3度目のDeepRacer Summit Circuit参戦
DeepRacer Summit Circuit
今回は4月20、21日に開催されたAWS Summitの中で行われたDeepRacer Summit Circuitに参加した結果やそこから学んだことをお話したいと思います。
DeepRacerは、機械学習を利用して自動運転する1/18スケールのレーシングカーです。Summit Circuitではそれぞれの参加者が作成したモデルをインストールし、決められたコースを1周したタイムで競います。私にとって2019年、2022年に続く参加となり、今回は幕張メッセでの開催が4年ぶりということもあり楽しみにしていました。
昨年は日本大会で1位と2位になった方がアジア・パシフィック予選に進めたのですが、今年は1位だけが直接ラスベガスのre:Inventで開催される世界大会へ行けるルールとなりさらに白熱していました。私は昨年の3位からさらに上位を目指して挑戦しました。
大会の結果
1日目は昨年のモデルをベースに、ハンドルを細かく切り過ぎないように調整したモデルで挑み、タイムも9.921秒でほぼ想定していた通りでした。
2日目はコースの形状も考慮し、右カーブを多く学習させたモデルを使ってみました。シミュレーターでは1日目のモデルより速く一周できていたものの、本番ではゆるい左カーブを曲がれずにタイムを更新できず、結果は18位に終わりました。
今回3度目の参加でしたが、やはりオンラインと実機は別の競技だということを再認識しました。実際にコースでモデルを試しながら改善していくことが重要で、オフィスなどにコースがあり走らせることができる方は本当にうらやましいと思います。
教育への利用
DeepRacerは、PythonやAIを学ぶ入り口として非常に魅力的です。自分で書いたプログラムで学習したモデルを使って、実機が動くことを体感できるからです。 学習を重ねることで、コースアウトせずに走るようになっていく様子をシミュレーターで確認することもできます。まるで子どもが成長するのを見守る親のような気持ちになって、つい応援したくなってしまいます。
必要なプログラミングの知識も多くはありません。四則演算と条件分岐(if/else文)が使えれば、基本的なプログラム(強化学習の報酬関数)を書くことができます。ハイパーパラメーターなど機械学習の詳細を知らなくても、コース上を走るように学習させることができます。
ただし、学習教材としての賞味期限もありそうです。ある程度走るようになると、速度やステアリングなどのパラメーターのチューニングが主な課題となります。AIを深く学びたい、DeepRacerをもっと速く走らせたいという向上心があれば問題ありません。データ分析など他の分野に興味がある方には、学ぶ目的に応じた次のステップとなるカリキュラムを準備しておく必要があります。
最後に
最近ChatGPTやStable DiffusionといったGenerative AIが流行していますが、AIを使ってすごいと感じるだけでなく、AIがどのように作られているのかを学びつつ試行錯誤を繰り返すことができるのがDeepRacerの魅力です。 毎月オンラインでVirtual Circuitも開催されているので、競技としても楽しむこともできます。ワークショップの資料もあるので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。
私も今年の結果に懲りずにリベンジしたいと思いますので、きっと来年また開催されるSummit Circuitでお会いしましょう!