号泣したけれど前向きな日。
少し父の持ち物を整理しようと
引き出しを開けて目にした手帳。
父は生前とてもマメにメモを書いていた。
きっちりとした印刷のような字を書く父。
手帳の中身は身体に良いお料理のレシピ。
こころに響いた言葉の意味を記したもの。
ロトやナンバーズが好きだったので
それらを考察しているメモ書きや
当選の履歴を記しているページ。
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心に響いた言葉のページは…
自分を内観していたのかなぁ。
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その他にも、
たくさんの言葉が
手帳には綴られていた。
まだ病気になる前の手帳だった。
どんな思いでこの言葉を綴ったのだろう。
想いを馳せていたら思いがけず号泣した。
お父さん
あなたは幸せでしたか?
わたしは
あなたの子どもで幸せでしたよ。
若いころはたくさんぶつかりもしたし
機能不全な家族であったのは否めなかったよね
あなたが脳出血の後遺症で失語症になったあと
一生懸命ことばを伝えようとしてくれて
わたしもあなたの思いを知りたくて
お互いがゆっくり時間をかけて
歩み寄っていった過程で
わたしはじぶんの還る場所を
見つけて心の平安を手にしたよ。
ありがとうね。
ありがとうね。
言葉でのコミュニケーションが
できた親子ではなかったけれど
あなたに守られて愛されていた
それに気がつくことができたよ
ありがとうね。
ありがとうね。
あなたの姿はもう見えないけれど
側に共にいる感覚はちゃんとある
これからのわたしも見ていてね。
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父が好きでチャレンジしていた
ロトやナンバーズの考察の手帳
在宅介護のときは
目の前のことに必死で
思いもつかなかったけれど
お父さん… もしかしたら…
一緒に楽しめたかもしれなかったね…
この手帳を参考にして
ちょっとチャレンジ
してみようかな
どうかな?
お父さん
なんだかちょっと
ワクワクしてくるね。
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とめどなく流れる涙が引けて
あたたかで前向きな気持ちに。
さぁ、引きこもってばかりいないで
思うように自分の人生を楽しみなさい!
そんな父の声が聞こえた気がする。
泣きたいなら泣くといい。
笑いたくなったら笑える。
わたしを存分に生きよう。
今日は号泣したけれど前向きな日。