が最近LDR(Labour陣痛, Delivery分娩, Recovery回復、の略で、陣痛〜分娩後の回復までは一つの部屋で過ごせるような部屋のこと)を導入して、病棟も綺麗だとのことで、その病院での出産を決めました。
かつ、毎度その病院まで通うのは大変なので、分娩間際までの妊婦検診は自分が住んでいる街の産婦人科の開業医さんにお願いすることにしました。
おわりに
文字ばかりの体験記をここまでお読みいただきありがとうございます。
長くなってきたので、この辺で一旦区切って、次回に第1子妊娠中〜分娩くらいまでを書ければいいなと思っています。
書いていたら、仕事と不妊治療の両立とか、当時悩んでいたことや工夫していたことが思い出されて、その辺のこともまたまとめて書けたらいいなあと思い始めました。
それにしても…アイキャッチ画像を noteから呼び出せるcanvaで作っちゃうと保存されないのですね…。危うく全然違う画像になるところでした!(意地で前回と同じテンプレートを探しました!!)