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麻雀の本質② 人を動かす

麻雀の本質① 運と実力
麻雀の本質③ 麻雀にスタイルはない

ポーカーでは大きく分けて2通りの勝ち方があると言われている。

強いハンドを持ってベットし、より弱いハンドにコールしてもらうか、
弱いハンドを持ってベットし、より強いハンドにフォールドしてもらうか。

これを麻雀で例えるとどうなるか?

前者ではただ普通に手を進めて、普通にリーチまたは副露して和了を目指せばいい。
しかし、よく見かける悪い例がある。
他人と差をつけようとするあまり、普通に手を進めればいい牌姿で変にヒネったり、他人と違う押し引きをしてアイデンティティを確立しようとするケースだ。
そういった余計なことは、手を加えれば加えるだけ正解から遠ざかると考えたほうが良い。
勝つときはみんな同じように勝つことを忘れてはならない。

では後者のように、自分の手牌がどうしようもないときはどうすべきか?
相手のリーチにひたすらベタ降りしているだけではいけない。そんな負のスパイラルの中心でもできることはある。
弱い手で自分の手を強く見せ、相手にミスをさせる

その技の名前は・・・




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そう、ブラフだ。


■ブラフできる条件


真面目に考えると、ブラフを使える局面はいくつか存在する。
といっても意外とその効果は小さく、あくまで手が悪いときにできることをやろうという程度のものだ。

条件としては

どうこねくり回しても和了できそうにない配牌
仕掛けに対応しすぎる面子がいる(特に上家)」
「自分が遠い仕掛けをしそうにない点棒状況」
「3人競っている点棒状況」

などを満たしているとやりやすいだろう。

目的は相手を降ろすというより、本来なら警戒させる必要のないこちらの手を警戒させてミスを誘い、相手の期待値を低下させるというものだ。

麻雀はゼロサムゲームだ。すなわち、相手が間違えればこちらに対してプラスにはたらく
こちらから問題を出し、相手に選択を強制させることで有利な立場になることができるのだ。

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■どのようにブラフをすれば良いか?


具体的な牌姿や局面を提示してしまうと、それに捉われすぎてしまうのであまり出したくない。根本的なことを理解して、それぞれの局面で応用させることが大切だ。決して局面を用意するのが面倒だからではない。

重要なのは自分の手牌ではなく、「相手からどのように見えているか?」を意識することだ。

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手牌がぐちゃぐちゃのぐちゃであるとき、その多くは字牌や么九牌であることが多いだろう。
序盤は他家の捨て牌を確認して現物を取っておく。目的は途中でこちらのブラフを無視して突っ込んできたプレイヤーに対して降りるためである。
あとは自分の河と副露でホンモノと同じように見せかけるだけだ。
今までの経験でも天鳳の牌譜でもいい。染め手やトイトイのホンモノの仕掛けを覚えて、同じように表現すればいい。

大事なポイントは麻雀の内容だけではない。
自分の動き、呼吸、リズムなどもそうだ。
自分が本当にテンパイしているときの動きを思い返してみるといい。もしくはこれからテンパイしたときに確認してみると良い。
呼吸は少し早くなっていないか?
摸打が変化していないか?
目線は変化していないか?
奥歯を噛みしめていないか?
イスの背にもたれかかっていないか?
変な癖(テンパイ煙草、給水、眼鏡直しなど)は無いか?
ブラフ時にも同じことをするか、もしくはそれらの変化をすべて消さなくてはいけない。

たとえ自分がブラフの使い手だということがバレたとしても、そのときやってることが本手なのかブラフなのか、相手に問題を提示することこそ重要なのだ。

〇まとめ
自分の河、副露を客観的に評価する
・マグナムトルネードが突っ込んで来たときのために安牌を数枚もっておく
全身を使ってブラフを行なう


■テンパイと思わせる方法(シンプル編)

人はどんなときに「この人テンパイしているかもしれないな」と思うだろうか。
これを知っていれば、自分がブラフするときにそのまま流用することができる。
テンパイ臭を出す方法をいくつか紹介する。

 ・テンパイ煙草

もっとも有名なテンパイアクションである。今まで前のめりに打っていたのに、ある副露か手出しを境にイスにもたれかかり、煙草をふかし始める。無事にテンパイすることが出来てリラックスしているからと思われる。
これをあからさまに使うことで、相手は「こいつリラックスして煙草吸ってやがる!テンパイに違いない!」と思うだろう。
煙草を吸わない人はドリンクでもチョコでもなんでもいい。「私はテンパイしてリラックス状態ですよ」ということを示せれば何でもいい。

