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飴あげる

人生何度目かの鬱症状が出るようになってからしばらく経ったこの1〜2週間、今さらですが、早朝、近くの河川敷まで軽くジョギング&ウォーキングをしています。リズム運動です。
河川敷にはぶら下がり健康器のような器具がいくつかあって、やはりウォーキングなどで来たであろう(だいたい)高齢の方がそれらを使いながら思い思い過ごしています。先日、その中のお一人、おそらく僕より年上と思われる女性とチラリと目が合うと彼女はニコリと笑顔になり、そのあと唐突に「飴あげる」と、ポケットからのど飴を差し出してきました。
「あ、ありがとうございます」
僕はいただくと彼女はやはりニコニコ顔で健康器具で身体を伸ばしながら、「一日2個までなら大丈夫なの。運動してるからね」と。僕は「そうですよね。運動は大切ですよね」。その後もお互い身体を伸ばしながら二つ三つ言葉を交わし、そこで僕はお礼を言って立ち去ろうとすると彼女は「また明日」と笑顔で言ってくれました。

僕はなんだか嬉しくなり帰宅してから妻に一部始終を話すと、「そうして支え合っているんだね」と言います。
そうか、支え合うってこういうことか。
早朝、一人で河川敷まで歩いてきた者どうし、ほんのちょっと言葉を交わし、触れ合い、そしてまた会いましょうと別れる。そこにはお互い、いろいろ大変なこともあるかもしれないけど元気でいよう、少なくとも明日までは。そんな意味があるのかもしれないと思いました。

残念ながら僕は毎日同じ時間に行くわけではないのでそれ以来、彼女に会っていませんが、いただいた飴は舐めずに御守りとして持っています。

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