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不安

あいかわらず不安に苛まれています。そんなところへ依頼された仕事のお題のひとつに「学生たちの就職への不安感をなくし働くことを楽しみになるようにしてほしい」というのがありました。もちろん僕一人の力でそんなことが叶えられるはずはないし、何よりもこの3ヶ月間ほど異常なまでの不安に苛まれて仕事はもちろん日常生活においても苦しんでいる僕によくこんなお題が来るものだ…と思ってしまいます。(依頼者は僕のそんな事情はもちろん知りません)

とはいえ、仕事ですので、少し考えてみました。
僕なりに不安というのをひとことで言うと、
  未来に起きるかもしれないと思っていることに対して抱く心理的な作用
とでも言えばいいのかな、と思っています。
僕にとって一番大きいのは「起きるかもしれない」ということです。
これは言い方を変えると「起きないかもしれない」のですよね。
でも、そう考えられないんです。

以前、ネットかテレビで知ったことですが、人間の脳、特に不安に繋がる防衛機能は太古の昔から変わっていない、と。具体的にどのくらい前なのかはわかりませんが、人間(あるいはその祖先)がまだ命がけで食料を獲得していた頃、自分自身も常に命の危険に晒されていて何かちょっとした兆候があればすぐに防衛反応を示し対処しなければならなかった、ということです。ということは、不安というのは自分を守るための戦略でもあったのかもしれません。実際今でも未来に起きるかもしれない(起きないかもしれない)ことに不安を感じるがゆえに事前に対策、準備をすることができ、それが功を奏するというのは珍しいことではありません。だからその意味では不安は身を守るための重要な働きでもあるのでしょう。

一方で、未来というのはすべて起きるか起きないかわからないことだらけなのでそのすべてに不安を感じ対応しようとしていたらとてもじゃないけど日常は送れません。実は(これもどこかの受け売りですが)、人間はそんなことにならないために、通常は未来のことを考えすぎないようにもできているそうです。

ということで、起きるか起きないかわからない未来のことを考えても仕方ない、考え過ぎるのはやめよう、というのが簡単な結論だと思います。

でも、それができないのです。
本当にできない。

就職を控えた学生たちのことは、正直なところよくわかりませんが、今の僕はそうなんです。明日のことはもちろん、来週のこと、来年のこと、10年先の未来のことも考えずにいられない。しかも起きるかもしれない(起きないかもしれない)悪いことばかり考えるのです。そう、悪いことばかり。この世界は悪いことでいっぱいに思えるのです。

本質的には脳内の働きがそうなっているのだと思いますが(それがうつ病というものかな)、外的な要因もたくさんあると思います。
その多くはメディアによって運ばれてくるような気がします。僕の場合、最近すっかりスマホ依存が高まっていて、その中であるニュースアプリをよく利用するのですが、そこで「不安煽ぎ系の記事」ばかり目についてしまいます。具体的に実名で書くと何かが起きそうで怖い(これも不安かな)のですが、ある出版社が流している記事はいつも将来への不安ー例えば老後の経済的なことを煽るようなものばかりです。「65歳、預貯金平均0の夫婦…」、「年金繰り下げをして失敗した70歳の事例…」とかそんなのばかりです。以前はついついクリックしてしまっていたのですが、読んでいるともっと情報を知りたくなりまたネットで検索したりして、そして、自分に当てはめて考え、“それなら今日から食費を削らなきゃ大変なことになる”などと恐怖の中に陥るのです。
いったい件の出版社はなぜそのような記事ばかり流すのか。おそらくその対策本をたくさん出版しているのではないかと思います。

さて…、なんだか今日は少しおどろおどろしい内容になってしまいました。
結論としては、世の中の情報との付き合い方、不安を煽ぐ記事は読まない、さらにそのためには暇なときでもスマホを見ない…に尽きるのでしょうが。

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