仕事を辞めたら登山に行かなくなった(2024年振り返り#2)
仕事を辞める前は、月に3回くらい登山に行っていた。(ちなみに9割以上ソロ登山)
それが、今年の4月末に最終出社を迎え、しばらくはぼちぼち一人で登山に行っていたけど、7月ごろからめっきり山に行かなくなった。
7~9月は、日本アルプスの短い夏山シーズンだ。そこに向けて徐々に歩く距離や標高差を増やし、テント泊装備の重さに体を慣らしていく。
そして、9月に有休をたっぷり使って集大成と呼べるような縦走登山を行う、というのが近年の私のお決まりパターンだった。
今年ももちろん、そのつもりで行きたい山をリストアップし、綿密な下調べをして、登山計画書の作成までしていた。
それにもかかわらず、結局、計画した登山は実行しなかった。
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理由を考えてみると2つあるように思う。
1つは、私にとっての登山は「働くこと」と表裏一体であったということ。
一生懸命働いた後の楽しみであり、リフレッシュ方法が登山であった。だから、働かなくなったらそれほど身体が登山を欲していないのかもしれない。(行きたいという気持ちはある!早起きするほどの熱量が湧いてこない…)
もう1つは、いつでも行ける状態だと、逆にいつも行けないというパラドックスだ。
働いているときは、登山に行けるのは基本的に土日だけ。有休を使うにしても土日を絡めることになる。
貴重な休みや事前申告した有休となれば、多少天気が悪かろうが、混んでいる時期だろうが、とりあえず突撃する。行ってから、晴れることを祈り、悪天候のおかげで人が少なければそれはそれでラッキーだと思う。場合によっては、晴天時には見られないような幻想的な景色に出会えることだってある。
それが、仕事の都合を考えずにいつでも行けるとなると、すべての条件が揃った完璧なタイミングで行きたいと思ってしまう。天気、気温、混雑具合、花の時期、自分の体調などなど。
そうすると、わざわざ天気が微妙そうな日に行かなくてもいいか…、となる。天気が良くても週末の場合は、わざわざ混んでるときに行かなくてもいいか…、と。
結局、いつまでたっても行かない。
数日間の縦走なら、どこかで天気が崩れるのは当たり前なのに、全日程が晴れの完璧さを求めて、悉くチャンスを逃してしまった。(しつこいけど行きたい気持ちはある(笑))
そんなわけで、今年は自分の登山をしなかったなぁという振り返り。
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ただ、「自分の登山」をしなかっただけで、新しい出会いや今までと違う関係性の中で、「人と一緒に行く登山」の機会に恵まれた(下記リスト)。
そして2024年は、自分のためではない登山やピークを目指さない山歩きを純粋に楽しいと感じるようになった、そんな変化のあった一年になったように思う。
2024年7月以降の山行
7月 両親と|上高地
2021年11月に私が長野に越してきて以来、初めて両親が札幌から遊びに来てくれた。
松本城など定番の観光地も盛り込みつつ、上高地では1泊2日の滞在。2日間チャンスがあったのに、あいにくの曇天だったのでまた来てほしい(笑)
8月 前職の先輩後輩と|白馬三山縦走
前職の先輩&後輩から「北アルプスに連れてって~」というお声がかかり、計画とアテンドを。
テント泊縦走を希望、かつ、先輩の方はあまとみトレイルや伊豆稜線歩道をスルーハイクしてるから結構歩けると思っていたら、後輩の方は全然経験がなく(汗)初心者には厳しめの山行だったけど、無事に歩き切ってくれてよかった。
個人的には、以前から白馬鑓温泉に入ってみたかったけど、混浴(水着可)が一人ではハードルが高かったので、今回一緒に行けてよかった!
【2泊3日テント】猿倉→鑓温泉(泊)→頂上宿舎(泊)→栂池高原
9月 いつもの山友と|栂海新道
毎年1~2回は一緒に山に行く頼もしい山友。
ここ数年は日和ってベースキャンプ型の登山が多かったけど、今回はがっつり縦走登山。ただただ Summit to Sea をやってみたかった!
尋常じゃないくらいの汗をかくほどの湿度からスタートし、水がないかもしれないという情報で重量級の荷物を背負い(5ℓくらい水を担いでた)、想定以上のアップダウンと強い日差しの中を歩き、最後は土砂降りの雨で全身ずぶ濡れ…、とかなり厳しい山行だったけど、最後に日本海に到達したときは感動!一緒に行ってくれてありがとう♪
【2泊3日テント】北又→朝日小屋(泊)→栂海山荘(泊)→親不知海岸
10月 NZで知り合った友人と|大天井岳
ニュージーランドのミルフォードトラックのツアーで一緒になり、仲良くなった友人(日本人)が、「登山したい!」と宮城から遊びに来てくれた。
長野はよく来るけど、登山は涸沢カールしか行ったことがないとのこと。ミルフォートトラックに負けず劣らずの北アルプスの絶景を見てもらいたいと思い、表銀座へ!
ミルフォードトラックのときは毎晩2人で酒を飲みまくってたので、ごはんが美味しそうな山小屋を選択。結果、ごはんは美味しかったんだけど、夕食前にビールやらワインやら飲みすぎて、夕食やBarタイムに全然お酒が飲めなかった…笑
【1泊2日山小屋】中房温泉→大天荘(泊)→中房温泉
10月 一人で|ニュウ
この期間中で唯一のソロ登山。
朝起きて、今日天気いいな~、白駒池の紅葉が見ごろだな~、と思い立って行ってきた。
11月 講習会で知り合った友人と|荒船山
エコツーリズム講習会に参加して、そこで仲良くなった友人と(しかも割とご近所さん!)。
一緒に山に行こうとなったきっかけも、講習会の講師の方が「荒船山は紅葉のデパート」と教えてくれたから。新しい出会いに感謝!
11月 前職の同僚&友人と|美し森山
私が前職に在籍していたときから、登山靴の相談などを受けていた同僚が遊びに来てくれることになったので、じゃあ一緒に登山いく?と誘って行くことに。
本当は湯ノ丸山や飯盛山あたりに行きたかったけど、雪や凍結の心配があったので美し森山〜八ヶ岳牧場のハイキングに変更して、のんびり山ごはんを楽しんだ♪
12月 前職の社長&同僚と|黒斑山
今年一番の驚き。まさか前職の社長と一緒に山に登る日が来るなんて!
その社長も9月ごろに退任されたので、今はお互い無職の気楽な関係。年齢も近いし、お互い旅好きで働きたくな~いという状況にシンパシーしかなかった(笑)
雪でも黒斑山に行きたい(浅間山を見たい)ということで、事前にチェンスパを買ってもらい、レイヤリングのアドバイスをして出発。
寒波が来ていて浅間山は見えないかも…、と思っていたけど、黒斑山の山頂でサプライズケーキが出てきた瞬間、奇跡的に晴れて浅間山がお目見え!(私の誕生日だったけど、まさか雪山初心者がこんな仕込みをしてるなんて全く思ってなくて本当にびっくりした)
滞在の2日間のうちの唯一の晴れをヨミ切った自分と、彼女の晴れ女パワーを称えたい!