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新鮮なひとを見た
24歳の和菓子職人なんです。
YouTubeのショートに流れて来ました。
笑顔が素敵なせいか、100万回の再生数があるようです。
どうぞ。
1.一生懸命だなぁ
けっこう重いものを扱い、1つ1つ手間もかかる。神経も使う。
さあ、出来た!
開けた笑顔を見せてくれる。
そのカステラ、食べたいっ。
かなり、キュートだ。
わたしが24歳の時、こんなに純じゃなかった。
大学院を出たばかり。生意気ざかりだったと思う。
仕事をするというより、してやろうという感じだった。
その割に、課長や部長のわたしへの誉め言葉を探してた。
そして、他人のアラばかり探してた。
要は、仕事に真っすぐ向かうということは無かったのです。
そんな男は、それから40年経っても、”学ぶ”ということは無かった。
この映像の女性は、意識の中心に「我」がない。と思う。
学ぶのなら、自分の心配より対象に集中しなくっちゃ。
そして、彼女は、誠実だ。
和菓子をちゃんと作れてるんだろうか?
美味しく作れてるかなぁ?、という雰囲気が伝わって来る。
自分が評価されるかとか、好かれているかよりも、お客さんに出す和菓子に集中している。
わたしは、ビルに入ってサラリーマンごっこして、ときどき役員に会っていた。
どこかにエリート意識があったんじゃないか。
おれを認めてくれたら、おれもアンタを認めてあげよう、みたいな。
この映像の女性のように、一意専心、ことに当たるというのはすごく難しいと思う。
どこにもいそうな女性だけれど、実はどこにもいない。
たいがい、みんな、警戒心と嫌悪と不満と不安と閉塞感を浴びている。
もちろん、このひとだって、嫌になったりへこんだりするんだと思う。
でも、きっと、おいしく作れればお客さんが喜んでくれる。
そしたら、また来店してくれて、美味しかったよぉとか言ってくれる。
お客さんが持ち帰った和菓子。
それを子供や年寄りが囲んでニコニコしながら食べるのだ。
美味しいものは、人を笑顔にする。
その笑顔のもとを作る者が、ぶすっとしているはずもない。
2.笑顔のわけ
この笑顔美人は、りっぱに出来上がったひとのように見える。
たいがいの父親は(わたしも)、息子の嫁さんにと思うだろう。
働き者で批判も愚痴も無し。真っすぐということは誠実のあかしだろう。
そして、嬉しいことを見つけてはアハハときっと笑う。
素直なのだ。
このくったく無さそうな笑顔は、でも、きっと辛いことや悲しいことで裏打ちされているんじゃないか。
なぜかそう思う。
辛さがあったから、こうして職を得て、人に喜ばれるものを作れることがありがたい。
ありがたくって、ありがたくって、
政治も経済も戦争も病も、それは消えないのだけれど、
じぶんが生かしてもらえる居場所があることを無上に喜んでいる。
だからきっと、一生懸命で誠実で笑顔なのだ。
そんなひとは稀だから、きっと教える師匠もお店も彼女を大切に扱うだろう。
彼女には、きっと、辛いことがあったのだとなぜか思うのです。ほろほろ。
艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉(たま)にす、という。
こんなに一生懸命に向かうひとは、その理由があるんだ。
大した苦難もなかったわたしは、自己チューに生きれたともいえる。
P.S.
同じ彼女の仕事振りです。ぺこりとお辞儀をしてて可愛いですほろほろ。
映像とともに流れる曲も素敵です。
あなたの今週はいかがだったでしょうか。
わたしは、嵐ばかり。刀折れ、矢尽き、ぼろぼろに。
でも、こういうひとがこの世に居てくれると知るだけで元気でますっ。