病院に行った

タイトル通り。病院行った。姉の勤め先だということで紹介を受けたが、なんとなくいやだなあと思いつつ行った。姉にも自分の妹が自分の勤めている心療内科に行くなんて、どんな気持ちなのか?いやではないのか?勤め先の人に家庭事情が耳に入って何か心に思わないことをいわれるかもしれない。などと考えた。けど、正直前の病院に通うのは無理そうだし、薬を飲むのも辞めたかった。

病院は父と行った。とても待ち時間が長かった。朝の9時半に予約を取ったのに、気づいたら11時半で、やっと診察に通される―と思っていたが、看護師さんから「リモートでの診察です」と言われた。それでも良ければと言われた。医者は2人いて、1人は実際に会って診察をできるらしいが、まだまだ患者さんが多かったらしい。私は正直不安だったし、何せリモートでできることなんて何かあるのか?と思った。しかし何より、父は待つ時間が何よりも合わない人だ。もうすでに眠そうにしていたし、言葉に出さずとも「これ以上待つのは無理」という無言の空気を感じた。

私はリモートでの診察を受けることになった。なぜリモートなのか、という説明もなく、診察室で、看護師さんが記録係として、医者は電子パッドの画面越しにいた。

診察は期待以下だったと思う。「今一番困っていることは?」「お母さんに何されたの?」という2つの質問が私を困らせた。

今一番困っていることは、そう、成人式だ。成人式の案内は、私宛ではなく母あてに届き、それを成人式予約をした美容室の美容師さんを通して知らされた。もうその時点で私はとても落ち込んだ。

でも、そんなのたった1度きりのことで、今後ずっと続く悩みでないことは理解している。けど、ずっと考えてしまう。母校の式典に参加したときに、母親の姿が現れる可能性は高い。なぜなら日付も時間も、母のもとに案内が届いているからである。

そして2つ目の、「お母さんに何をされたか」ということだ。正直、覚えていないというのが本音だ。母がお酒を飲んで泥酔するだけでも、私の記憶の中では「いやなこと」である。あとは怒鳴られたとか、家の周りで私(足)と母(車)で追いかけごっこをしたとか。母は感情の起伏が激しく、常に彼女の顔色を窺って過ごさなけらばならなかった。私が少しでも「意見」をいうと、いつの間にそんなに偉そうになったの、あのクソジジイ(父のこと)の影響か、と言われたことも。でも色々ありすぎて、言葉に集約するには難しい。そんなのはただの状況説明な気がして。

診察が終わったあと、私と父はそのまま成人式の写真と振袖レンタルをしてくれるところをあたった。自分の意思としては、せっかくだし振袖に袖を通して写真でもとっておきたい。振袖レンタル、撮影料込みで15万ほど。ほかにアルバムとして残すなら20万ほどかかるらしい。

今予約している美容室さんはいわゆる「母御用達」で、母が独身のときからお世話になっているところだ。しかも、前述したとおり、美容師さんはあまり私と母の事情を把握していないので、母に聞かれたら私の情報を話すのも、仕方ないということだ。私は母に、そして母の情報を知られること、知ることは何としてでも避けたいところであった。そういうことで、そのまま別の写真屋にあたることにしたのである。

そして決まりかけていたところだったが、今朝、次姉から一通のメッセージ。「もっとほかのところ探したほうがいいよ、20万は高いよ」とのこと。長姉からも電話がきて、「たった1回の出来ごとなんだから、(母御用達の)美容室でいいじゃん」と畳みかけられた。

なんだかそれでひどく落ち込んでしまった。私のわがままのせいで、もしかしてこんなにみんなが振り回されているのか。自分が意図していないところで、自分の自己中心さが現れ、皆が大変な思いをしている。そう思うと気付いたら剃刀を手に持っていた。

新しい病院の医者には、「思ったより元気そうだね」「その調子だと、リスカット辞められそう?」と聞かれたけど、どうでしょうか。私は元気で、今日も生きている。そして、後者の質問にはこれまた難しい質問であると考えた。

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