NMIXXが『独島は我が領土』を歌った?
先週、NMIXXメンバーが、韓国のバラエティ番組内で『独島は我が領土』の替え歌を披露し、少し議論になってしまっているみたいです。
該当箇所は20:51〜
このことは数日前から話題にはなっていましたが、じわじわと広まり、若干「炎上」に近くなってしまっているのかなという状況です。
K-POPアイドルがこの歌を歌って炎上するのは初めてではないですね。
このことで
「NMIXXって反日だったんだ…」
「NMIXXへの想いが冷めた」
とおっしゃっている方も複数見られるので、
もちろん推すのをやめるのは個人の自由ではありますが、
個人的に思うところを書いていきたいと思います。
まずNMIXXが番組内でこの替え歌を披露することになった経緯ですが、
まず話題として「MIXPOP」の話をしていて、過去の別の歌手の「MIXPOP」とも呼べそうなヒットソング(色々なジャンルを混ぜた楽曲)について話題に挙げていました。登場していたのは往年のヒットソングとも呼べる古い楽曲ばかりでした。
その話題の最後に、NMIXXが「MIXPOPのリーダー」として、
『独島は我が領土』+ポケモンのテーマソング+オロナミンCの韓国でのCMソング+『ワニの群れ』
というMIXPOPを披露する展開になったんですね。
『ワニの群れ』も韓国ではよく知られた童謡で、『独島は我が領土』はそれまでの話題に登場していたので突然NMIXXがぶっ込んだわけではないです。
NMIXXの替え歌の内容は以下になります。
나를 묶고 가둔다몐 뱃길 따라 이백리
버터플 야도란 새들의 고향
그 누가 아무리 자기네 땅이라고 우겨도
악어떼가 나온다 악어떼 악어떼
和訳:
私を縛って閉じ込める 航路に沿って二百里
バタープルヤドラン 鳥たちの故郷
誰がいくら自分たちの土地だと言い張っても
ワニの群れがやってきた
ワニの群れ
ちなみに『独島は我が領土』の原曲としては、
歌詞は1番から4番まであるものの、広く知られているのは1番の歌詞です。
울릉도 동남쪽 뱃길 따라 이백리
외로운 섬하나 새들의 고향
그 누가 아무리 자기네 땅이라고 우겨도
독도는 우리땅 우리땅
和訳:
鬱陵島 東南側の航路に沿って二百里
孤島一つ 鳥たちの故郷
誰がいくら自分たちの土地だと言い張っても
独島は韓国の領土、韓国の領土
原曲と比べていただけると、リリーとベイが歌っていた箇所以外は歌詞が変えられていることが分かると思います。
この披露場面だけを見た日本人にとっては『独島は我が領土』をNMIXXメンバーがノリノリで歌っているようにしか見えないため、ショックを受けた方もいるかもしれません。
しかしこの歌はあまりに韓国で知名度が高く、広く浸透している歌であるため、これを歌ったり、作品内で使ったりする行為がただちにナショナリズムの意味を持つとは限らないし、ましてや「NMIXXが反日である」と決めつけて落胆するのはあまりにも尚早であると考えます。
もちろんこの歌はナショナリズムの意図をもって歌われる場合もあります。
日本にとって「竹島」は「領土問題」ですが、韓国にとっての「独島」は領土問題の範疇を越え、「日本の植民地支配の象徴」という扱いです。
この歌には植民地支配への抵抗=愛国心が込められているといえます。
が、90年代には小学校の教科書にも掲載され、大人から子供まで誰もが知っている楽曲であるため、わざわざ歌詞の意味を考えて深い意味を持って歌っている人ばかりではないと言えそうです。
NMIXXの意図はおそらく、「みんなが知っている2つの古い歌(『独島〜』と『ワニ〜』)を掛け合わせて面白いMIXPOPを作った」ということに尽きるのかなと。
何よりも日本と関係するオロナミンCのCMソングとポケモンの歌を混ぜていることから、「反日」の意図がないことは明らかと言っていいと思います。
もちろんNMIXXメンバーが日本に対してどのような感情を持っているかは分かりませんが、まだ日本デビューもしてませんし、日本国内で歌ったわけでもないので、あまり過剰にバッシングすることではないのかなと思います。
今後、NMIXXが活動していくにあたって今回の事実が捻じ曲げられ「NMIXXが反日ソングを歌った」という論調で広まらないことを願うばかりです。
9/1追記:私の早とちりでNMIXXがミックスして作ったかのように書きましたが、実際は2019年にこのミックスソングを作った人が別にいて、同曲は当時流行したものであるようです。番組内で「これオンニ(お姉さん)が作ったんですか?」と冗談で言っていたので誤解してしまいました。すみません。
その2019年の動画がこちらになります。↓
またちなみにですがコメント欄でご本人が今回の炎上について言及していたので掲載します。
(11/15追記)炎上が再燃しているようなので、
もう一つこの件について記事を書きました。