 ・リターンエース

ツモりながら牌を確認し、和了牌でないと認識するや否やエレベーターライン(自山)の上空からそのまま河に牌を置くアクションのことだ。ほぼリーチ時と同じアクションになる。
これをあからさまに使うことで、相手は「あ!こいつ不要牌は即ツモ切りしている!テンパイに違いない!」と思うだろう。
Mリーグで頻繁にみられるアクションだが、あそこでこのアクションをする人は大体みんな本当にテンパイしている。さすがに視聴者サービスだろう。

 ・倒牌準備

それまであまり理牌していなかったのに、テンパイした途端、倒牌時のためにカチャカチャと理牌を始めだす。上下まで揃え始めたら準備は万端だ。
これをあからさまに使うことで、相手は「あ!こいつもう倒牌の準備してるやん!テンパイに違いない!」と思うだろう。

 ・幻影

テンパイ気配を出したあと、まるで誰かがダマテンにしているのを知っていると言わんばかりに危険牌を強打する。「張っていますよ」と口に出すのはさすがにアウトローなので、強打で表している。


■テンパイと思わせる方法(アウトロー編)

ここからは私が実際に遭遇して関心させられた、ややアウト気味にテンパイ臭を出す方法を紹介する。
ややというかだいぶアウト気味なので、仲間内のセットだけで使うことをオススメする。

 ・小声

東京都三鷹市の麻雀Yの元メンバーOmu氏が繰り出した技。
2副露のあと、リーチを受けて長考。20秒ほどすると「赤赤だしな・・・」とボソッとつぶやいて危険牌をプッシュ。
麻雀は不完全情報ゲームなので相手の打点はわからないはずだが、まず間違いなく赤赤のテンパイとみて良いだろう。

 ・大声1

こちらは上記と同じ麻雀Yの現役メンバーA氏の技。
副露が1人いる状況の切り番で突然「マテマテ・・・リーチか??・・・いや、ダマだ!!」とダマテン宣言。
メンバーであることと顔が本気であることを加味すると、ほぼ100%テンパイだろう。

 ・大声2

大声1と同じプレイヤーから学んだ技。
副露している状況から、いきなり本気の顔で「リーチ!!」と絶叫
”副露時のリーチ発声に罰則はない”というルールの隙をうまく突いた技術で、とても感心させられた。
ブラフ効果は絶大だが若干恥ずかしいので度胸も必要だ。

 ・ガチ三味線1

こちらは逆に、テンパイしているのにテンパイしていないことを装う方法である。和了率があり得ないくらい上昇する秘技だ。

セット麻雀でお会いした、人間力で麻雀を打つN氏から学んだ技。
リーチを受けた中盤で「安牌ないっ!安牌ないよぉ・・・!」と片筋の4pをプッシュ、他家がリーチの現物を切ると「ロン!跳満3枚ですー!」と闇討ちのような和了をしかける
残念ながら同じブラフを使いすぎて、安牌ない=100%現張りが全員にバレてしまい、いまでは全く効果を発揮できていない。

 ・ガチ三味線2

こちらも同じN氏から。
副露者が1人いる状態で「テンパれ!テンパれ!・・・全然テンパらないよぉ~・・・」とツモ切りし、他家が副露者の現物を切ると「ロン!満貫2枚ですー!」と笑顔で点数申告をしてくださる
残念ながらこちらも全員に見破られており、テンパれ!=100%テンパイがすでにバレてしまっている。


■終わりに

これを読んだ方は、麻雀がただの絵合わせではなく身体全体を使って戦う魂のゲームだと気付いたと思う。
どんなデジタルなプレイヤーでも、目の前の相手の動作ひとつに影響されて「もしかして張っているのか?」と思うことは必ずある。

繰り返すが、麻雀は問題を出す側にまわることで有利になることができるゲームだ
統計的・経験的にいまならまだ切れるはずの牌を、ブラフ仕掛けや挙動により「張っているかもしれない」と惑わせミスを誘うことが大切だ
もしそれを自然にできるようになったとき、あなたはデジタルの枠を超えて本質的な麻雀を捉える一歩を踏み出すことができているだろう。

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フィリップ
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