「不人気業界・職種」と呼ばないで。
求人広告の世界に身を置いていると、「不人気業界」「不人気職種」といった言葉を耳にすることがあります。一般的には、応募が集まりにくい仕事、といった意味で使われることが多いです。
たしかに、事務職などは応募が集まりやすいですし、タクシードライバーや介護職などは、母集団形成に苦しむケースが少なくありません。
しかしその一方で、こうした「不人気」と呼ばれる仕事に就き、やりがいを実感している方々がいるのも事実です。そうした人たちの存在を考えると、「不人気」という言葉を使うことに、ためらいを感じてしまうのですね。
低賃金で重労働を課すことには、私も反対です。特にエッセンシャルワーカーについては、賃上げを行なっていく必要性を感じます。
しかしそのことと、仕事の優劣をつけることは、全く別の問題でしょう。なかなか「なり手」が少ない仕事の価値や魅力を見出し、求職者の選択肢のひとつとして提示することは、意義のあることだと思います。
実際、企業に取材をしていても、さまざまな働きがいを見聞きし、ときには心を動かされる瞬間があります。
少なくとも求人広告をつくる身としては、「不人気」といった言葉に左右されずに、「職業に貴賎なし」ということを肝に銘じるべきだと思います。