私たちはスタバがなくても、生きていける
コーヒーが好きな私は、移住をする前にふと思った。
「田舎においしいコーヒーを飲めるところはあるのだろうか」
東京には至る所にコーヒーショップやカフェがある。スタバにタリーズ、ドトール、エクセルシオール、BECK'S、ブルーボトル、ルノアール、コメダに星乃、もう数えきれない。探さなくてもふらっと入れる場所にいつの間にかあるレベルだ。
新作が毎月のように出されるし、自分好みにカスタムできるし、分厚いパンケーキやホットドッグも食べれるし、Wi-Fiだってある。カフェ好きの私にとって、カフェが近くにない生活というのはQOLが下がってしまう…と移住前はそんな心配をしていた。
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朝倉に引っ越してきてから初めて出会ったカフェは「HIRO」だった。
▼店舗情報
HIRO / ITALIAN TOMATO 甘木
〒838-0063 福岡県朝倉市古賀1−1
夫が仕事の関係で街の移住者を探していて、行き着いたのがこちらのむすこさんとスウェーデン人のパートナーさん。東京からUターンで朝倉に帰り、お父さんの代から続くこのカフェを切り盛りするようになったという。
正直、期待していなかった。私は学生時代にヨーロッパに1年間留学をしていて、本場のコーヒーを飲んできたので、コーヒーには結構うるさい。安っぽいコーヒーは求めていなかった。
HIROで、ランチセットを頼み、サラダとスープとパスタ、それに食後にコーヒーを頼んだ。夫は同じメニューで食後にアイスカフェラテを。
おいしくランチをいただき、いざ、コーヒータイム。HIROのむすこさんが丁寧に淹れてくれているのがカウンター越しに見える。すごくいい香りがしてきて、期待が高まる。
絵柄のかわいい北欧風のカップに淹れられたホットコーヒーと、きれいに2層になったアイスカフェラテが運ばれてきた。
一口。
その瞬間「私たちはスタバがなくても、生きていける」ーーそう思った。
特にアイスカフェラテは絶品だった。エスプレッソの苦味がしっかりと出ていて、ミルクと溶け合い、何杯でも飲めそうである。エスプレッソが美味しいというのは、技術の高さを感じる。
以来、私たち家族はHIROのファンになった。我が家のむすこもHIROのご家族とすっかり仲良くなり、自分の子どものようにかわいがってもらっている。HIROへ行くたびに、夫はエスプレッソをダブルで、私はカプチーノをいただく。いつ飲んでもおいしいし、ホッとする。
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朝倉にはスタバに負けず劣らない素敵なカフェがたくさんある。田舎と侮るなかれ、雰囲気もおしゃれだし、水がいいからだろうか、コーヒーも本当においしい。そして、ファンがついている店も多く、博多から毎週末遊びにきている人がいるお店も。
私たちは、スタバがなくても生きていけるんだ。むしろ、それよりも素敵なものを見つけた気がしている。えっへん。
最後に、私がおすすめしたい朝倉とその周辺のカフェを一通り載せておく。朝倉にくる際にはぜひ☕️
■ 水の音 土の音
〒838-0019 福岡県朝倉市上秋月1642
おいしいコーヒーと落ち着く空間。陶器のギャラリーもあります。冬や薪ストーブが暖かい。
■ 珈琲 山口
〒838-0001 福岡県朝倉市秋月673
こだわりのコーヒーにファンが多い珈琲 山口。近隣のレストランではこちらの豆を使ったコーヒーを出しているところもあります。お通しの水出し珈琲がうまい。
■ cuwano. Books Cafe Space
〒838-0068 福岡県朝倉市甘木1821−4
朝倉のスタバ的存在。ノワクールというフラペチーノ的な飲み物もあり、女子高生に人気。2階にはコワーキングスペースも。椅子やテーブルなどがすべて朝倉に本社があるナガノインテリアのものでおしゃれ。
■ タリル珈琲
〒838-0064 福岡県朝倉市頓田531−2
落ち着く空間とおいしい珈琲、季節のデザートが楽しめます。自由に読める本のチョイスが好き。
■ Zelkova Coffee
〒839-1411 福岡県うきは市浮羽町流川336−1
コーヒーに対する並々ならぬ愛情を感じるカフェ。もちろんコーヒーは美味しいし、2階の席から眺める山並みも最高です。近くで果物狩りができたり、レストランやギャラリーも素敵なので半日過ごせそう。
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スタバに限らず、「これがないと無理、生きていけない」と思っていたものが、移住してその地に慣れてくると、ないことが当たり前になり、人は適応するもんだ。
そもそも、私はカフェに何を求めていたんだろう。みんなは何を求めているんだろう。そう考えると「絶対スタバじゃないとダメ」という強烈なこだわりが私の中にはなかったのだ。
また飲みたいと思えるコーヒーがあり、自分の感性に合う第3の場所。だから、代替できるものを見つけられた。
ないものをねだらなくても、探しにいけば、もっと素敵なものにであるかもしれないってお話でした。
ーーきょうのところはここまでーー